「誰が継げって言った?…ど阿呆。」[視界覆う赤の向こう。聞き慣れた声と、乱暴に撫でるその手の感触。]…ぁ……ししょ………[張りつめていたものも切れたように、思わずあげた声は幼く。]「継がせる気なら、ガキでも作りゃすぐだ。…そんなんじゃなくてな。同じもん背負っちまったお前にゃ、それで辛い目にあって欲しくなかった。だから色々教えたんだろが…」[だそうとした声は震え、謝罪は言葉にならず。]「台無しだ、バカ野郎。」[罵倒すらも、今はあたたかい。]