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あ。すみません。失礼しました。
[思わず指でこめかみを揉みながら、挨拶時の非礼を詫びた]
ええ、そうですね。気をつけないと。
どうやら随分と長く寝すぎたみたいで。
ご忠告をありがとうございます。
[あまり上手くない冗句を口にして、
思わず相手方の首輪に行こうとする視線を逃がした]
……一体、ここで何が起こったのでしょうね。
向こうの部屋に行かれたのですか?
[笑顔で話を振ろうとしたが、
コントロールしきれぬまま声音が低くなる]
[鼻歌の主は見つけられないままだった。どこからかやってきたのか戻ってきたのか不明な人影がちらほらと見えているだろう。]
…
[重い足を動かし地面へ向けるが思うようには動かなかった。
これが未だ解決策が見つかっていない病の結果だと、長い眠りの後に知らされた真実だと解れば瞳を細めた。]
― 冷凍睡眠施設 洗面所 ―
――別段構いはしなくてよ。
[視線の行く先、首輪の数字。
それはそうだろう。自身の首輪に片手を添える]
分かりませんわ。
ただ――善い事でないのは確かかしら。
[そうして、ちらとエントランスホールへと常葉緑の眼を向ける]
ええ。
――老人が1人閉じ篭り
――石像が1つ、壊されてる。
玄関は 開かなかったらしいわ。
[目覚め]
[そこに春は見いだせるのだろうか]
[回りを見渡す姿]
───おは、よう?
[眠りから目覚め、膝を抱える姿]
[首を傾げた]
[未だ、眠いかな]
[明滅するレッドランプ。大半は蓋の開いていない装置。
得体の知れない不安が押し寄せてくる]
お、おはようございます。
[同じように起き上がる女性や、歩いてくる青年が見えた。
青年に首を傾げられ、瑠璃を瞬きながら挨拶を返した]
あの、これは一体。
[記憶の混乱。何を問えばいいのかが分からない]
[もう一人の目覚め]
[目覚めていたのかもしれないけど、今気付いた]
───さぁ。
[わからない]
[とりあえず言えるのは]
何か、起きてる。
[これだけだ]
[瞑目]
[溜息]
そうですか。玄関が……。
[常葉緑の軌跡を追って、隣に広がる空間へと瞳が動く。
小さくため息をついて、首を左右に振った。
本当に軽い動きだったのに、首や肩が凝り固まったような音を立てる]
Ich glaube, der Stern,
von welchem ich Glanz empfange,
ist seit Jahrtausenden tot.
(わたしがいま、その輝きを
受けているあの星は、
何千年の昔から死んでいると私は思う)
[そうとしか考えられない想像。無意識に、詩句が漏れた]
そのご老人とも、後でご挨拶が出来ればいいのですが。
ああ、これは失敬しました。
私は、オトフリート・フェヒナーと申します。
よろしく、ミズ――?
[朝かどうか確認する術はないけれど、目が覚めた者同士の挨拶が少し離れた場所で聞こえてきている。
深緑の瞳は黒に近く、細めれば尚更。]
…
[足を地面に伸ばすが触れた途端に痛みが走った気がした。
だがそれと同時に足元の感覚がみるみるうちに麻痺していくかのようにも感じられた。そう、まるで石になるかのように。]
――…そう。
[現状を確認するように言葉を漏らしその場に静かに立ち上がった。元から細身な体だったが、長い眠りのせいか以前よりも痩せた気がした。]
>>294
[現状を確認するような言葉、近くに見える青い青年>>293が言葉を返すのなら彼女は何も語らないままで。]
/*
せんせい。
『冷凍睡眠施設 洗面所』ってどこですか。
…うーん。
洗面台は別個の部屋だったのん?
開始時からそうだけど、
たまに位置関係把握しづらいときあるんだ;
Klage…(嘆き) ……リルケね。
[青年が諳んじた詩の名を呟く。]
――… 外に出なければ分からなくてよ。
こうなっているのは、此処だけかもしれない。
[外へ。
常葉の少女は少しばかり強い調子で
自分自身にも言聞かせるように、謂った・]
…そうね。聞かなければならないことは、沢山。
私はブリジット=R=エグランティエ。
ええ。好きな詩人です。
[彼女の答えに、頷いて正解だと返す]
外――
「まだほんとうに存在する星」はあると信じたいですね。
特効薬が完成した後、予算か何かの都合でここが忘れ去られているだけ、などであれば良いのですけれど。冷凍睡眠装置の様子から、最低限の電気は生きているようですし。
あらためて、よろしくお願いします。
エグランティエさん。
玄関が閉ざされているなら、
何にせよわれわれはしばらくお仲間ですから。
[彼女に、右手を差し出した。
側にいるであろう男性二人とも、
望まれるなら自己紹介と握手を交わそうとしてから]
玄関がだめでしたら、どこかに窓でもあればよいのですが。
換気もしてみたいですし、きっと外も見えますでしょう。
そう。
[そのはずだった]
[語らぬ女から視線を戻し]
エラー、みたいだ。
[フェイタル・エラー]
[望んだ未来が来ない現在]
[伝えるように視線を床や別の装置へ]
[冷たい棺、砕けた悲鳴]
───今の、ところは。
[患者しか見ていない]
そして私も先刻目覚めたばかりなの。
[状況説明を求める言葉に、静かに言葉を返していく。]
…
[足取りは重いまま、女と男の傍ではなく赤い星が煌くカプセルの方へと近付いていった。]
[水音を紡ぎ続ける洗面台の傍
微かな身動ぎ
膝の間に埋めていた顔がゆっくりと上がる]
…ん
[どうやら少しだけ眠ってしまっていたらしい
周囲から聞こえる声に視線を向ける]
/*
Σカルメン、いたのか。
いいや、右側にいたことにしてしまえ。
都合が悪くなるとこの設定使ってる気がするな。
いい加減しつこい気がするけれど、まあいいか。
そして、一回村を出て狂人希望に代えようかなあ。
いろいろシミュしてみた結果、割と生き残る意思が薄い気がした。
エラー?
