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…んー。そりゃー……
[エーリッヒに問われ、しばし考える。
といってもそもそもあったことないのだからある情報から想像するだけだけども、色々集めていて、それを趣味で見せたりとかしている、ぐらいの印象だとかで]
悪い人じゃないけど変わった人なんだろう。多分
[率直に言った]
[老耆の問いに緩く首を傾けると、
耳の上に退けた黒橡が零れて、頬に掛かった]
詳しい事は伺っていないのですが、
食事会までに仕事を済ませてしまいたいとの事で。
エッセイの執筆を依頼されていたのを、お忘れになっていたそうです。
[苦笑を滲ませて、主から言われた通りの事を伝える。
もっとも、真偽の程は不明だが]
―ホール―
[恐らくそこに来るまでに、加えてその部屋の扉を開けるまでにも長い逡巡の時間があったのだろう。]
[薄く開かれた扉の隙間から、銀灰色の髪と蒼の眸が遠慮がちに覗いた。]
こ・・んばん、は・・・?
[小さな声は中で食事する人々には届いたか如何か。]
ほんっとーに何も知らずに来たんだなー…。
それで寄生するつもりだったんだから、ある意味勇者だっつーの。
……って、実行を試みて断念するならともかく。
[無料宿泊地&利便性、とかそんな事を考えてるだなんて思いも寄らない。
飲み下す様子を見詰めつつ、スープの皿を空にして。
続く言葉に思わず脱力。前菜を刺すフォークが、勢いよくざっくりと]
めっずらしーな…いつもなら食事会には顔出すのに。
[オトフリートの言葉に、へぇ…と一つ相槌を打って。
まぁ、仕事ならしゃーねーんだろうけど。とぽつりと呟きつつ]
[食事をしつつ、青年の(ユリアンといっていたか)の言葉を聞きつけ]
まぁ、確かに変わっておるがな。
[と、僅かに笑いを堪えつつ]
あれも自分の知らぬ所でこう言われているとは思うまいて。
[とは小さく呟くのみで]
[扉から覗いているイレーネに気がつくと]
イレーネ様。お食事の準備の方出来ております
どうぞ中にお入りになり、お召し上がりくださいませ
[そう言って、一礼]
こんばんは、フルトフェングラー様。
[耳聡く声を聞きつけ、そちらへと微笑みを向ける]
お食事の準備が出来ております。
どうぞ、中へお入り下さい。
[無理には促さねど、扉の傍に控えて深く頭を下げた]
まあ、それで間違っちゃいないけど、ね。
[ストレートな答えに僅かに苦笑して]
ま……会って話せば、わかる、うん。
面白い人なのは確かだし。
[それから、一転悪戯っぽい表情でこんな事を言う。
その傍らでパンをかしかしと齧っていたカーバンクルがふ、と顔を上げてみゅう、と鳴く]
っと……こんばんは。
[その視線の先に立つイレーネに、片手を上げて軽く、挨拶を]
[執事の回答に、ふむ、と小さく頷き]
あれが仕事を忘れるというのも珍しいが。
余程今回の件に気を取られておったのかね…
[そう考え、執事に礼を言い、ついでに、と]
あまり無理をするな、と伝えておいてくれ。
主役が居なくては始まらぬでな。
[と伝言を頼んで]
うん。知らなかった
[と、アーベルの言葉をあっさり認めながら]
褒めたってなにもやらんぞ
[かなり見当違いなことを言いつつ、扉が開く音を聞き、何気なくそちらへと視線を移すと…これまた見知った顔を目にする。]
珍しいな…俺とは別の意味で。やっほ、イレーネ
[これまた率直にいいつつ。招待客なんだ?というのは聞かない。いい加減慣れたから]
・・っ
[一気に声が掛かるとうろたえたようで、やはり俯きがちになる。既に人が集まっている空間に赴けば、こうなることは幾らか予測できていた筈だろうが。]
あ、ご・・めんなさい・・・
[丁重に迎えてくれる執事とメイドに何故か謝りながら、改めて一礼して中へと入る。]
ふむふむ。
[邸の主は変わった人。という自分の見解について。会ったことあるのであろうザムエルとエーリッヒの返答を聞くに、あながち間違った認識ではないのか。と思いつつ]
ま、父の知り合いみたいだし、滅茶苦茶かもしれないけど悪人じゃないだろとは思っていたからなー。
[何気に父親を曲がった信用を抱いている様子。
でもこれ以上は多分聞いても仕方ないだろうと二人を見つつ思って]
ん。後は会ってから…かな。
[と、エーリッヒの言葉に頷くようにして言った]
褒めてない。
[きっぱりと言い切った。
と、開く扉におや。と目を数度瞬きながら、
入ってきたイレーネに僅かに頭を下げて。
近くの空いている席を見やれば、椅子を引きつつ]
……ここ、来る?空いてるけど。
[ホールに運ばれてきた食事が、並べられてゆく。
老人、ザムエルの言葉を聞いて。]
退屈なんて、ないですよ。
お会いできて光栄です。
一期一会と申しますでしょう?
