〜おまけ〜
[全ての終わりし後の事。
北の遺跡の傍らに、佇みし影が在る]
やれ。つい力を貸してしまうとは。
見守る時が長くて、情が移りでもしたかな。
[閉じた鎮扇を顎元に当てつ、くつり笑む。
其の容は何時かの狭間にての時と同じく、
どちらともつかぬ年若き人の姿、和の衣装。
とんと地を蹴れば吹く風に、ふわり身体は木の上へ]
まあ、あれももう心配は無いだろう。
後は彼に任せて、僕は他へ往くとしようかな。
[呟きは白む空に消えゆくか。
再び風の巻き起こりて、梢が音を立て揺れる。
葉が土に触れる頃には、もう其処には何も*在りはせず*]