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―Kirschbaumー
[昨日遅刻した代わりに早めに店に入った...の目に飛び込んできたのは、マスターと歓談する『彼女』
一瞬固まりかけるも...はそっと二人から離れた位置の棚に飾られたグラスを磨き始める]
[出会ってから何年もかけで出来上がった、暗黙のうちの『彼』と『彼女』のルール]
[ずり落ちかけた千花を片手で支え、何かのケース片手に出て行く青年を見送る。
イレーネの会釈には微笑んで、もう片方の手を振って挨拶した]
そう、なにかあるんだ。少し心配。
大丈夫だよね?
[ハーヴに尋ね返せばベアトリーチェの身動く気配。
千花の方がお寝坊さん]
おはようかな? こんにちはかな?
でもきっと、こんばんはだね。
[耳に届く夜想曲に、ようやく青年を思い出したか目を細めた]
[アマンダは入ってきた気配に気付いて、少し渋い顔。
けれど、美しい夜想曲と静かに離れた様子に文句は言わない]
「…クク」
…私の指は食べちゃダメ、千花。
[おいしそうな寝言と、寝ぼけて噛まれた指に溜息]
[しばし音色に目を細めてから、一階に降りて、店内の人々に軽く挨拶。
給仕の少年に、]
本日のオススメ、ダブルで。
[と、さらりと注文してカウンターへ。]
[ハーヴェイはやはり曖昧に答えを返したでしょうか。]
うん、こんばんわ。
夜の匂がするよ。夜の音が聞えるよ。
[ベアトリーチェはにこおと寝ぼけ半分に微笑いました。
お日さまは沈んだというのに、窓の外に見える光はあたたかさを感じさせます。音いろに合わせてぱたりぱたり足を揺らして、ゆらりゆらりと頭を揺らします。小さなくちびるからもメロディが零れてゆくのでした。]
[それほど長くない夜想曲はやがて終符を迎え静かに音が止み、そして桜の輝きは静かに、波が引くようにおさまる]
[弓を降ろし、ぽんぽん、と桜の幹を撫でる。
ふと視線のようなものを感じた気がして辺りを見回せば踊り場にある男の姿に気がついて軽い会釈]
[しばらくそうして居ましたが、音がやむのと同時にとんっと椅子からおり、銀の髪の女のひとをじいっと見ます。]
アマンダの、お友達?
[ようやく目覚めて、千花は文字通りアマンダの頭から飛び上がる]
「アンッ! アンアンアン」
はいはい、落ち着いて。大丈夫だから。
[千花はカウンターを所狭しと駆け回る。
ベアトリーチェのまん前を通り過ぎ、頬を尻尾が掠める。
ユリアンの傍にまで行って急ブレーキで棚を登り、イレーネの席まで飛んでった]
あーあ、食べられちゃうよ?
[きっと声は届かない]
[...は、不意に低い位置からはなし掛けられて驚いた。
首を向けると、爺が「神童じゃ」と言っていた、ベアトリーチェ嬢がいるのが見てとれた。]
…こんばんわ。
陶芸家は…お得意様。
大事な、ひと。
[...は無表情のままに少女に答える。
本人は、愛想良く笑っているつもりがあるなど周りからは全くわからない。]
[と、突然千花がものすごい勢いで机に乗ってきた。]
……イキが、いい。
[...は、持っているフォークを千花に伸ばした。]
[相方の名に反応し、アマンダはダーヴィッドに頷く]
そう、千花(ミルフィオリ)。千の花。
いい名でしょう? ダーウ。
[よく目立つ赤毛に笑いながら、勝手にそう呼ぶ。
きっとハーヴから逸話と名前を聞いたのだろう。
千花といえば、ベアトリーチェの問いに少し冷静になったのか、イレーネとベアを見比べている]
[そこへ伸びてくる銀の光。その先には何もない。つまり]
「ジ〜〜〜コッ、ジ〜コ!」
こらこらこら、本当に食べられたら困る。
ゴメンね、イレーネ。千花、寝ぼけてるんだよ。
[本気で威嚇する千花を急いで摘み上げ、イレーネに謝った]
[流れる夜想曲に合わせて無意識のうちにグラスを磨く手がリズムに合わせて動く]
[彼が一番上の棚にあるグラス――成長期が終わっていない彼が背伸びしてもぎりぎり触れない位置、に手を伸ばしたその瞬間]
[地震もないのにグラスが、
彼が取ろうとしていたそのグラスだけが、
がたりと揺れて棚から転げ落ちた。
まるで何か人為的な力によって押されたかのように。]
[スローモーションのようにゆっくりと落ちるグラスは、
ユリアンの伸ばした手の中に、予めそうプログラムされていたかのように綺麗に収まる]
マスター、この棚やっぱり傾いてない?
