[膨らみを優しく揉みしだいていただけの手は、
指先で円を書くような動きに変わり、
吸わずとも赤く色づく胸の中心の蕾に迫る。
焦らすように微かに触れて、遠ざけて、また近づけて。
――寄せては返す、波のように。]
…――ノーラ。
[もう敬称をつけない名を、呼んだ。
あがる声。開放された胸元に風。衣服に感じる握られる力。
これから先をしても良いのかと、問う視線を向ける。
――自分という存在を刻みたい
でも、そうすることで自分に縛ることは
同じ世界にいないからこそ、怖い ]