[元より、初手の一閃は牽制としての意味が強い。故に、避けられる事は想定内の事]
……戦の場であるならば、長口上は無用であろう?
[軽口に、さらりと返しながら、振り切った後の体勢を整える。
その間に紡がれる言葉。
現れた武器に青紫が僅かに細められた]
ほう……珍しいものを使うのだな。
[零れたのは短い感想。
上から迫る月牙。自らの武器は、相手の武器を受けるには適さない。
故に、無理に往なそうとはせず、横へ移動する事で直撃は避けようとするものの。
動きは僅かに遅れ、左の上腕を僅かに刃が掠める]
ち……。
[舌打ち一つ。ひとまず、距離を開けて。
間合いを測りつつ、銀の大鎌を水平に構え直した]