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[孤独]
[その言葉に唇を引き締めた]
ええ。
「それなりに」期待しているわ?
[瞳に宿るは冷たい金]
[向けていた気配を静かに離して]
[気配を断った]
//中の人発言//
ええ。
占襲撃、今はまずいです。
襲撃されてもおかしくないように、相互占いするように持ち掛けてみて、成功したら問題ないんですけど。
ということで、やっぱりエリカ襲撃になっちゃうかな。
確かに、ディーノが占った人に、シャロンも占う可能性は高いかも。
という予定で進めておきましょうか。うん。
―宿屋2階・朝―
[目を開ける]
[いつもと違う部屋]
そういえばそうだった。
…店に戻らなくちゃ。
[溜息をつき]
[階下に降りて]
[外に出た]
[分けて、の言葉にうん、と頷いてポーチを開く]
この前、作ってもらったばっかりだから、たくさんあるし。
[言いつつ、取り出した数個の飴玉を差し出して]
……あ。
そういえば、ボク、お湯を使わせてもらいに下りてきたような。
[それからふと、下りてきた目的を思い出す。
突然の目眩に忘れていたが、じとり、とした感触は未だ、残っていた]
ありがと。
今度何かお礼するね。
[受け取った飴を上着のポケットに入れて]
そうだったんだ?
もう目眩は治まった?
[こうやって話していたのだから治まってはいるのだろうが、念のため確認は入れて]
―雑貨屋・昼―
[いつもより元気の無い様子に]
[何度か声を掛けられた]
うん、まあ。
見ちゃったからね。
[溜息をついて]
[随分と減ってきた湿布を手渡す]
本当、こんな時に限ってね。
悪いことは重なるのかな。
ごめん、縁起でもなかった。
早く落ち着くといいね。
[元気を出せという鉱夫に]
[笑って頷いた]
[その頃。
2階で顎を前足に乗せながら、考え込むパトラッシュが居た。]
仇、な……。
[悲壮な顔をして、その言葉を口にしたディーノを思い出す。
自身が喰われる心配の薄いパトラッシュとしては、人狼が誰かなんて関係なく。
ただ、誰が敵で、誰が味方か。
それが全て。
だから、もし万が一ディーノが人狼であったとして。
その場合でも、きっと変わらずディーノの傍に居たに違いない。
ディーノは自分を助けてくれた。
あいつは味方だ。力になってやりたい。
――今、そのディーノは人狼を憎み、仇を討ちたいと。
当然、その手伝いをしてやりたかった。しかし。]
俺は……人狼に対しちゃ、無力、なんだよなあ……。
[はふう、と息をつく。
蘇るのは実験体として生きていた日々。
『彼女』はなんとか、パトラッシュが人狼殲滅の役に立つと証明しようとしたが。
幾ら薬を加えようと、施術しようと、結果は出なかった。
パトラッシュは喋る犬以上の存在にはなれなかった。
人狼対策の一環として、生み出されたのにも関わらず。
だからパトラッシュの生みの親の、『彼女』は。
『魔女』は………。]
[数日前の光景が脳内で再生されかけて、頭を激しく振った。
感傷に浸っている場合ではない。]
出来ることをしろ。
[己に言い聞かせる。]
やれることを。全力で、やるしかねぇんだ。
[勢いをつけて立ち上がり。
じっとしていても仕方ないとばかりに部屋を飛び出ていく。]
期待してるねっ。
[お礼、と言う言葉に、にこ、と笑って]
うん、目眩は平気。
落ち着いたら、気持ち悪くなって来たし、行ってくるね!
[問いかけにはこう答え、黒猫を下に下ろす]
リエータはここにいて、ね?
……あ、覗いちゃダメだからねっ!
[大丈夫だと思うけど、と呟きつつ、ゆっくりと立ち上がり、ぱたぱたと浴室の方へと]
うん、行ってらっしゃい。
[微笑んで立ち上がるエリカを見上げて。覗いちゃダメとは自分に向けられた言葉だろうか? そう少し考えてからクスリと笑う]
そんなことはしないよ。
リエータ、一緒に待ってようね。
[置いていかれた黒猫に声をかける。黒猫は、にぃ、と返事をするように鳴いた]
[階下に降りれば、そこにはディーノとリエータ。
ちょうどどこかへ行く様子のエリカ。
エリカの後姿を見送りながら、2人(?)に尻尾を振って挨拶する。]
[大人しいリエータの喉を撫でてやっているとパトラッシュが降りてきたのが見えて]
あ、パトラッシュ。
今日はずっと上に居たの?
お腹空いてる?
