[放った力に先んじ駆ける、十字の刃。入れ違うよに駆ける、光の槍と、ペンギンと。それらに意識を向ける余裕はなく、ただ、風を繰る。しかし、近づく光に秘めたる闇が疼いたか、ぎりぎりで意識はそちらへ]……っち![舌打ち一つ、避けられる余裕がない以上は受けるか止めるか、或いは──喰らうか]フウガ、離れろ![鋭い声。漆黒は逡巡の後、腕を離れる]……闇焔、舞いて、喰らえ![直後、揺らめき立つ闇色の焔。それは光の槍を喰らい、消え失せる]