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ん、ああ……あんまり気にすんなっ。
[ごめんなさい、という言葉に、いつもの笑顔でこう返し]
お休み、またなー。
[走って行く背に、手を振る。
肩の相棒も一緒に、手を振って見送った]
[自分をじっと見詰める少女の様子に、彼は、ついと視線を賞品棚の方へと向け。
目に付いたのは、特賞の位置にある、大きなクマのぬいぐるみ]
……ぬいぐるみは、好きだろうか?
[そう、尋ねてみる]
[ぱったりと倒れ付したエーリッヒにさすがに驚いて。
おずおずと近寄り、跪いて、軽く身体を揺すってみる。]
…あの…大丈夫ですか…?
[…大丈夫には見えないから、聞いているのだけれど。]
さて、と……。
[相棒と、二人になった所で、一つ息を吐いて。
周囲の客足が途切れがちなのを確かめ、出店の片付けに入る]
……んでもって。
[やたら賑やかな一画では、何が起きているのかと。
今更のように気にしてみたりとか]
まあ…
昔からあんな感じで良くやってたし、サニーとも…
[だから多分大丈夫だと呟く声は、自分に言い聞かせているのかも知れない]
[ともあれ、集団のほうへと更に足を踏み出す]
[暗い店の中…しかし、その足取りには迷いはなく。
一つ、一つ…ランプに明かりを灯していく]
…
[七色の光を灯すと、机の上に鎮座する馬を撫でた]
探す…ねぇ。
…何を、探せば良いんだか…
[祭りの喧騒は店の外…
しかし、店の中では呟き、そして溜め息が大きく響いた]
/中/
……イレ、それって占CO?
リディもそれらしい動きしてたし……。
アベもなんかそれっぽく見えたのは俺の錯覚ですか。
……能力者あて、苦手なんだよな……orz
はぁ…
[大丈夫と言われても伸びているのは本当に大丈夫なんだろうか。
此処の住人である彼女が言うなら大丈夫だろうと言い聞かせ。
ノーラが歩き出すのを見れば自分も集団に歩み寄る。
声をかけるのは何となく躊躇われたけれど]
……………
[メイドに背中をさすられ咳き込むエーリッヒに
そういえば病み上がりだったことも思い出し…]
…………………すまん。
[と、小さく謝罪]
[ベアトリーチェの様子を、眺め]
では、それを。
[端的に。実行委員の男に声を掛け、大きなクマを受け取る。
柔らかくて、ファンシーな作り。彼が抱えるにも、少々大きいか。
……金髪の少年とぬいぐるみという組み合わせは、妙に似合っていて、それもまた、おかしかったけれど]
[出店を片付け、ふらりと歩く。
宛もなく歩いたはずなのに、その賑やかな一画にめぐってしまったのは幸か不幸か]
……つーか、揃ってると賑やかだな、お前ら……。
[場の状況に、ぽつり。素で呟いた]
よかった…。
[生きていた(!)らしい事に安堵して、ほぅと小さな吐息を零す。
人間は短命らしいから、もしかしてと内心ちょっぴり怖くなっていたのは、誰にもわからなかったろうけれど。]
痴話喧嘩は…ほどほどになさって下さいね…。
[もしかしてお邪魔だったのかしら?
…と思いつつ、向かいに屈む加害者の青年に小さく苦笑して、静かに立ち上がり傍を離れた。]
[ぬいぐるみを持ったミハエルは、
子供にはかわいらしく写った。
よく似合ってるとは言わなかったけれど、
突然向き直られて、驚いた。]
え、えと。
大丈夫、です。
えと……あの……
ありがとうございます
[よく考えれば何が大丈夫なのかわからないが
子供は慌ててしまってあまり理解できていないようだ。
手首にかけた、どんぐり飴の入った袋が
ぶつかりあって、コツコツ音をたてる。]
[コエが聞こえる。
でも落ち着くも何も、子供はもう困惑になっていた。]
ノーラさんどうしよう、僕。
もらっちゃっていいのかなぁ……
[困っている]
[声に、ふと視線が其方を向く。
祭りの始まった直後に聞こえた気がした声を思い出して]
[もしも同族だったとしても、妖精王の放った追跡者とも考えられないわけじゃない。どうしたものかと思考する]
[近くに来た頃には何とか落ち着いた様で]
ええと…。
良かったら…食べる?
[青年たちのほうに、持っていた紙袋を掲げ]
[殴られたばかりの人に勧めて大丈夫なのだろうか]
[違和感は何だったか…
ソレすらも微弱な感覚でしかない。
それとも、何かを見つければ、また何か変わるのだろうか…?]
…何、本気にしてるんだろ…夢、なのに。
[はは、とくしゃり。髪を撫で…
コートとマフラーを脱ぎ、寝間着を*手に取った*]
『……フェーン』
……ん、わかってる。
[相棒の声に、ふ、と意識を向ける。
向こうもどうやら、こちらに気づいているようだけど]
……同族……だよなぁ、明らかに。
[いや、意識上で声を捉えた時点で、ほぼ間違いないといえるのだけど]
[少女の手首にかかった袋を見、自分の抱いたぬいぐるみを見て]
[飴同士のぶつかる、小さな音が、彼の耳にも届いた]
……大丈夫そうには、あまり、見えないが。
[率直な、感想を]
[少女のほうを見ると、大きな熊を前に悩んでいる様だった]
…そうね。
貰って、良いんじゃないかな。
[好意は受け取らないと、と小さく笑んで]
[茶色のふかふかしたクマは、ひどく彼女の興味を誘った。]
触りたい…ぎゅってしたい……。
[茶色の自分と、茶色のクマ。
何処か親近感を覚えたのか――それとも主に抱かれている姿が羨ましかったのか。]
『あ、あの子』
…本当に神出鬼没だなお前は。
[内心でゆるりと息を吐く。
祭りの気配に撹乱される相手の気配は読み難くいが]
『此処まで近いとわかるでしょ?』
ああ、意識して視ればな。
しかし…どうしたものかな。
『声かけちゃえば?』
……お前な。
[メイドの発言に首を傾げながら
新に増えた女性の声に顔を上げればそこにいたのは大判焼き
……もといノーラで。]
[”食べる”?の問いには深く頷く]
[そういえば両手にいっぱいだった。
子供は思って、わたわたと慌てる。
手に持っていた飴を一まとめにする。]
ええと。
どうぞ、なのです。
[ミハエルに逆に差し出すも、
そうしたらお互い、もてないのは当然で。
子供は、はたと気づいて、こまった。]
[こっそりと、夜中にお邪魔して抱きしめてみようか。
そんな風にも思うけれども、あのクマは少女の物で。
あの少女には、素敵な言葉と飴を貰ったから。
――やっぱりやめよう、と心に決めた。]
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