ほう、避けぬ、か。
[追撃の刃を受ける様子に、上がるのは感心したよな声。
そこに降り注ぐ、紅から生じた矢尻は剣を振るう事で打ち払う。
弾き損ねた一つが頬を僅かに掠り、金の髪を数本、風に散らした]
さて、このまま輪舞の如く打ち合うもまた悪くはない、が。
[地面すれすれで滞空する女との距離を測りつつ、小さく呟く]
……それでは、お前は納得すまい、『魂喰い』。
[問いは、手にした真紅の剣へ。
剣は肯定するよに、リィィィ、と甲高い音を立てて震える]
……ならば、行く、か。
[低い呟き。口元には、優美とも言える笑みが弧を描く。
深紫が対峙する女へと向けられ、直後、漆黒を纏うその身が疾く、駆けた]