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─食堂─
[向けられる視線には、気づいていても。
今、蒼が見据えるのはただ、一点]
……あー……宿ん中だと、内緒話とかし難いし。
とりあえず、外、でねぇ?
[玄関を親指で示しながら、問う口調は何気ないもの。
けれど、蒼に宿る険しさと──それと共に宿る、何かを楽しむような光は、僅かながらも見て取れるか。
それが、勝負を仕掛ける時の表情と知る者は、ここにはいない、けれど]
/*
……ライ兄は、狼であってほしくないなぁ…
ていうか、皆狼であってほしくないんだよなぁ…
ベッティもイレ姉もミハエル君も…
─宿屋・食堂─
[ゼルギウスと話をしていると、アーベルが降りて来てライヒアルトへと声を掛ける。
翡翠がじっとアーベルを見詰めた]
[狭い選択肢に含まれる一人。
手に掛けるを厭わない者。
けれどここで事を起こす気は無かったため、彼らの様子を眺めるままとなる]
踏ん張り時、だな。
四人で一緒に逃げなきゃならねぇもんな。
[自分と、同胞とその伴侶と、子。
分が悪い勝負というのは分かっていたが
最後まで抗うしかないと、考える]
―食堂―
[遺体をみたからという訳でなく、食事をとれない身としてはべッティの言をライヒアルトが退けてくれたのはありがたかった。
そこに言葉を重ねることなく、チラリと現れたアーベルがライヒアルトに誘いかけるのを横目でみつつ]
そうだね。
私も、私が選んだ途を行くよ。
[ミハエルに薄らと微笑んで見せた。
次に占った先、その結果を謂うは決めている。
ただ、そのタイミングが……―――難しいかと視る先は。
出来うるならば、皆の前で効果的に、
とは唯自分だけの都合に過ぎない。]
……そう。
[夫の調子だけはいつものまま。
なのにどうしてこんなに不安に駆り立てられるのか。
それでも踏み込んで聞けないのは、
何かを知るのが恐ろしいからかもしれない。
今のように。
今この時は穏やかで温かなのに、その一歩先は見る事が出来ずに。]
―宿屋二階 個室(回想)―
……人形を?
[部屋を訪れた少年に、女は最初こそ僅かな警戒を見せたものの。
懇願する彼の様は嘘には見えず、受け入れるまでそう長くは掛からなかった]
ええ。
お気に召すといいのだけど。
[完成予定図のスケッチを見る少年には肯定を返す。
素直な賛辞には素直に礼を。
パペットを介しての礼の言葉には、くすくすと笑いながら頷いて。
照れているミハエルをちらと見遣ってから、続きに取り掛かろうと鋏を手に取った時]
[青年は何かを感じてはいた。
虫の知らせというものだろうか。
アーベルの蒼を深緑が見詰め、それから肩を竦める]
外、ね。
男二人で散歩なんて華がねぇが
いいだろ、行こうぜ。
[幼馴染に頷き、玄関から外へと出る]
……私も行こうか?
[もう一人幼馴染は占い師の候補の一人。
手にかけるに抵抗のある相手ではあるが。
だからどこかに潜んでいようかと、同胞に問う。]
[驚いた拍子、短く悲鳴を上げてしまったかも知れない。
人形の倒れる音。
振り返った目に入ったのは、先程まで笑い掛けていた相手が、]
――ッぁ……
[喉を衝かれた反動でのけ反る。
亜麻の髪が波打つ。
手を離れた裁ち鋏が、ミハエルの左腕を傷つけたのには気付けなかった]
[何か言いたげな視線を向けるだけに、結局何も彼に言うことはなかった]
まっ、幼馴染同士、男の会話もあんだろな……
[つぶやくような声は自分を納得させるためか、他人に納得させるためか]
(ミ、ハエル、さ)
[声は出ず、代わりに熱いものが込み上げてくる。
冷めてゆく恐怖も、痛みも確かにあった。
それでも]
(ああ――)
[引き倒されても、胸を突かれても、返すのは生理的な反応だけで、抵抗らしい抵抗は見せなかった。
瞠られたままの群青は、少年の翡翠だけを捉えて]
可能性は高い、かもしれないね。
[ふっと思い出すのは、ブリジットの件のこと。]
どうしようか、先に君が白だと謂ってしまうのもありかな。
[サシで話したいのならば、余計なことかと、そわりとして謂う。]
―――……うん、4人で
[叶わぬことと知っていながら、言葉だけは希望ある先を。]
[右手が少しだけ動き、けれど彼に向けて伸ばすことは叶わない。
ミハエルにとっての女は、“一番最後”だったけれど]
(……ごめんなさい、ね)
[人形によく似た双眸の奥、哀しみは深く*沈みゆく*]
/*
ん〜。アーベル、ライヒ殺す気だろうな。
私の死亡ふらぐっ(←
こうなると遠慮してしまって死に損ねること多いのよ(*ノノ)
強行してもいいかしら(あわわ
……そう、ね。
[4人と、呟けばそっと腹に手を当てる。
腹の子は母の手に過敏に動き返す。
……少し大きくなっていた。
まだ見て触れられても知られぬ程度の変化だが、
人ならざる身が、その餌がそうさせたか。]
華がないとか、俺ら二人に関して言えば、いつもの事だろ?
