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[今度こそは迷わない。
三回も行けば…流石の少女も足取りは軽い]
…それにしても広いよね…
[…あまり屋敷の中を歩き回らないのは、迷ってしまうから…だったのだが。
しかし、この中を歩いていればまた気分も変わったのかな、と思うと少し惜しい]
…折角だから、見て回れば良かったかな…
[お食事会とお披露目が終わると、普通はみんな帰るんだろうな、と、心の中でぼやきつつ、その足は階段を降りきっていた]
いずれ思い出してもあっさりと済ませれる日がくるのかね。
[なんて独り言をもらしつつ、窓を見て、ぎょっとする。暗い。
お披露目というのに行かなければな。と気持ちを切り替えてとりあえず着替える。
服装はやはり同じようなもの。お披露目があるのは覚えているが、着飾るという思考まではもっていなかったようだ]
さーて、オルゴールとやらは、俺にどんなことを抱かせてくれるか
[こめられた想いはどのようなものか。
せめて期待はずれでいないでくれよ。と。挑戦的な笑みを浮かべながら
ホールへと向かった]
─ホール─
[たどり着いたホールには、まだ人はさほど集まってはいなかった]
ちょっと早かった……かな?
ま、遅れるよりはマシか。
[それから、小さくこんな呟きをもらし]
[視線を逸らす仕草に、再びくすくすと微笑むと]
昨日は偶然通りがかりに耳に入りまして
本日の準備がまだ終わっておりませんでしたので、その場は立ち去らせていただいたのですが、そのあとにもう一度通りがかった際にエーリッヒ様とザムエル様が出てこられて、お伺いするとお二人とも違う、と
ああ、アーベル様でしたか
歌……ですか?
……そうですね。歌うのも聞くのも好き、ですね
あまり上手くはないですが
[そう言い、はにかみながら微笑]
─3階・主私室─
[ゆっくりと、読んでいた本を閉じて、机の上に置く。
読んでいたのは、伝承の記された書物。それには、シンプルなデザインの栞が一枚挟まれている]
……ふむ。
そろそろ、時間か。
これ以上、皆を待たせては申し訳ないからの。
[予想以上に手間取ってしまったわ、とぼやくように呟きつつ、主はゆっくりと私室を後にする。
机の上には、二冊の本。
一冊は、先ほどまで読んでいた伝承の書物。
もう一冊は、主の日記。
日記には、オルゴールを偶然手に入れてからの事が記されているが、それを知るのは書いた当人のみ。
……その中には、彼の亡き妻が、一度でいいからオルゴールの音を聴いてみたいと。
そう言って彼を困らせた時の思い出なども記されているだろうか]
[ホールへと向かうために、階段へ向かい、そして降りようとすると。
何かひょこひょこと。ちびっこい…じゃなくてブリジットが階段の降りたところが見える。
それに、まだ大きくなっていないかーと。そんな当たり前のことをぼけーっと思いつつ、向かう場所は同じだろうからいいや。と、特に声もかけずに、移動する]
[…ホールへと向かう少女は、部屋から引きずっていた感覚が気になっていた。
やはり、というよりも、その感覚が強くなっていく気がしてならない]
…あたしの嫌いな野菜とか出るのかしら。
[…ぼそ、と小さく呟く。
どうやら、後ろにいるユリアンには気付いていないようで、んー、と唸ったり、小さく息をついたり…せわしなく見えるかも知れない。
やがて、その手はホールへと続く扉に手をかける]
…こんばんはっ。
遅刻じゃないみたい…ね。
[微笑んで挨拶を行うと、昨晩の食事の時に座っていた席へと]
……そう人に聞かせられるほどの腕前でも無いけどね。
[弾くのは好きだから、と小さく息を吐きながらも笑みを浮べ。
楽譜を元の位置へ一冊ずつ戻しながら、続く言葉に僅か視線を向ける。]
―――へぇ、歌うのも好きなんだ?
