[背に隠された左手の軌道までは読めなかったため、相手の右肘を弾いた後に繰り出された刃に息を飲んだ。
盾をその場から動かさなかったお陰で左の刃も防いだものの]
─── うわ!!
[砕けた剣が閃光を発したため、声を上げて眼を瞑ってしまった。
ふるりと首を振って薄っすらと瞳を開けると閃光はもう無く。
僅かに霞む眼を細め、尻餅をついている相手を見据えると、ランスの切先を相手へと突きつけた]
……勝負あり、ですよね?
[隻眼は細められ、軽く睨む形となる。
実際は眼の霞みが戻っていないためなのだが、それが無くても表情は似たようなものだったろう。
対峙する間、神経を研ぎ澄ますために息を止めていたため、ゆっくりと何度か肩を上下させながら呼吸を繰り返しながらユリアン>>1365へと問いかけた]