[辺り一面包み込むようなふわふわの波に埋もれながらも魔力は途切れることなく身に纏う霧を形成していた。]
……………私の妹に、このような生物を纏わりつかせるなど。
最近は子供扱いを嫌がるから、抱き上げるのもやめていたというに、こんな、こんなふわふわが、私の可愛い妹に触れるなど…─
[ふつふつと溜まりに溜まっていく怒りが、そのまま霧への魔力となるように。
霧はふわふわ達を包み、更に外にいるオトフリートをも飲み込もうとするかのごとく広がっていった。
けれど黒く濃い霧が帯びるは魔力ではなく、触れるもの全てを眠りにつかせるような甘い香り。]