[最後の一冊を本棚へ収めれば、そちらへと身体を向ける。
折角なら聞いてみたいけど、とへらり笑みを向けて。]
[会釈するザムエルに、礼を返して]
ああ、どうもこんばんは。
……なんだか、やる事もなくてヒマだったもので。
でもまあ、遅刻して御大に小言言われるよりは、マシですからね。
[くすり、と冗談めかした様子で微笑みながらこう返す。
その間にも、ホールには人が集まってくるだろうか。
華やかな銀と深紅の装いや、それとは対照的な黒のドレスの女性たち。
それ以外の面々も、少しずつ集まってきて]
[何か、唸ったり、小さく息をついたりと、せわしないブリジットの後姿を飽きないなーとぼんやり眺めつつ、...も歩いて。
ブリジットが入った少し後に続いてホールへと入る。]
こーんばーんはっと。
[自室で考えていたことなど露程も感じさせない気楽な声でホールにいる人に挨拶をした]
[聞いてみたい、と思わぬ反撃をうけ狼狽]
え!? い、今ですか?
そんな、わたくしの歌なんて聞かせられるようなものでは……
……はぁ、わかりました。私の得意な曲でよろしければ
[諦めた様子でそう呟き、コホンと軽く咳をすると、静かに歌いだす]
Stille Nacht, heilige Nacht, alles. schlaft, einsam wacht
nur das traute hochheilige Paar, holder Knabe im lockigen Haar,.
Schlaf in himmlischer Ruh, schlaf in himmlischer Ruh.
[オルゴールを収めた部屋の前までたどり着けば、そこで部屋の番をしていた執事がいつもと変わらぬ優雅な礼と挨拶を。
彼にねぎらいの言葉をかけ、厳重にかけた部屋の扉を開ける。
月光の差し込む、小さな部屋。
その中央の台座の上に、それは静かに置かれていた。
外観は、ごくシンプルな銀のオルゴール。
目立つ細工は、蓋にあしらわれた金緑石ぐらいのものだろうか。
しかし、それは言葉で言い表せない……清冽な力のような物をふわり、とまとっており。
それが、ただならぬ雰囲気と魅力とを織り成していた]
……『永遠のオルゴール』……歌姫の魂を宿した、歌わぬオルゴール……か。
[小さく呟くと、深紅の天鵞絨にそれを包んで部屋を出る]
[エーリッヒに言葉に頷き]
遅れるよりは早い方が良かろうな。
ワシも退屈しておったので早めに来ておったが。
[そう話す間にも人はホールへと集まって]
ふむ、そろそろ集まるころですかの。
[そう呟き、新たに現れた者たちにも挨拶を]
[…今さっき少女が入ってきた入り口からユリアンが入ってくると、思わず目を丸くし…]
…
[ユリアンを見つめる。
…まさか、歩きながら色々呟いていた所を…見られた、ワケじゃ、ないよね…?
内心でそう思いつつ、ゆっくりとテーブルの方を向き]
…きょ、今日、だよね…?
どんな、オルゴール…なんだろ…
[…隠すように。話題を逸らすように呟いた]
[そして、いつも座っている席につく。
待つかなーーと思っていながらぼんやりと周りを眺める。何人か既にいるようで。
その中で、明らかに正装だなという。華やかな銀色と深紅の装いをしたヘルガという女性と、黒のドレスを身につけたナターリエや、こざっぱりとはいえ、ここ数日よりも整えられているザムエルの服装などをみて]
場違いかな…
[と、しまったなーと思い小声で呟いた。
とはいっても、正装などないのだけども]
[部屋を出た主は執事を伴い階下へ。
1階に着いた後は、ホールに顔を出す前に、お披露目用にと準備をしておいた小ホールへと向かう。
灯りをやや落とし気味にした部屋の中央には、小さな白のテーブル。
その上に、抱えていた包みをそっと置いて。
その表情には、子供のような笑みが一瞬、宿るだろうか]
さて……では、参るとするか。
[妙に楽しげな口調で呟けば、主は客人たちの待つホールへと向かう。
たどり着いた後は、いつものようににこやかな挨拶をして。
歓談の時をすごした後、悪戯を仕掛ける子供のような表情で、*彼らを小ホールへと誘うのだろう*]
―――…へぇ。
[相手の紡ぐ歌に、声に。僅か目を見開いて。
旋律が終わりを迎えれば、小さく拍手を送る。]
…俺ってばラッキー。良いもの聞いちゃった。
じゅーぶん、良い歌だしね。
[ありがと、と。へらり、と笑みを向けて。
そろそろ行きますか、と笑めば音楽室の扉を開け
どうぞ、とドアを押さえれば、相手を促すように。]
―――その唄。何処で知ったの?
