[放たれる一直線の剣閃、それ自体は容易くかわせるもの。
その真の意図に気づくのは、僅か、遅れた]
……ちょ、そのまま突っ込んでくる!?
[針の雨を避ける事無く、裂かれた空間を渡り現れた様子に口をついたのはこんな一言]
覚悟って、なんのっ……。
[問いへの答えは、動きによって返されるか。
視界から消える姿を『龍眼』が追うも、追いつくには僅かに及ばず。
首筋に触れる、冷たい感触。
僅か、動けば、少なからず紅も零れるか]
……ほんっと。
俺って、ないよなぁ……。
[何が、とは言わず。
ため息にのせて、こんな言葉が零れた]