[打ち払う様に刃を弾き返し。隙を縫って、たん、と軽い音で地を蹴る音。人の身のこなしには随分と軽やかに宙で身体を返すと僅かに間合いを取るように、影から身体を離した。しかし、其れも一瞬。たぁん、と。次に地を蹴るのは、空けた筈の距離を詰めるべく。駆――否。翔ける様に。低姿勢から詰めた刃は足元から掬い上げるかの如く。相手の剣戟を避けるように繰り出すのは右側面から斬り上げの一閃。]