ええっと、確か女性は小顔が好きでしたです?
[石像に問いかけるが返事などあるわけがない。
しかし、無言は肯定とみなす。
たった今そう決めた、だから返事など必要ないのだ]
ふふふ、僕が綺麗にしてあげるで、す。
[鑿と鎚をつかって丁寧に丁寧に頬を削った。
頬が終われば次は顎を、
顎が終われば次はまた別の部分を削った、
そうして、我が作品は出来上がっていった。
完成の瞬間はなんともいえない恍惚の表情をきっと浮かべていたに違いない]
これで終了で、す。
ふふ、見違えるように綺麗になったで、す。
[堪能した石像は地面に叩き付け砕いた。
必要ないのだ、終わったものは。
次の石像はもっと綺麗に仕上げよう、そんなことを考えながら意気揚々と歩き出した]