我儘なのじゃな。
[くつ、と浮かべた笑みは直ぐに消え。爪の連撃を躱されたと知るや、反撃を危惧して獣の動きが如く即座に後ろへと飛び退る。開いた間合いをどう詰めるか、と言う一瞬の思案の隙に飛び迫る、三日月型の刃]
やはり侮ってはならぬな。
[距離をものともせぬ攻撃に唇が弧を描いた。もう一度後ろへと飛び退りながら背に翼を生やし。宙へと舞うことで三日月型の刃を躱す。僅かばかり刃の方が早かったか、それが左足を掠めたが一時捨て置いた]
はっ!
[掛け声とともに翼を大きく羽ばたく。上空から男目掛けて滑空すると、男にぶつかる直前で急上昇。擦れ違い様に男の左肩を抉ろうと爪を繰り出した]