[押し返そうとした嵐の中でそれは弾けた。>>1786均衡は意図せぬ呼吸で崩れ、押し広がる空気に嵐は逆に乱されて]かぜ――っ!![大きく乱れた風は呼び戻すのに間に合わず。咄嗟に首を竦めて顔だけは腕で庇った。殺到する無数の鎌鼬。顔を覆う腕に、胸に、脚に幾つもの傷を刻み。完全に制御を離れた嵐が無秩序に吹き荒れる。足を取られたと思う暇もあればこそ。桜舞う中に幾つも緋を滲ませた身体もまた舞い上げられて]――くはっ![受身を取る間もなく背から地面に叩きつけられ、ぐったりとなった]