[振りぬいた傘は、受け止めたステッキを弾き飛ばして相手のバランスを崩す。
そこに追撃の詠唱、と思った矢先、視界に白が広がった]
うおっと!?
『惑わされるでない! 下!』
[とっさ、飛び掛る白い狐を払いのけようとするのと同時に、白梟の一喝が落ちてくる。
それに、え? と惚けた声を上げた直後、足に鈍い衝撃が伝わった。
唐突な事に体勢の維持はできそうになく、ならば、とそのまま後ろに転び、横に転がって距離を取った]
あっぶねー……。
『……油断しすぎだ!』
あー、はいはい、悪かった、ね、と!
[舞い降りてきた白梟に投げやりに返しつつ、立膝の姿勢で傘を横に薙ぐ。宿っていた風の力が、刃の形を取って、飛んだ]