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[突然の笑みに、団員が浮かべるのは困惑。
その肩を、ぽん、と軽く叩いて]
もう少し、隠し事の仕方は身につけた方がいいぜー?
ま、大方じいさまの方になんか考えがあるからなんだろーけど……。
[ここまでは軽い調子で言って、それから。
再度、声を潜め]
で、真面目な話。
……何があったわけ?
[短く問いを投げかける。
しばしの間を置いて、返されたのは、死者が見つかった、という話]
はい? それって、昨夜の嵐で……か?
[再度の問いに答えはなく。返されたのは、詳しい話は後から聞けるから、宿に戻れ、という言葉]
は? いやそれって、なんか繋がらないんだけど。
―宿屋食堂―
うん。我侭言って悪かった。
何か言うような奴がいたら俺も言い聞かせとくから。
[話だけで済むかどうかは相手次第]
そっか、親父さん出かけたんだったね。
アーベル、やっぱいい時に戻ってきたな。
存分にこきつかってやればいい。
[くっくと笑いながら言う]
昨日は暗くてちゃんと見えなかったんだよね。
近づかせてもらえなかったし。
ただかなり崩れてたみたいだったから、土砂どけて麓と連絡とって橋渡せるまでは……数日じゃ済まないかも。
[ベッティの視線を追いかけて窓の外を見た]
[困惑した問いに答えはなく。
結局、他の村人たちと共に、その場からは追い払われる形となった]
……わっけわっかんねぇな、ほんと……。
って、あ。
キーファーのこと、聞きそびれた。
[もう一つの目的だった、蒼鷹の消息を問う事は今更できそうになく。
やれやれ、と息を吐いて、宿へと踵を返した]
─雑貨屋─
[ぎ、と木の軋む音を立てながら台車を引いて雑貨屋まで来れば入り口邪魔にならぬところに台車を止めて。
籠の中の蒼鷹に、ちょっと待っててね、と声をかけてから、雑貨屋の中に入った。]
ゲルダ、おばあちゃん、おはよう。
昨夜は大丈夫だった?
[そう声をかけると、ゲルダの祖母からクロエこそ大丈夫だったかと問われ。
心配されればむず痒く、うん、とはにかみ答えたもののふと幼馴染の姿がないことに気付き首をかしげた。]
おばあちゃん、ゲルダは?
え、ゲルダ出かけたの?
…もしかして、昨日のあの音、確かめに行ったのかな…
あ、大丈夫だよおばあちゃん。
ゲルダだって子供じゃないんだもん、危なそうなら戻ってくるよ。
[大きく頑丈な麻袋にはワイン瓶が数本。
他には仕事用の道具と数冊の本等が入っている。
自衛団員の様子から多少は待たされるだろう事が
想像出来たから暇を潰す為のものがいくつか見られる]
――…お待たせしました。
さてと、行きましょうか。
ああ、ちゃんと院長にも言ってきましたよ。
自衛団の方に呼ばれて宿に行ってきます、とね。
[宿までの道など当然知っている。
道案内の為ではなくこの自衛団員は
青年を連れていくのを役目としているのだろう]
出来れば手短にお願いしますよ。
この時期、忙しいのはあなたもご存知でしょう?
[話は宿でと言われ軽く肩を竦めた。
青年は大人しく宿に向かう事にした]
あ、そうそう。おばあちゃん、便箋売ってくれないかな?
枚数は要らないから。
うん、ちょっとお手紙出すんだ。
あ、この後ベッティの所に顔出すからペンはそこで借りるよ。
[祖母の答えを聞いて、ゲルダの行き先を思案し不安げな表情を浮かべてしまい。
ゲルダの祖母からも不安そうな声が聞こえれば慌てて明るく微笑んでみせ、話を変える為にここに来たもう一つの目的を伝える。
ゲルダの祖母は快く便箋をいくつか出してきたので、淡いラベンダー色に染まったそれを選び代金を払った。]
ありがと、おばあちゃん。
本当はもうちょっと話してたいけど待たせてる子もいるし、ベッティのところにも行ってきたいからそろそろ行くね。
うん、またゆっくり話にくるよ。
[ゲルダの祖母はゆったりと微笑んで見送ってくれただろうか。
その笑みを背に受け、店の外に出ると台車の上の籠の中の蒼鷹にお待たせ、と声をかけ。
台車をひこうとしたところで自衛団員から声をかけられた。]
─ →宿屋・食堂─
[崖崩れと、橋が落ちた話は風と共に広がるが如く。
そのためか、落ち着かない空気の漂う通りを戻り、宿の扉を開き]
……お。
よ、おはよーさん。
相方、大丈夫だったかー?
