[集中していた耳に文句は届いただろうか。巨大斧は深く地面へと減り込んで居る。それもそのはず、そうなるように仕向けたのだから]
…だぁらっしゃああ!!!
[遠隔で仕掛けて来ると思っていた相手は罅割れる地面を駆けていて。けれどそれには気付かぬままに、地面に減り込ませた巨大斧を上へと跳ね上げた。地面を抉り飛ばすかのように]
[2m四方の岩の塊─元は地面だったもの─が宙を舞う。それに伴い、亀裂の入っていた周囲の地面も細かい礫となり、天目掛けて飛び上がる。それらは地割れを避け走り来る青年の頭上から降り注いだ]