[小首を傾げて青年の視線を追う。
毀れている砂、明滅する赤、開かない扉]
私と同じなんですね。
[女性の言葉に小さく頷いて、ようやくカプセルから降りようとし始めた。少しギクシャクとしながら、ずっと守ってくれていた殻の中から外へと足を下ろす]
まだ眠ったままの人も多い?
[他のカプセルに向かうのを見ながら思った事をそのまま口にした]
[女はそこで選ばれた星以外の運命を見た。
遅かれ早かれ訪れる未来を予兆するかのような赤い星の点滅。
閉ざされた小さな戸の向こう側には動かぬ人の石像が横たわっていた。]
…っ
[悲鳴を上げることはなかったが、小さく息を飲んだ気配は伝わったかもしれない。次の瞬間、焦ったように誰かを探すように周囲へと視線を配ったがすぐに表情は元のものへと戻っていった。]
教員 オトフリートが村を出て行きました。
見てみればいい。
[答えはそこにある]
[冷たい棺に横たわる石の人]
[人であったはずのもの]
[自分たちと同じみずいろを着た]
それが、答えだろう。
[ちかちかと明減する赤]
[届かなかった悲鳴のようだ]
16人目、教員 オトフリート がやってきました。
教員 オトフリートは、狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[今まで気がつかなかった、洗面台の死角から、
小さな女性の声が聞こえた]
………?
[半歩足をずらして、そちらを見やる]
ご気分が優れないのでしょうか。
大丈夫ですか、ミズ。
[座り込んでいる様子、体調が悪くなったのかと
慌てて彼女の前にひざを付き、そう声をかけた。
ちらりと彼女の首輪に視線を走らせる。
……一度では見切れず、何度か見返す羽目になったけれど]
/*
うお。嘆きって悲しい詩のイメージだったのか。
切ない中に希望が燦然と輝く詩のイメージだった。
面白いなこれは。
かといって、リルケの詩のストックはほとんどないんだが。
まあ、そのうち言語野があっちいくからいいんだけど。
[悲鳴]
[視線]
[自分を呼んだのか、彼女の声は]
[ことん、と首の輪が揺れた]
さっき、何人か。
[多分あちらにも]
[水音のしていたほうに視線を]
[それから床に崩れた女を見降ろす]
[>>307>>308でブリジットの口から、繰り返し出る言葉。
彼女の想いを伝えてくる気がして、まぶしそうに目を細めた]
高いところにある窓でしたら難しいでしょうが、地上付近なら十分出られるでしょうね。ああ、どこからか丈夫な布でも探し出せればよいのですが。
[そうして、女性の前にひざをついた後のこと。
彼女の首輪の数字を見ると、少し安堵の息をついた。
まだ、そう高くはない]
あなたも、お目覚めになってすぐなのでしょう?
でしたら、気づかれと言ってもそんなに油断は出来ませんよ。それに、そこでそうしていたなら、冷えてもっと体力を失ってしまいかねません。
もしよろしければ、肩をお貸しします。
[彼女の顔色を見ながら、そう言って手を差し出した]
ああ、私はオトフリート・フェヒナーです、マクレガーさん。
しがない薄給公務員ですから、怪しいものではないのですよ。
[返る声に、は、と内心で少しだけ驚いた
貧困地域にあった養護施設で育った上、
商売をしていた地域も"良い"とは謂えず
"ご機嫌よう"などという挨拶を初めてきいたからだ]
…ご機嫌、よう
[小さく返し、
茨を見上げる姿を二つの蒼が追う。]
……寝ても、覚めないのね
起きたら、ひょっとして
健康になった私が居るんじゃないかって、
少しだけ、思っちゃった
[くす、と笑う声は何処か自嘲気味に]
/*
いや、怪しいよ。
ここの誰より怪しいよ。
と、自分で突っ込む。
ギュンターには流石に負けるけれど。
そして、いまだにライヒアルトとエーリッヒとダーヴィッドを混同しそうになる。ドイツ名難しいよドイツ名。
[差し出される手に淡い笑みを]
そう、ね
其の通り、……ね
[彼の謂うとおりだと、心底思う
余程、現状にショックを受けていたのだと、
今更、再認識する
差し出された手に、手を重ねる]
怪しいものじゃない、だなんて
……可笑しい。
[くすり笑いながらゆっくり立ち上がる]
…そう。
[感謝は視線でのみ伝えて、青年から視線を外す。
向けられた視線の先、人の話し声が聞こえたかもしれない。]
[長い眠りの淵で見た幸せな夢の続きを自分は求めたかったのだろうかと自らに問うが、冷えた心は何も返してくれなかった。]
[この城に訪れた時の記憶は徐々に蘇ってきてはいたけれど、その当時の様子と今では異なる建物だと錯覚してもおかしくはないと感じだ。]
…これは、…荊。
嫌。嫌よ。
指が動かなくなってしまう。
[死を恐れるのは当然のこと。けれどそれは恐ろしすぎて言葉にできず、もう一つの恐怖を口にする]
他にも、生きている人が。
[交わされる問答に顔を上げた。
見下ろしている男性を見つめ返すような形になった]
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