[食堂にユリアンの姿を認めると、最初に向けたのはこんな問いかけだった]
―宿屋―
[青年は宿屋の扉を開け中に入る。
其れを見届けた自衛団員は団長に報告に行ったようだ。
途端、青年の言葉遣いが砕けた]
よぉ、邪魔すんぜ。
[玄関先から通る声を響かせる]
アーベルとユリアンは居るかー?
[遠慮の欠片も無く奥へと進む。
食堂の入り口まで辿りつけば中に目的の人物を見つけた]
― 道すがら ―
はっ… はっ… はぁ…っ
[小走りで嵐の後の道すがらを娘は走る。所々泥濘で脚が取られかかるが、身体能力は悪くなく、転ばずに居られた。矢鱈と自衛団員の姿を見かけ視線を交えるが、何処か娘を見る様子も違うと感じたのか途中で脚を止めた。]
きゃ…っ!
[その拍子に団員と肩をぶつけてしまい、ごめんなさいと娘は謝罪を口にした。先を急ぐからと再び掛けだそうとするが物凄い力でほそい手首を掴まれ、前につんのめる。]
え、あ、何…っ??
[その形相は村人を見る眼差しでは無く、気がついた他の団員数名に取り囲まれ。]
え、と…僕、何かした?
肩をぶつけた事は謝るけど―――…
[団員同士のひそひそ話を耳に、娘は困惑の色を隠せない。
萎縮しながらも何事かと訊ねれば其のまま宿に迎えとの事で。]
―宿屋食堂―
おう、おはよ。
戻ったのが遅かったからご機嫌斜めで、朝まで一緒にいたよ。
でもあの音にも暴れたりしなかったみたい……もしかして様子見てくれてたか?
[スープ片手にアーベルへと手を上げて。
星石よりは湖水に近い瞳をぱちぱちとさせた]
―宿屋食堂―
おや、ライさんもおはよう。
珍しいね、こんな時間に出て来るのは。
[名を呼ばれて入口扉に顔を向ける。
自衛団が呼び集めてるなんて知らなくて、忙しい時期なのにと不思議に思った]
あ、おはようございます。
昨夜はお疲れ様でし…え?なんで家に居なかったって…
昨夜は雨がひどそうだったので洗濯小屋の方に泊まってたんです。
あ、そういえば昨夜すごい音が聞こえたんですけど、どこか崩れでも…え。
あそこが崩れちゃったんですか?
……大変。
小父さん帰ってこれないじゃない、ベッティ大丈夫かな。
[昨夜は自衛団員は皆村の安全の為動いていたろうから挨拶とともに感謝を述べかけたところ、何故家を空けていたのかと問う自衛団員にきょとんとしながらも答えを返した。
村中の自宅の方は留守にしていることの方が多いのだが、それは口には出さず。
そういえば、と昨夜のあの音について聞けば返ってきた答えに幼馴染とその父を心配して思案しかけたが続いた言葉に顔をあげた。]
え?宿屋にですか?
別に、今から行くところだったので構いませんけど。
私だけ、ですか?
はぁ…わかりました。
[他に誰とまではいえないが一人ではないと言う事と、詳しい話は宿についてから、と説明されればよく解らないものの断る理由もないので頷いて。
改めて台車を引くと、自衛団員と共に宿屋へと向かった。]
─ →宿屋─
[普段足を運ばない場所ではあったが、どこに位置しているかくらいは把握していて。
周辺まで来てしまえば建物が見えてくるため、そこまで迷うことは無かった]
───失礼する。
[宿屋の扉を開け、一言。
滅多に見せぬ姿を見て、他の者達はどう思うだろうか]
─宿屋─
言われなくても入ります。
元々用事があるって言ったでしょう?