僕が物を取ろうとするとみんな落ちてくるよ。
えっ…?勿論、全部僕が受け止めてるから、
下に落として割ったものはないけど。
[「俊敏だから」と自慢する...にハーヴェイは微笑む。
すべてを知っている何もかも超越した笑みを]
[笑っているつもりなのをわかっているのかは定かでありませんが、対するベアトリーチェはいつものとおりに笑顔です。]
陶芸家ではないよ、アマンダだよ。
ベアトリーチェはベアトリーチェ=ブルーメンガルデンだよ。
それから、千花は食べ物ではないよ。
[お腹が空いているのかなと首をかたむけました。]
[アマンダがイレーネに謝ってるのに対し千花は不満そうに大暴れ]
「ジッ!」
[――していたのが急に大人しくなった。
ダーヴィッド健啖家振りを見れば、その言葉が冗談に聞こえなかったようだ。
冗談じゃないかもしれないが]
…あっ、ごめん。ダーヴィットさんの注文だね。
今日の『ダーヴィットさんへの』お勧めは
「ハンバーグと鳥の唐揚げセット大盛り」だよ。
[いつもより素っ気無い注文取りはダーヴィットが話しかけている相手のせいであろう。...は自覚していないけど]
【中】
きっとこいつは疾風の力の制御ができなくなって最後暴走するんだろうなーと思う。とりあえず、無自覚の精霊の力行使をみんな(特にアマンダ)の前でやってみた。
[千花に逃げられ、フォークをクルリと手の中で回して再びベアトリーチェのほうを向いた。
その顔はやはり無表情だが]
アマンダ。
ベアトリーチェ=ブルーメンガルデン。
…私は、イレーネ。
あぁ、んじゃそれで。
…んー、シーザーサラダも付けてな。
[忙しいんだろうな、とこっちもさらりと端的に。
カウンターの中で忙しく働く、店主と給仕を見ながら、水を一口。]
[千花が爪を立ててダーヴィッドに怯えているのにも構わない]
そう、イレーネは仕事仲間。
お友達でも正解。私はイレーネが好きだから。
[店内を不意に廻る疾風の力。アマンダの眉が不快気に歪められる。
ユリアンがそうやって無意識に使う力が、アマンダを急に驚かせるから、馴染めないままなんて彼は知らないだろう。]
[...はアマンダの方に向かい、少し会釈して]
…謝る必要は、無い。
ただの、冗談…
[彼女なりのジョークだったらしい。
お勧めディナーがまだ出てこず、お腹がくーっとなった。]
【中】
実はこいつの初恋相手はハーヴェイの奥さん・月闇王カミーラという設定を表に出してみたい!
…でもなー、カミーラの中の人は我が心の共有者なんだよなー(だから何?
[風の力が働いたのを、ベアトリーチェは知りません。ただ、凄いなと思うばかりです。]
イレーネ、よろしく。
[名前を聞いて、それからアマンダの口から友達の言葉が出て、ベアトリーチェはますますうれしそうになりました。]
お仕事は、ぜんたいどんな仕事なんだろう。
[ダーヴィッドに振り向いて、少しぎこちなく笑顔で首を振る]
正解だけど間違い。
千花は私の相方。とても大切な存在(もの)。
[それだけ言って、注文を取りに来たユリアンから目を逸らす。
きっとアマンダの好きじゃない相手が誰かは、誰の目にも明らか]
「チッ」
[千花は名を褒められて、少しダーヴィッドを見直したらしい。
アマンダの影から出ようとはしないが、首だけ出して円らな目で見ていた]
[こっちを見るベアトリーチェの視線に気がつき]
どうした?ベアトリーチェ?お腹すいたのか?
うーんと、イレーネさんも空いているみたいだな。
ほら、本当の今日のお勧めは「ハンバーグステーキ・キノコソース ポテトグラタン添え」だ。
鉄板熱いから気をつけて食べろよ。
[彼はベアトリーチェとイレーヌの前に熱々のハンバーグを置く。ついでのように無言でアマンダの前にも]
【中】
天魔か村人をやりたい。
うっかり村側役職についたら、飼い猫の元帥は実はシルフなんだ設定で切り抜ける。
狼引いたら泣けるなあ。人気役職だから心配ないと思うけど。
[アマンダはイレーネが冗談と言うのにあわせ、千花の背を撫でる]
ほら、冗談だって。
今までだって、食べられてないよ?
[食べられてたら、大問題。
けれど、彼女のお腹の音に、全ての説得は無に帰る]
「アンアンアンアン」
わかったわかった!
一度帰るよ、また後で。
ベアは私の仕事は知ってるから、イレーネに聞いて。
[ベアトリーチェとイレーネに、連ねた玉を掲げる。
カウンターに御代を置けば、フードバトル中のダーヴィッドと空腹のイレーネに怯える千花を頭に乗せて、*工房まで一時避難*]
ううん。
[ユリアンの問い掛けに首を左右に振りながらも、眼はしっかりと出来たてのハンバーグに注がれてしまうのですけれども。]
どうして、仲がよくないのだろうと思ったんだ。
―Kirshburm2F・一番奥の部屋―
綺麗な音楽だったな。
星空みたいな素敵な音色。
[寝台の上で聞き惚れていた少女はそう言って伸びをした]
ここの空気ってとても気持ちがいいのよね。
影輝の精霊界にいる時みたいに身体が楽。
[街中の喧騒は楽しいけれど疲れるものでもあり。
ついつい寝過ごしてしまったらしい]
……下に行ったらまたあれを食べられるかな?
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