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[ウェンデルは、二人の様子に構う素振りすらない]
人狼は、滅さねばならない。
[ただ、はっきりと。
その一言を発した後には、極小さく、延々と負の感情の込められた言葉が続く。問いに対する答えとはならずに]
滅ぼす…ねぇ。
それが親しい人でもってことか?
[ウェンデルの様子にまじめな表情で聞き]紅茶を一口そちらをじっと見つめて答えを待つ]
……それが使命ならば、
[淡々と紡ぐ口調とは裏腹に、僅かな躊躇い。
瞬間、何処かが軋むような痛みに、口を噤み眉根を寄せた]
そうか、使命なら…か。
[と、応えてすぐにウェンデルが苦しむ様子に]
おいっ、大丈夫か?
無理はするなよ?
[心配そうに覗き込み]
今日はもう休んだほうがいいんじゃないのか?
……ぁ、はい。
[覗き込んでくる眼に、はたはたと幾度か瞬く。
夢から覚めたような面持ち]
無理を、しているつもりはないんですが。
心配をされるようでは、いけませんね。
お言葉通り、休むことにします。
[それから、一言を付け加える。
終わりには珍しく、冗談めいたものを*混ぜて*]
ああ、紅茶を頂いてからにします。
兄さんばかりに飲ませるのは、勿体ないですから。
おう、飲んで落ち着いたらゆっくり休むといい。
俺は、積もる話もあるんでな。
[ゲルダを示しながら]
突然変なこと聞いて悪かったな。
容疑者のほとんどは俺の親しい間柄の人物がおおいもんでな。
[その後紅茶を飲み終わり自室へと戻ったウェンデルを見送り、
紅茶を飲みながらゲルダとナターリエを交えて昔話やこれまでのことなどを話した。
夜もふかまり次第に眠気を覚え始めたころにそれぞれの個室へ*戻っていった*]
/*
……まあ、土日だからな。
さて。
弾かれてえらい事になったら対策で教会関係者にしたわけだが。
暗部に関しての詳細は知らんよな、普通。
とりあえず。
・過去に人狼騒動に遭遇
・騒動を仕組んだのが教会なのは知っている
・それ故に、教会と袂を分かっている
こんな感じ?
修道士スタイルのままなのは、神自体への信仰は捨ててないから、で。
(ロザリオもちゃんと持ってるし)
さてて、どう動いてゆくかな。
[降り注いでいた白銀は、今は止み。
雲の薄くなった向こうに霞んで見える紅色]
変な符丁、合わせるなよな。
[吹き上げた煙でその色を隠す。
再び流れてきた雲も、霞む月を押し隠した]
村を守りたい、か。
まあ俺だって…守りたいとは思うけどさ。
どうせ初めてなんかじゃない。
やれというならやる、けど。
[深い溜息が落ちた]
[手元まで降りてきた熱を握り潰す。
右手に走る、小さな痛み]
……止めた。キリがない。
[窓を閉める。部屋の中ですら吐く息が白くなっていた。
それでも広間に戻る気はまだ起きなかった。
そこに残っているかもしれない者のことを思うと]
明日、謝ればいいよな。
それと。ライに……。
[途切れる声。衣擦れの音。そして*静寂*]
[兄と慕うマテウスの謝辞。
うん、と短い返事で抱擁を受け入れた。
人狼の話しがウェンデルに向き、翠玉を移せば、何処か印象を異にした相手が見える]
…気を張ってる?
[抑揚に欠ける口調よりは、差し出した紅茶に入った砂糖とミルクの甘さ、温かさが労りを告げて。
部屋へと皆が戻り出した頃、厨房で食事の仕込みをして、それから自身もまた個室へ*戻った*]
(回想)
[ヨハナの後にくっついていった後、ライヒアルトやマテウスたちの後に一応くっついていったものの人手は足りている様子。何かできることはないかとその当たりをうろうろしているときに聞いた、ギュンターの声]
人狼……?だと
[ギュンターに食ってかかるゼルギウス。その様子をぼんやりと見つめて]
[皆がぞろぞろ引き上げ、もしくは広間で話しているのを横目で見ながら、むっつりと黙り込んだギュンターと言葉を交わす]
……そうか、そんなに村が殺気立っているのか。
このままここに火をかけて、俺たち全員を焼き殺してしまえ、そんな意見まで出るほどに……成る程な。
隔離することで俺たちを守る、そういう意味もあるんだな……
もう遅いな。あす、ヨハナばっちゃんに色々聞いておく。
お目付役としてここに押し込まれたのは、要はあんたも容疑者なんだろ?
何だよ。怒るなよ。身に覚えのないことで疑われて腹立たしいのはこちらも同じだ。
[ギュンターに手を振って*余った寝室へ*]」
― 翌日:集会所二階・個室 ―
……ない、か。
[夢より覚め、身支度を整え、祈りを捧げ。
平時とは異なる状況で平時と同じく日課を済ませたウェンデルは、荷を漁る手を止めて呟いた]
防寒用すら、忘れていたくらいだものな。
[ゲルダの淹れてくれた紅茶のおかげか、訪れた眠りは快く。昨晩、胸にあった違和感も今は消え、規則正しく生命の音を刻んでいる。
ゆえに安堵を覚えたものだった、のだが]
ふわぁ...
[ベッドの上で伸びをして、部屋を見回す。]
ふゃ…あれ?えーと…
[おばあちゃんの家じゃない。一拍して、昨日ここへ連れてこられた事を思い出した。]
あー…。
[立ち上がり、窓の外を見る。
落ち着きのない自衛団員。
硝子越しにも、緊張の空気が伝わってくる]
……頼んでみるか。
[鞄から取り出した紙とペンに文字を書き付け、部屋を出ていく。他者を起こさぬようと心がけても、古い床板は、歩みに合わせて悲鳴をあげた]
はー…。
[ため息。一晩眠ったせいか、怖がる気持ちがなりを潜めてる。]
[大人は仕方ないなぁ…。][そんな思いさえ、ため息にはこもっていた。]
[そのとき。]
[廊下で、床板のきしむ音がする。]
[足音は階下へ行ってしまい、やがて扉を開く音が続いた。]
[わたしは、みんな起きてるのかな、と、部屋を出てみることにする。]
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