>>960>>961>>962 ノーラ
もし、これから先…――
[細い指先が自身の首元へと向かうのが、視界の端に映る。
その指先が向かう上で、喉仏を震わせて紡ぐ言の葉。
――刹那、躊躇うように呑みこんで。]
貴女が、誰かの温もりが欲しいと思うなら、
そうしても良いんですよ。
僕に、囚われたままでなくても
――…貴女は生きているのだから。
[それでも、遠まわしに伝えていた想いを、
今度は少しだけ真っ直ぐに伝える。
それでも、二度と忘れない――と言ってくれる女性に、
そうして欲しいと願うかのよう。
紡いだ言葉とは相反するように手は蠢く。]