……時空ってーと……。
[召喚使いかな、と。
呟きは、龍の顔面に杖が食い込む様子に途絶えた。
声音の異なる詠唱には、一瞬きょと、とするものの、動き出したらそちらには意識は向かず]
Ich trage eine Windstärke, meine magische Macht, und wohne in einem Schirm.
[先に放った魔力の矢は、牽制。
それが黒い鳥にかき消されるのを見つつ、次の呪文を詠唱する。
傘への属性付与。青の傘は、翠玉を思わせる淡いいろを──風の力を纏う]
……いよ、っせい!
[軽い掛け声と共に踏み込んで、閉じた傘を胴体狙いで横に薙ぐ。
踏み込む直前、肩の白梟が上へと飛び立った]