糸紡ぎ ユーディット

─後日・自宅自室─

[一通り手伝いを終えて、これからよろしくね、とお願いして。
家に帰り着くと、包みを開く。
中から現れたのは、蓮華草の意匠を施した未完成のランタン]

……蓮華草。
そか、レェねえも……。

[同じだったんだ、と呟いて、見上げるのは壁に飾った細工物。
広がり、咲き乱れる勿忘草と、それを照らすヒカリコケを象った、リース。
長に頼まれて作った、自分の願いを込めた細工物。
その願いは、周期を越して、形を変えてはいるけれど]