[イレーネがゼルギウスの所に行っている時は、大抵は二人で駆け回っていたのだから、と。
おどけた口調で返しつつ、玄関から外へ。
出てすぐは自衛団員の姿もあるため、少し歩くか、と言って歩き出す]
……さってーと。
どっから話したもんかねぇ。
[周囲に人の気配の途切れる頃。
最初に口にしたのは、こんな言葉]
いざとなると、色々とひっ絡まって。
上手い言葉が出てこねーや。
それが最善手、かな。
食堂ならまだ人もいるだろうし。
[仲間の聲に是と返す。
四人で、と繰り返されれば少しだけ安堵の色を浮かべた]
[外に出る前。
そういえばこうして未練を残したのは自分だけなのだろうかという考えが頭を過ぎった。
ぐるりと見渡したところで、此岸にいない誰かの姿を、声を、見聞きすることは出来ただろうか]
俺等二人はまあそうだけど。
子供の頃はさ、イレーネも一緒だったじゃねぇか。
あいつは華にカウントされねぇのか?
[聞いたら拗ねるぞ、とアーベルに軽く笑う。
笑いながらも微かに柳眉が寄せられて]
上手い言葉なんて期待してねぇよ。
[外を歩き何時しか足が向くのは湖畔]
――…何を話したいんだ?
[立ち止まり目を細め蒼を見遣る]
― 宿/二階廊下 ―
…あ、これは、ね
ユリアンの……
[其処まで言うと、先程運ばれた亡骸が誰か伝わるはずで。
へなりと眉を下げながら座り込む幼馴染の元へ向かい。
ゆるゆると頸を振り駄目だったと告げるよう。]
…僕は、なんともなかったけど、ね
此の侭じゃ何だからさ、着替えようと想ってたんだ
[しゃがみ込み血濡れの服が見えない様に屈んで。]
―食堂―
[己が途を行くと告げたゼルギウスは、ふっと思い立ったように、外へと向かう2人に、主にアーベルに向けて――……否、その場にあった全員に向け言葉を紡いだ。]
ん。2人で話に行くのは佳いけど、もしライ君に何かあったら
私はアーベル君を疑うよ。
私は、ライ君が人狼ではないと『識って』いるから。
[さて、その釘さしは届いたか否か。]
それは……
[夫の事を言われればコエには迷いが生まれる。]
でも、貴方も心配なのよ。
[幼い時から共に在った、たった一人の同じモノ。
彼以外の人狼を自分は知らない。
だからその尊さも確かに感じていて。
任せると言われれば、少しの逡巡の後
外に出るタイミングを測った。]
……つか、あいつは一人の華だし。
[華云々はこんな言葉でさらりと受け流し。
話を促されると、ポケットから瑠璃のダイスをつかみ出して、手の中で鳴らした]
……話したい、っていうか……聞きたい、ってのが、実情かね。
……なんで。
じいさまと、ブリジットと……ユリアンを、殺す必要があったのか。
…そ、う、なの。
[ゲルダから言われた名に、先程運ばれていった骸が誰だったのか悟って。
赤髪の男性を視た後、一人帰りを待っていてくれた人の命が消えたことを知った。]
…ゲルダ、は。
大丈夫?
