[拳に渦巻く嵐に髪が嬲られ舞い上がり散る。確りと掴んだ衣服、開いた口から放たれる焔は塵芥も残さぬ灼熱。――火炎龍のドラゴンブレス]…は、我としたことが。[火を吐き切った口元を押さえ、転がる体を見下ろす。くつり、喉奥で転がる音がまたひとつ]途中で何度熱を抜いてしまったか、の。[呼気を溜めて、後。灼熱に踊る呼吸を言葉にしたのは幾度であったろうか][やがて動きを止める男へ歩みを進め、焼け融けた皮膚の奥に触れる。鈍く響き伝わる微細な振動は機能を続けて居る証]……ふむ。