[夜になり]
[最後の数人を纏めて見送った]
[湿布の箱は数枚を残すばかりで]
あーあ、これだよ。
今夜のうちに準備しないとダメだな。
エリカちゃんに頼みにいかないと。
[包帯を新しく取り出して]
[まだ開けていない布の箱を手に]
[宿へと向かう]
[問いかけるディーノに、「ああ」の「あ」まで口に出しかけて。
いやいやマスターが聞いてるかもわからんと口を閉じた。
ただ、わんっ、と大きく吼えて肯定し、次の「お腹空いてる?」の質問には喜んで――]
[ぴたりと動きを止めた。]
[どこからか、僅かに。昨日と同じ、匂いが。]
[緊張を体中に漲らせて、部屋を見渡す。]
[言葉が出かけたことに少し身を硬くするも、どうやら押し込めたようで小さく安堵。次の返事を待っているところでパトラッシュの動きが止まり]
…どうしたの?
パトラッシュ?
[部屋を見回すパトラッシュを不思議そうに見つめる]
[クローディアの部屋に、何分、何時間いたのかはよく分からない。
ただ気づけば、窓には夜の帳がすでに落ちていて、部屋の中は真っ暗だった。
唇を少しだけ上げて、シャロンは扉を開けて、ゆったりとした足取りで降りてきた]
マスター。
何か軽い食事をいただけるかしら?
[シャロンの言葉に、マスターは恐る恐る振り返ったが、なんら変わることの無いその姿に安堵した]
うふふ。
やぁね。幽霊でも見るような目つきで見ないでよ。
[最初は昨日のクローディアの血の匂いが残っているのかと思ったが。違う。これはあの匂いではない。もっと微かで、とろりと濃くて、そして獣のような――
その匂いは同じ階の。――奥の客室から?]
[ディーノの話しかける声に構わず、ぱっと弾かれたように1階客室、ノブの部屋へ走る。]
[軋む階段の音に視線を向ければ、シャロンが2階から降りてくるのが見えて]
こんばんはシャロン。
…大丈夫?
[彼女はクローディアと懇意にしていたはずだ。昨日、あんなことが起こって気落ちしているのではないか。そんな考えが浮かんで、遠慮がちに訊ねてみた]
[匂いは微弱。きっといつもならパトラッシュだって嗅ぎ逃してしまうような、嗅いだとしても気にもとめないぐらいの。
けれど今は昨日と同じ感覚が。突き刺さる。厭な予感。
ノブの部屋、閉ざされた扉の前に立つと、勢い良く吠え立てた。ドアノブを前足で回そうと立ち上がる。]
[食堂には、他にも何人かチラホラいて、その中の一人、ディーノに声をかけられ、シャロンはゆっくりと微笑んだ]
こんばんわ、ディーノ。
ええ。
もう大丈夫よ。
クローディアから、形見の品も受け継ぎましたからね。
うふふ。
[そう言えば。とシャロンが気づいた。
最初見たときは男性にしか思えなかったけど、改めてこう面と向かい合ってみると、女性にも見えた。
格好、喋り方、態度。それらは男性で。
声、顔、体つき。それらは女性]
(まあ、どうでもいいわ)
[と、シャロンは思考を締めくくった]
[ディーノとの話が終わるか、終わらないかというときに、ディーノは立ち上がり、どこかに駆け出していった。
何事かと、視線を向けてみると、その終着場所は一つの部屋で。
その前で、しきりにパトラッシュが吼えていた]
・・・?
[シャロンは、訳も分からずその光景を眺めた]
[追いかけて辿り着いたのは1階にある客室。誰か使ってたっけ?などと考えるも、今気になるのはパトラッシュの異変]
ここに、何かあるの?
[扉を開けようとしているパトラッシュを見て、代わりにドアノブに手をかける。
がちゃ。
恐る恐る、その扉を開けて行き]
(そう)
[今さっきの瞬間で、エリスが誰かを殺したとも思えない。
そして、今までに、誰かが殺されたのか、という話は一つしか聞いていない。
すなわち。
―――もう一人の人狼が、あそこで死んでいるのだということだろう。
それに気づいたシャロンが、誰にも気づかれないように、小さく冷笑した]
(使えない・・・駒だったわね)
やぁ、いらっしゃい♪
ただ、次からは、もうちょっと優しいノックをしてくれると嬉しいかもだよー?
にゃははははは。
[唇に乾いた血の跡、腕の中にはぐったりとしたリディア]
…誤解しないでね?
まったくね。
賢しいほどに。
…人間みたい、か。
実はそうなのかもしれないわね。
[思い出す]
[喋っているように見えたあの時]
[扉が開くか開かないかのうちに中に滑り込む。
外から判っていた気配は2つ。
ノブと、そして何故かリディア。
車輪のついた奇妙な椅子に座るノブ。
抱きかかえられるようにして、彼の膝の上で目を閉じるリディア。
暢気に喋るノブに向けて、グルル、と警戒の唸り声を発した。]
ノブに…リディア?
これ…どういう…。
[目の前に広がる光景に目を丸くし。しばしの逡巡の後に部屋の中へと足を踏み入れる。2人に近付き、ノブの腕の中でぐったりしているリディアに声をかける]
…リディア?
ねぇ、リディア大丈夫?
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