[赤い鱗が覆う翼が再度強く空気を叩く。叩かれ散り去る空気は熱に塗れて溶けて消えた][すと、と翼の強大さを思わせぬ軽い音で地に降りて]…ふむ。連れられたは我だけかと思うて居ったが、そうでも無いのか。[肩を竦めるのを視界の隅に収め、正面から真紅を合わせる]うむ、此処が何処であるか、何故連れられたか、知る手段も持ち得ぬ。…我は余り長く離れて居る訳には行かぬ故、我の在るべきへ戻りたいのだが。…其の手段、そなたにも判らぬのだろうな。