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[不意のざわめきは童を眠りの淵から呼び起こすか]
……舞弥……にいさま……?
[それでも、紅緋は露草色を追いかけて。
起きてもしばし、夢幻の狭間を彷徨いて。
やがて、遠くから響く鈴の音に、ゆる、とまばたき。
紅緋はようやく、現を映すか]
[音をたてた草花に、失敗を悟る]
[目を向けた先]
[小さな獣の傍で眠っていた小兄が]
[その名を呼ぶ]
[どこか、それはかなしくて]
[りぃん]
[鈴に、はっとして]
[どうしようかと、迷う間は]
[現に戻った小兄にとって、短かろうか、長かろうか。]
[響く鈴の音、それにゆる、と首を傾げつ]
……ねいろ?
[どこか、慌てたようにも見えるその姿に。
不思議そに、不思議そに、その名を呼ぶ。
その傍らで、小さき獣も首を傾げ]
[りぃん、りぃん]
[逃がさぬようにか鳴った鈴は]
[最後のひとつで音をとめ]
ふうれんにいさま
お眠り、邪魔してしもうた?
……ごめんなさいじゃぁ
[謝って]
[身を翻そうか]
[濡れた着物のその下の]
[あかい痕もみえたやもしれず]
[泣き出しそうな顔も見えたやもしれず]
[ふらりふらりと館の中を、何かを探しでもするように廻り廻って、やがて夕餉の匂いに惹かれるように、座敷へと廻り戻る]
おや、今日は、坊達はまだのようだねえ。
[すとんと腰を降ろすと、心得たとばかりに運ばれる酒と杯]
[鞠を抱えつ立ち上がり、紅緋をひとつ、まばたかせ]
ねいろ、どこ行くの?
濡れているなら、館に戻って、温かくしないといけないよ?
[風邪をひいてしまうから、と。
呼びかける、紅緋はあかの痕に気づくやいなや]
[自ら注いだ酒杯を嘗めながら、座敷の内に視線を巡らせ]
今日は、皆様、外へお出かけになったようで。
何ぞ、面白きものがありましたかい?
はい、左様にて。
[襖の奥の薄暗闇の中にて、ひそひそと。
真白き装束の麗人と藍墨茶の着物の女。]
以前に仰っていた通り、
今宵お下がりになると。
[何れも人の形を成せども人成らず、
あまきつねとも異形とも云ひしもの。]
次なる仲間の選別、
確かに任されませう。
[柔らかき声らは鈴の音に隠されて、
人の耳には届かぬ秘密の話を交えるよ。]
……大丈夫じゃけ。
大丈夫じゃ。
ふうえんにいさまも、風邪ひいてしまうよ
[一度、立ち止まって]
おら、は、いちゃならんのじゃ……
いっしょじゃなくのうてしまうもの
[雅詠に声をかけられると、いいえ、と目を細める]
ちょいと、屋敷の探索をしておりましてね。
いや、先夜の麗人の寝姿でも覗き見出来ないかと。
[悪戯めいて、くすくすと笑う]
[そろそろと幾分冷えた風が頬を撫ぜるのに気がついて浅い眠りから目を覚ます。
やっぱり髪はぼさっとしていたから、まるで野良猫のようにも見えた。
ぐずぐずになってしまった衣だけ適当に直せばぼさぼさの髪は揺れ動くに任せて笑いさざめく童子に導かれふらりふらりと座敷へと]
風漣は、大丈夫だよ。
[ぬれてないもの、と笑うも。
つがれた言葉に、紅緋はゆる、とまばたいて]
どうして?
[問いはごく、自然に投げられるか]
[妖女さま、妖女さま。
御子らが、御子らが、森へ向かうたよ。
もう夕餉だと云うに、腹を空かしてしまうかも。
話を終えたところに遣って来る童子らは、
きゃらきゃら笑ひつつ左様な事を噂して。]
おやまあ、それは困りもの。
なれば様子を見に往こうかな。
[そうかへりごとすれば紅露は変わらず笑みを湛へ、
あの子らが気になるかとおたずねになる。]
神巫さまの鈴の音に応えた子らですから。
はてさてそれ以外になにがありましょう。
[眼を細む月白の神巫は何を思ふかわからじ。
藍墨茶の女はではと言の葉残して闇に消ゆ。]
寝姿、ねぇ―
[朝餉の時に見た記憶がないと思えばそのような事を―]
―で?上手くいったのか?
[問う声色にいささか呆れが混じるのはむべなるかな]
濡れとらんでも、外で寝てしもうたら
[しかし問いに]
[口唇をつぐんで]
……おらがおると。
ちがうの、かくしごと、みてしまうんじゃ。
こわいこわい、かくしごとも、みてまうんじゃよ……
かくれておれば、なんもこわないし
おらだけが、べつで良いんじゃも……
見なければ、良いんじゃも……
〔小さくはあれども緑の深き森、
歩む女の片手に提げるは包み一つ。
鳥のさへずり、獣のなきごえ、虫の音に、
混ざり聞こへて来しは童二人の話す声。
さくさくりと土を踏みて歩みゆき、
其方へ細めし紫黒の眼差し投げようか。〕
[笛吹き終えれば、頬火照り。
気取られぬよに、逃げ失せて。
水車のその陰で、流れに浸して涼をとる。]
[ぐるりぐるりと重たげに、水の車は回りゆく。
琥珀の瞳はぼんやりと、それを見やりて何想う。]
残念ながら、気配も見えず。
やはり天狗の麗人は、雲の上ででもお休みでしょうかねえ。
[肩をすくめて、雅詠に応え、やってきた揺藍に、視線を向ける]
おや、ゆらの…お疲れ気味で?