[それから執事 オトフリートが戻り、感謝の言葉を聴いたなら、彼女の顔に笑みがともる]
気に入っていただけたのなら、良かった。
[昨日見た青年から声が掛かり、ついで白い生き物を見れば幾許かは緊張もほぐれたか。ほんの少し口許を緩める。]
あ、・・あれ。
来てたん、だ?
[見知った職人の息子の姿を見れば瞬く。多分自分とは“別の意味で”珍しいから。]
[謝罪する客人には、いいえと首を振り、老耆へと視線を戻す。
声の届き易いようある程度近寄るも、直立不動の姿勢のままに]
今まで門外不出だった一品を公開するともなれば、
仕方ないのかもしれません。
[彼の伝言を承れば、は、と軽く頭を下げて]
確かに、お伝えしておきます。
仕事で無理をする事よりも、当日にはしゃぎ過ぎてしまわないかと、
今から心配しているのですが。
[付け加えた言葉は、やや冗談めかして。戯笑を浮かべた]
・・・あ、
あり、がとう・・
[椅子を引く青年にはやはり俯いたまま、礼の言葉を述べる。]
[なるべく周囲からの視線を避けるようにしながら、席へと着いた。そんな風だから、職人の青年の他にも知り合いがいるのにはまだ気付いていないかも知れない。]
[アーベルのきっぱりとした物言いに]
なんだってーーー
[と、まるっきし棒読みでいう。全然ショックとかはないらしい。
そしてイレーネを同じく見つつ、声がかかって]
ん。まあなんだ。父の変わりに。
[と、短めの解答。説明するのも飽きたというのもあるが、イレーネならこの説明だけで大丈夫だろうと思ったのもある。そしてやはり社交の場は苦手そうだなと思い]
まあ気楽にだ
[そんな...なりの気遣いだが、仏頂面な上に唐突に単刀直入すぎてなんともかんとも効果が薄そうではある]
[昨日顔を合わせたイレーネと名乗る女性が、戸惑うように姿を見せるのに気付き、軽く会釈をして。
ユリアンと言う青年に頷き]
そうだな、会うのが一番であろうて。
[と、僅か人の悪い笑みで返し。
ナターリエの言葉に其方を見遣って]
そういって貰えるとありがたいですな。
何しろ普段は古い物を相手にしておりますでな、こうやって若い者に囲まれると少々戸惑いますな。
[尤も、そうやって交流を図るのもここの主の目的ではあったのだろうが]
まあ、言葉で説明するより、その方が圧倒的に早いからね。
[ユリアンの言葉に一つ頷く。
実際、その方が早いのは、経験上わかっていた。
その一方、席に着いたイレーネに、カーバンクルがきゅう、と鳴いて尻尾を振る]
……ローゼが、「今日は、元気?」だそうですが。
[イレーネが席に着いたのを見ると、紅茶を淹れ、かちゃりと彼女の席に出す]
どうぞ。ダージリンのファーストフラッシュです
肩を張る食事ではございませんので、どうぞお寛ぎになってお召し上がりくださいね
[そう言ってにっこりと微笑み]
どーぞ。折角の食事が冷める前に。
つっても、俺が言うことじゃないけど?
[相変わらず視線が合わないことに、…何かしたっけな?と
内心考えつつも、へらりと笑みを向けたままイレーネを促して。
ユリアンの言葉に、小さく苦笑する。
別段ショックを与えるつもりでも無かったのだから気にはしないけれども]
良い機会だと思っておけば良いじゃねーか。
周りも言ってるけど、実際に良い人だし。
折角なら、怒られないうちに練習代わりとか。
[何の練習かは知らないが。]
[近付く執事の言葉に耳を傾け]
まぁ、確かにな。
あれを見せるというのでは気合も入るであろうて。
[続く言葉に苦笑を浮かべ]
それはない、と言えんところが何とも言えぬがな。
いざとなればワシが少しばかり抑える事もできようが…
[と言いつつ、それに成功したためしはないのだが]
[変わっているだとか、なんだとか。オトフリートに聞かれたーーー。さすがに使用人には聞かれるのまずいよ。おいっ。とか内心思うには思うのだが、なぜか平然としたもの、別に謝らないでいい。と言いつつ]
だろうなー。じゃないとこんなに人が集まらない
[そんな至極真っ当な意見も持っていたようで、そういいながら、少し今までは違う風な感じがする。オトフリートをぼんやりと眺めた。
最も、何が違うとかは全くわからないけれども]
あ、・・・そっか。
お父さん、か・・
[職人の青年の答え一言だけで何か色々察したようだ。]
う・・うん。気楽に・・・
[続いた言葉には頷いてはいるが、そう言った瞬間に逆に態度がぎこちなさを増したのは多分気のせいじゃない。]
[入ってきた少女の姿は、彼女には見覚えがあった。
小さな瞬き]
あら。
あなたもきていたの?
