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生き物たちは肩を寄せ合って、
厳しい冬の寒さにも耐えていく。
けれど、ひとりぼっちの子は?
雪をにくいと怨むのでしょうか、
それともきれいと思うでしょうか。
<灰色の空を舞う白はうつくしい。
生を奪う冷たさを有しているなど思えぬほどに>
……寒いのなら、暖めてあげようか。
[声は、イレーネの背後から。]
教師 オトフリートが「時間を進める」を選択しました。
[背後からの声に、室内を振り向く。
謎かけのように紡がれる言葉には]
ううん、別に――良い。
このくらいならまだ凍えないもの。
それに、寒い時はね。
温かいものをいっぱい感じられるんだよ。
[そう言って、手を自分の頬に当てて見せる。
冷たい指先は頬の熱を温かいと感じ、
掌の中心に触れる頬は掌を温かいと感じる]
……はっ……そうでなきゃ、面白くねぇってな!
[簡単に、という言葉に、笑う。
突き出される、白く輝く雷光の刃。
まともに食らえば、さすがに身は持ちそうになく。
雷撃を迎撃した後、一時力を失っていた糸に再び念を込める]
Verhaften Sie meinen Feind!
[命じるのは捕縛。
刃がこちらに到達する前に、本体を押さえ込もうと。
地面に落ちていた糸が力を得て、ティルを中心に螺旋状に舞い上がる]
[モニタ越しに映る映像には、白は存在しない。
在るのは、ただ、寒々とした鉄色の残骸の群れ。
月は煌々と地面を照らしている。]
[猫の声に球体6つ、緩やかに明滅。
球体は少女を背負ったユリアンを取り囲んで。]
[おともだちと一緒にユリアンの背に揺られながら
着いたのは、前にいた場所を思い出すお部屋。]
…………。
[そっと、寝台に降ろされ、
そっと触れられて、その足の痛さにやっと気づく。]
…なんだろ。
[操作盤のようなものがあるので、触ってみた。
ピ、と音がしていっぺんに沢山のモニタに電源が入る。
この「遊戯場」の、いろんな所を映しているようだった。]
へぇ。
ここから、誰かが見てる、のかなぁ。
じゃ、ここに居ればここに人が来るのかな。その人脅せば…出られたり、するのかな。ふふ。
[寒いと感じるのは、雪が冷たいから。
冷たい雪が降るから、ではない。
ならば、イレーネが温かいと感じるのは、
――温かいと知っているから?
同じように頬に手を当てても、頬が指先の冷たさを感じるだけだった。
体温を奪っていくようにしか、思えない。]
……わたしには、わからないみたい。
[首を傾げた。
しゃらり。
玉は絶えず、音を奏でている。黒は、深い。
それは、聞こうとせずとも、脳に直接伝わっていく。]
<雪は変わらず降り積もる>
[むすっとした表情のまま、手馴れた様子で消毒し、薬を塗布し、くるくると包帯を巻く。
その瞳は一度も李雪を見なかったし、ましてや声を発する様子もなく。
傷の手当が終わればわざと大儀そうにひとつため息をついて巻き終わった包帯の端をぽん、と叩いた。
終わり、と]
楽しむか。
確かに我らは悪魔とすら踊るもの。
[刃を突き込む直前、周囲の糸に視界すらも塞がれる。
刃ともなりうる糸に絡め取られるわけにはいかず]
Wendung!
[その身体に達する前に刃の軌道を変え、糸の一部を切り裂くように掻き分けて。
白刃に纏わせていた力を己の足元へと集中させた。
踏み込んでいた足を撓め、宙にあった足で作り出した磁場を蹴る。
包み込まれるよりも一瞬だけ早く上空へと跳び上がり、空を蹴るようにして後方へと移動して]
流石だよ、本当に。
[体勢を整え直しながら、再び刃へと雷光を這わせた]
…………言われたからって、
ユリアンが安全って確信出来なきゃ、
駄目なんだもん。
[大切な人の様子に、身を小さくして。]
[椅子に座り、足を抱えようとしたが左足は包帯が邪魔で曲げられなかった。
むっすーとした表情のまま、モニタを睨むように*見つめる*]
[体温が体温を奪っても、それは体温にしかならないのだ。
私が私のものを奪っても、それは奪うという行為にはならない]
分からない?
じゃあ、手が冷えてる――のかな。
でも、それなら手は貴女の頬を温かいと感じる、よ。
だから、絶対温かいの。
[それは、どちらかが実際温かいわけで。
その両方を感覚として同一人物が持つなら、
必ずどちらかが温かいと感じるのは道理。
彼女の持つ飾りが奏でる音がしんとした雪景色を背景に響く]
/*
えーと、もっしもーし。
これって俺が今外に出たら、どう見えるんですかね。
ここで外出たら、俺視点雪降ってないとか
少し面白そうかな、と思ったりしたんですがー。がー。
…それは。あり?
*/
─中央部・廃墟群─
[廃墟の屋上から屋上へ跳び移って散歩を楽しむ。
その服装は昨日までのシスター服ではなく、袖が大き目な長袖のシャツにジーンズ、そして髪をバンダナで纏めた動きやすい服装。
その腰には、鞘に収められた大振りのサバイバルナイフと拳銃。
トーン、トーンと軽やかに跳び回っていた彼女の頬に冷たさが走る。]
ふぅん、雪か。
[そう呟くと、タンッとビルの貯水塔の上に着地。空を仰ぎ見て、両手を広げる。]
雪よ降れ降れ もっと降れ
すべてを白く 塗りつぶせ
碧も 紅も 黄色も 黒も
すべてを白く 塗りつぶせ
[くるくると貯水塔の上で手を広げ、楽しそうに歌う。彼女の歌うは滅びの歌。すべてを無に返すことこそ彼女の歓喜。]
シスター ナターリエが「時間を進める」を選択しました。
[遠目に見れば少女の足は靴下を履いたよう。
包帯を鮮やかに扱う手元を、
おともだちを抱き締めて見る。]
…………。
[ユリアンのため息に、びくり。さらに小さく身を竦める。]
悪魔と踊る……か。
言いえて妙、だな。
ま、カミサマを信じない俺にとっちゃ、そっちの方が付き合い易いがね。
[離脱するティルを無理に追いはせず。
その言葉に、くく、と楽しげに笑う。
胸元の、クロームシルバーのロザリオが、揺れた]
……お褒めに預かり光栄至極……と。
[軽く言いつつ、雷光を纏う刃に蒼を細め。
自身も、糸に力を込め、刃を与える]
雪は眠りを呼ぶ、
眠りは死に繋がる、
ならば雪は死を齎すもの?
冷たさは全てを奪っていく。
[手が冷たいと思うから、
冷たさは温かさを奪うと思うから、
ブリジットには温かいとは感じられない。
冷たい、ということは、何よりも恐ろしいと信じているから。]
……温かさを忘れてしまったのかも、知れないね。
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