[蒼龍が射出した水流は違うこと無く召喚師へと向かう。けれどその先でその水流が弾けることは無かった]
…んだと!?
[光を強める召喚師の右手。水流はそれに押し止められ、更にはそこから水流を巻き込みながら光が放たれる。速度は速く、避ける仕草も出来ぬまま七色のそれは男の横を掠め、着物の袖を削ぎ取って行った]
……………。
[しばらくは瞳を見開いて前方を見、ついで掠めて行った左腕の袖に視線を向ける。左腕を持ち上げると、破れたところから火傷の痕の残る腕が顔を覗かせた]
……く、はははは!
参った! 降参だ!!
俺はとんでもねぇ奴を相手にしてたらしい。
[口から発されたのは笑い声。左手を額に当て、僅かに垂れ落ちて来た前髪を掻き上げる。喉元で青銀の龍が呆れるような息を吐き出し、最初のように頭を喉元へと巻き付けた]