[それから、ザムエルの言葉は、彼女の興味を引いた。]
古いものですか?
シャイトさんは、骨董商か何かを?
ええ。
キアストライト様の絵は、やはり素晴らしいと。
私も、主の収集する画家の作品を幾つも見ておりますが、
白と黒の世界のみでの表現というのは他に見ないため、
興味深く拝見させて頂いています。
[そう言葉を紡ぐ執事自身、孔雀石の瞳以外、
殆ど白と黒に連なる色で統一されているがために、
何処か近しく思う部分があるのかもしれない]
だなー。ん。やっぱり会ってみるのが一番だな。
[ザムエル、エーリッヒ。二人の同意を得られたからというわけではないが、周りの雰囲気や行いからの想像以上はもうあってみるしかないだろ。と思っていたし]
自分の目で判断するのが一番だ
[これでも職人、細工とかと一緒。直に見て判断と内心思っているままに同意。
何かザムエルの浮かべる人の悪い笑みに悪人とかそういうのではなく、嫌な予感は感じたけど]
[ナターリエの問いに笑って頷き]
あぁ、まだ申しておりませんでしたな。
ワシは骨董やら古美術やらを商っておりましてな。
その関係でここの主とは古くからの付き合いがあるのですよ。
[と簡単な説明を返して。
ユリアンがなにやら決心したようなのを見て]
会えばすぐにわかるであろうよ。
[と頷く。ユリアンがなにやら警戒しているらしい事には気づかないが]
/中/
キアストライト様は色が見えていないのでは、と思います。
尚、キアストライトとは和名は空晶石・十字石、幻の石とも呼ばれるそうで。
茶色の地に、黒い十字が描かれている……と。
なかなかに曰くありげですね。
…ありがとうございます。そういわれるのが一番嬉しいですよ。
[オトフリートの言葉に、彼女は嬉しそうな笑みを見せる。]
そう、ずっと言おうと思っていたのだけれど。
名前、呼びにくいでしょう?
どうぞ、ナターリエと呼んでくださいな。
[はっきりと区別のつく服装の人にそう告げて。]
・・ローゼ?
[振り返ると生き物と視線がかち合った。動物(?)は割と平気ではあるらしい。]
う、うん・・・
[蒼い眸を揺らす様子は本当に元気なのかと突っ込まれそうではあるが、体調は悪くはないから。]
あ、ありがとう・・ございます。
[メイドによって目の前に置かれた紅茶と、告げられた言葉に礼を言う。相変わらず硬さは取れ切れてはいないものの。]
[隣の青年にも勧められれば頷いて、恐る恐るといった感じで食事に手を伸ばす。彼が内心何を思ったかなど恐らく気付いてはいない。]
良い機会……かー。
ま、そういうのができるに越したことはない気もするけど。ん〜
[苦手なんだよなー。と思いつつ]
ま、失礼にならないようにはするよ。最低限ぐらいはどうにかなるだろ。
ってか、練習なー。…ま、気遣ったりしたほうがいいかな。と思う相手にはするよ。
[でも、本当にできるかどうかはともかくとして、なんて内心で思っていたりしたが、それはアーベルには言わなかった。…気づかれていそうな気もするが]
[老耆が苦笑を浮かべるのを認め、今までの事を思い出したか、
くすくすと笑い声を零してしまい、口許に手を遣った]
失礼しました。
はい、その時にはお任せ致します。
私も尽力致しますが、
お付き合いの長いシャイト様の方が宜しいでしょうから。
[成功した試しがないと知りながらも、敢えて言う。
こうした遣り取りも、初めてではないのが主の人柄を表すか]
骨董や古美術…
今度、ぜひ、お伺いしたいです。
[彼女の目は嬉しそうな輝きを。]
ギュンターさんも、お好きですものね。
ああ、本当にお会いできて嬉しいです。
私のことは、どうぞ、ナターリエと。
[ザムエルに、頭を軽く下げる]
[女性の声が聞こえて、僅かに顔を上げた。前髪の隙間から金髪の声の主の姿を見留めた。]
・・・あ、
ナターリエ、さん。お久しぶりです・・
[僅かながら肩の力が抜けたようだった。]
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