[侍女が通り過ぎる様、青年の声とは違う低い呟きを、投げる。
僅かに細まった瞳は、僅か紅を孕んで。]
[ホールにいる人達に軽く一礼をしていたら、目を丸くしているブリジットのことも当然ながら目に入り、何か動揺している?と思いながらもかけられた言葉に返答する]
ああ、みたいだな。
どんなのかは……俺も知らない
[本当に知らなかったりとか]
でも、他の面々が楽しみにしているみたいだし、面白いんじゃねえの?
[と彼なりの予想をいった]
―→ホール―
[たくさんの人が集まり始めている。
椅子に座った彼女の、服の裾のレェスの下に膝はちょうど見えるほど。
肘より少し長く隠すボレロは、やはり黒。
V字に開いた襟元には、白の真珠と、小さなダイヤ。]
・・・そう、ですか。
[笑いを零す執事に不思議そうな顔を向けながらも、小さく頭を下げてその場を後にした。]
[一度部屋に戻るものの、此処に泊まること自体予定外なことだったから、格好はいつもと殆ど変わらない。青い上着は部屋に置いて、白のワイシャツにズボンを着て階下へと降りた。]
―・・・→ホール―
大分、集まってきましたね。
[ザムエルの呟きに頷いて]
や、こんばんは。
[いつもと変わらぬ口調で挨拶する。
合わせるように、カーバンクルも尾をゆらりと。
いつもと変わらない様子……しかし、観察眼の鋭い者の目には、どこか、何か。
いつになく緊張しているように見えてしまうかもしれないが]
中/
回想をなぜ書いたか。
それは……単なる自己満足っぽい気が
ごめんなさいごめんなさい。
まあ何か作用するかもしれませんが、しやすくなったりとかも
…やっぱり、みんな、聞かされてないのかな…
[うーん、頬に指を当て小さく唸るが、ユリアンのその後の言葉に]
…だよね。
でも、ずっと見せなかった、って、聞くし…
きっと、凄いオルゴール…なんだろうねっ。
[何が凄いのかは分からないのだが。
少女は少し興奮気味に言うと、新しくホールにやってきた招待客に軽く笑んで…挨拶をする]
[歌い終え、拍手を送られれば顔を真っ赤にして照れる]
えっ!? そ、そうですか
……ありがとうございます
[そう言ってぺこりと一礼
アーベルが先んじて扉を開けたことには、召使いとして少しなってないとは思いつつも、ありがとうございますと言い廊下に出る
そしてアーベルとともに皆が集まりつつあるホールへと向かった]
[人が集まり、それぞれに席に着くのを見遣って、自身もいつもと同じ席につき]
さて、今日はどんな趣向で来るのやら。
[そう小さく呟き、人が揃うのを待って]
んー。なんか知っているっぽいのもいるけどな
[と、ブリジットの唸った様子を見ながら、ザムエルとエーリッヒをちらりと盗み見て]
ま、こんな豪奢な屋敷に住んでいる人間が、こんだけ勿体つけてるんだ。
凄いには凄いんだろ
[と、興奮気味のブリジットに話をあわせるように、何に凄いかは触れずにいった]
[若干緊張した様子のエーリッヒに気付いたか、ほんの少し首を傾げ]
如何されましたかの?
ついにオルゴールを目の当たりにするというので、緊張しておられるのかの?
そう硬くならずとも、オルゴールは逃げますまいて。
[そういって軽く笑う]
[ホールの前で一度、深呼吸をする。やはりこの数日で大分慣れはしたのだろう、扉を開けるまでにそれ程長くは掛からなかった。]
・・・こ、んばんは。
[相変わらず大勢の人を前にすれば一瞬固まるし、視線は何処を見て良いのか彷徨うけれど。小さく礼をして、扉の横へと除けた。]
……ん、どうかした?
[いつのも席について、全員が揃うのを待っていた所にユリアンから視線を向けられたのに気づいて、そちらを見やる。
ブリジットと交わす言葉から、彼らが何の話をしているのかの察しは一応ついたのだけれど]
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