[自衛団員から入れ、といわれると何でそんなこと言われなきゃいけないんだとばかりに見上げ。
とは言えこんな所で喧嘩をする気もないので、不機嫌になりながら蒼鷹の入った籠を抱え中へと入った。]
ベッティー、ユリアンさんー、おはよー。
昨夜はだいじょぶだったー?
[アーベル達が居ることは知らない為、居るであろう二人の名を呼んで食堂へと。]
―宿屋食堂―
おはようさん。
朝食の時間だったか。
[常なら既に勤めの時間だったから
ユリアン>>164の手元を見てそんな呟き]
よく分からんが自衛団に呼ばれてな。
説明も碌にせず宿に向かえとさ。
アーベルは何か知ってるか?
[宿の身内でもあるアーベル>>166に首を傾げて問う。
食堂の中に入ると麻袋を下ろしてからヒラと手をあげ返した]
えと、僕、団長さん…
ギュンターおじいちゃんに逢わせて欲しいのだけど…
[娘の願いはかなわず、何処か怯えたような眼差しを団員達に向けた。焦れた様子を嫌うのか、強い口調で宿に向かえというのみで。]
昨日…一体何が有ったの?
せめて其れだけでも教えて呉れないかな
[渋々と云った風にの団員らは簡潔に昨夜何が有ったのかを伝えて呉れた。村と外界をつなぐ橋が壊れてしまった事。音の原因は其れだと。]
…それで……宿に如何して行かないといけないのか
其処は教えて呉れないのかな、僕、
おばあちゃん雑貨屋で待ってて呉れてるし…
[直ぐにでも向かって欲しいとの事で、拒む様子ならば逃がさぬという風に団員の意志は強く硬い物であるとようやく娘は理解する。]
―――…解ったよ
―宿屋―
まぁ、客の要望に応えるのもサービスのひとつだしな。
[その話題はそんな言葉で締めくくり、アーベルの話題になれば]
そうだな、ちょうどよかったのか、アーベルにとっちゃ、ろくでもないタイミングだったかもしれないけどな。
無理は、あんまさせたくはないな。
まぁ、せっかくの帰郷でまた嫌な思いして、もうもどんねぇとかなるとな。
[そう苦笑しながら、宿屋に昨晩からたまっていた人たちもそれぞれの家に戻ったので、
自分もスープを食べることにして]
まぁ、後でまた自衛団員達がいろいろ教えてくれるんじゃないか?
さっきの様子だと、またあいつらもここにきそうだしな。
─宿屋・食堂─
[次々と訪れる来訪者に、蒼が僅か細まる]
……いや……まさか、それは。
ないよなー。
[先に、自衛団員から聞いた話を思い返して小さく呟くのと。
大声で名を呼ばれるのはどちらが先だったか]
……ってー、んな大声上げんなよっ!
ったく……お前も変わってねーな、クロエ。
[それからはあ、と息を吐く。
声に反応したのか、籠の中の蒼鷹が一声、鳴いた]
―宿屋―
[そんな話題をしているとアーベルが帰ってきて]
お帰り、アーベル。
[ユリアンと交わす会話に苦笑をこぼしながら]
おおかねぇな、アーベル怒らせたら私も殴られちまうな。
[そういいながら食べ終えた食器を手に調理場へと戻っていった]
あ、ライ兄もおはよう!
[ライヒアルトの姿も見れば、そう挨拶をするもアーベルが居ることへの驚きの方が大きくて。]
ベル兄いつ帰ってきてたの!?
お帰りなさい、ここにいるってことはもうベッティには会ったよね、イレ姉にはもう会った?
みんな心配してたんだよ、あ、そだ小父さんにも会った?
[そんなことを矢継ぎ早に聞けば籠の中の蒼鷹が一声あげただろうか。]
あ、ごめん。うるさかった?
[籠の中の蒼鷹にごめんね、と謝った後アーベルから変わらないと言われれば、えへへ、と笑ってそちらを見て。]
ベル兄も元気そうだね。
ベル兄ならどこでも大丈夫だって思ってたから心配はしてなかったけど、さみしかったよ?
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