だからって……!
[勝手すぎ、という言葉は声にはならなかった。
それだけの余裕は、持てなくて]
……くっ……。
[風に力を凝らし、先へ進めようとするもそれは叶わず。
焔の龍が牙をむいた。
一度は散らされた風が弱いながらも護るように周囲を取り巻くものの、しかし、それは容易く揺るがされる程度のもの。
激しい熱。それでも、身を護るために手を翳す事はしない。
逆に、両の手を護るように身体を丸めて、熱波に耐えた]
……だ、から。
専門外、だって、言ってん、のに。
[やがて、焔の龍が鎮まったなら。
口をついたのは、こんな言葉]