美人のお誘いは受けるのが礼儀ってモンだよね。
マナーがなって無いなぁ、そのオニーサン。
[大袈裟にも見えるその仕種にすら、顔色を変える事無く。
同情思わせ振りに小さく肩を竦めるだけ。
向けられる紅に、藍は一度瞬いた。]
ヤダなぁオネーサン、…丸腰のボクにそんな事聞くんだ?
まあ――其処まで言うなら。
[口許に添えていた右手から、流れる様に手を離す。
するりと。編み上げられる銀糸。
一寸に満たない合間、白銀の刃へと姿を変えた其れは
掲げる様にして、振り降ろされた剣を難なく受け止めた。]
――ボクを楽しませてくれなきゃ、困るよ。