[二振りの武器の柄がぶつかり合い、大鎌は本来の勢いを失する。
完全に避けられる事こそなかったものの、伝わる手応えは想定していたものよりも浅い]
それは、褒め言葉として受け取っておこうかっ!
[ふ、と口元に浮かぶ笑み。
しかしそれも束の間、相手の武器の動きに素早く鎌を引いて距離を取ろうと試みるものの。
僅かに距離は及ばず、横薙ぎの一閃は胴を掠めて黒衣を裂いた]
……中々、やるな……。
[痛みに眉を寄せながら距離を取り、言葉と共に一つ息を吐く]
長々と打ち合っていても消耗するのみ……仕掛けてみるか。
[受けた傷の具合を確かめつつ呟いて、構えを取る。
真白の百合が、吹き抜ける風に揺れた]