[乱れ髪に目を止めて、首を傾げる]
万一紅露様の身に何かあったら―
[僅かに瞳が色を変じた事に気付く者はおらぬでも―微かに風が強さを増した事に外に居る者は気付くだろうか]
風漣は、外で寝るの、平気だよ?
[その言葉は、どこか軽口めいて]
かくしごと……。
[しかし、続きし言葉に。
紅緋はきょとり、とまばたいて]
みたくないものがみえるから、やなの?
風漣は、平気だよ?
[首を傾げつ。
何事もないかのように、そう、返し]
…おはよ…。
[はふ、と小さくあくびをかみ殺して烏と雅詠のちょうど中間ぐらい、三角になる位置にすとんと腰を下ろす。
もうひとつ欠伸をして]
…疲れてなどおらんよ。ただの寝疲れだ。
[まだ頭が眠っているのか、少し霞がかっている気もする蜜色を細い指先でこし、と擦る]
―そうか、残念だったな。
[笑みを浮かべつつ軽く返すと改めて先程の問いに答える]
いいや、特に何も。―強いて言えばここが閉ざされてる事を己の身で体験したくらいか。
平気だよ。
舞弥のにいさまと、ずうっと月を見ていたこともあるもの。
[くすくすと、楽しげに笑いつ]
うん。
だって、それだけなのだろ?
[至極、何でもない事のように]
そうですかい。しかし、なにやら怠そうだ。
疲れに良く効く散薬もありますから、良ければ差し上げますよ
[眠そうな揺藍の様子に笑みを深め、ゆるりと酒杯を空けてから、雅詠の言葉に、ほう、と目を見開く]
ここを出ようと、試してみたので?
〔ざざ、ざああああ――
微かに風が強さを増して森のざわめけば、
深紫が揺揺と靡きて藍墨茶が飄飄と翻る。
ゆうるり眼差しは一時他へと向けども、
ゆうらりまたも童らへと戻して歩を進む。〕
おつきさま。
[ぱちくりと目を閉じて開いて]
……それ、だけ。
…………こわかよ。
ひみつ、全部、ないんじゃ。
おら、こわくて。
こわくて……
[見てしまったものを思い出して]
[そのせいで体が、勝手におびえて]
[ふるふる、両手で体を抱いて]
[ぼうとした琥珀に光が戻りしは、遠く泣き声聞いた時。
首傾げやり目を細め、童が泣くを見やろうか。]
[されど声なく手も差し伸べず、陰に見守るそれだけで。
やがて泣き止み立ち去れば、小さく吐息が零れ落つ。]
やれ、誰そ言うてもわからぬよ。
…我とて未だ試みずにはおれぬのじゃ。
[冷えすぎ痺れる足引き上げて、館へ取って返りゆく。]
[雅詠にちらりと視線を向けて、挨拶に応じ]
…いや、薬などもったいないよ。
……どうせなら、百薬の長の相伴に預かりたい。
[すん、と小さく鼻を鳴らしたのはおそらく酒香に気づいたからで。
童子がよこした白磁の杯を手にしながら]
そう、お月様。
[こくり、頷いて。
音彩の言葉に、やや、首を傾げるか]
みたもの、がこわい?
みえたこと、がこわい?
みたじぶん、がこわい?
[不思議そうに問い。
横合いから投げられた声に、紅緋をそちらに向ける]
あやめのねえさま。
風漣は、散歩をしていたら、ねむってしまったの。
[屈託なく、言い。
内緒の話か、との言葉にはゆる、と首を傾げ]
そんなことは、ないよ?
ぜんぶ、じゃぁよ。
[少し俯いて]
[小兄の言葉にうなずいて]
みたものは、こわいものじゃ
こわなければ、ゆめはゆめじゃ
こわければ、ゆめがうつつじゃ
じゃけ、おらは……おらは、
[こわいんじゃと、小さく呟いて]
みんないっしょが良いんに、
おらは、おらは。こわいって思うんじゃ……
誰を見てしまうんかも、わからんのじゃぁ……
―一度で諦めたがな。
川を越えようとしてみたが―確かに向こうに跳んだのに下りたのは元の場所だ。おそらく全部が全部そうだろうよ。
[軽く肩を竦めてみせるか]
はは、成る程、百薬の長に勝る薬は有りもせず。
これは、しがなき薬売り、いよいよ用無しですかねえ。
[揺藍の言葉に笑いながら、もいちど酒杯を空けようか]
内緒ではないか、
なれば好かったけれども。
盗み聞きをしてしまっては宜しくないからね。
この森は穏やかなところではあるけれど、
冷えて体調を崩してしまってはいけないよ。
[それだけ言の葉紡げば音彩の声に口を噤もうか]
そして、雅詠の旦那でも、結局外へは出られなかったと?
それは不思議。まったく不思議ですねえ。
[不思議、不思議と繰り返すのは、他に含みのある様でもあり]
[夕餉の気配に顔出すも、漂う酒精にやや眉寄せて。
ちょうど揺藍と対角の、菱の形に座すだろか。]
さて、お早いの。
我も…夕餉をいただこうか。
[相伴、と口にしかけて言い直す。
既に心得たか、童子は清き水のみ運び来る。]
そのようなことはないよ。
酒は薬でもあり毒でもある。
やはり薬に勝る薬などないと我は思う。
[烏の注いでくれた酒を、唇を湿らすよにちみちみと飲みながら雅詠の話を聞いているだろうか]
…川を越えるつもりが同じ地とは…まぁ。
この場所が真実でなければ冗談にしか聞こえぬものよの。
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