[なんともなかった、と言って自分と目線を合わせるようにしゃがみ込んだ幼馴染にそれでも大丈夫かと問いかけて。
その瞳を見つめる闇色は、心配に揺らいでいた。]
/*
うむむ。
これはクロエ襲撃宣言なのか、次に死ぬつもりなのか。
んや、今日ライヒ吊りクロエ襲撃、明日アーベル吊りの流れか?
2人で出て行って、片方が帰って来て片方が帰ってこないってことになったら、疑いは自ずとかかってしまうだろうけど。
[占い師である筈のゼルギウスの視点では、疑う先は3名だ。
アーベルとべッティとゲルダ。
そのうち、アーベルを疑う言を紡ぐのはひとえに……―――。
ミルクティーに含まれた薬が効いたか、痛みはなく、けれど違和はある胸を我知れず押さえた。]
[華がないとの言葉に、二人を見送りながら昔のことを思い出したり。
年の離れた自分は二人に連れて行ってもらえることもなく、自分なら華になれるのにとか思ってたこともあったかもしれない]
時折、うらやましくもあるな、イレーネやライヒアルトが。
[ぽつりとつぶやく言葉は誰かに聞かれることがあったか]
[ゼルギウスの言葉にそちらを軽くにらむように]
ずいぶんと疑いあいになるのが、ご希望に聞こえるぞ。
[返した言葉にとげを混じらせるのは、内心のいらだちのせいか、
昨日に感じた疑念のこともあってのことか]
……わかってら、そんなこと。
[ぶっきらぼうに紡げばアーベルの手の中で何かがなる。
それは部屋選びにも使われた『女神』。
続く言葉にクツリと咽喉を鳴らした]
――…其れが占う為の呪具か、アーベル。
[先ほど感じた怖気の正体を見据え]
なんで、か。
――…如何しても必要だったのさ。
生きるために、殺した、とそれで納得するのか?
修道士 ライヒアルトは、宿屋の娘 ベッティ を投票先に選びました。
/*
なるほど。
残る狼はイレーネになるのか。
何だこの夫婦。
ベッティの可能性は……うーん。
ゼルギウスと対立気味だからなぁ、無さげかも。
―食堂―
ゼル?
[幼馴染らへ向けていた視線は、夫の違和に気づいてすぐに戻される。]
ゼル?大丈夫?
[胸を押さえる夫の肩を、少し掴んで顔を見ようと。]
……おんや。
否定してくるかと思ったんだけど、案外ストレートなのな?
[呆気なく返された言葉に、低く笑って。
もう一度、瑠璃のダイスを投げ上げる]
……ま、そういう事。
俺が、飛び出す直前に作った、最初で最後の瑠璃細工。
[受け止めた二つの瑠璃は、微かな音を鳴らして]
生きるため……この状況から、逃れる、ため、とか?
そりゃま、確かに、理不尽な話ではあったけど。
……わざわざ事、荒立てる事もなかったんじゃねーの?
…怪我は、してないけど
[胸が軋むように痛む。それ故に両手を胸にあてた。]
大丈夫、だよ…どこも痛くないから
[痛ましく笑みながら娘は幼馴染の方を向く。
人の死を目の当たりにした事。
ユリアンの時は直接見てしまった所為もあり、
10年前の記憶―――…弟の無残な姿と重なって。]
クロエは、見たんだよね?
カルメンさんの事…
[訊ねるように、ぽつぽつと語り始め]
[チロリと紅は、ぽつりと裡滲む声漏らしていたベッティを見る。
彼らは人狼が何名いるかも識れていない。
一先ず、仮想人狼を作るならば、
アーベルかべッティであると、状況的には思う。
思うのだが……―――。]
私はただ、白と識っている人に何かあれば……
そういってるだけだよ。
[嘘の類は得手ではなく、だからこそ彼らに黒を出すでなく
ライヒアルトに白を出した。
疑うよりは、護りたいのだと、そう演技できるように。]
/*
まぁ僕はゲルダが手にかからなければそれで良いわけで。
ゼルギウスがゲルダ黒とか言い始めたら速攻掌返すんだぜ。
[無さそうだけど]
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