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[同胞の声を聞き、思い出すのは御伽噺。
先ほど、ユリアンやライヒアルトが告げた連なる名の者たちの事。]
結社に、占い師に、守護者に、霊能者、か……。
どれもこれも、居たら邪魔になるのよね。
[存在そのものは、御伽噺として耳に入れてはいた
実際に居るというのは、初めて知ったが。]
……でも都合よく、ここに集まっているのかしら。
それとも、ギュン爺はそういった事も踏まえて、人を集めたのかしら……。
[今現在、都合よく人狼が二匹集まってはいる。
だから、というわけではないが、そういった人らが居ないとも限らないと
頭の隅では警戒を強めた。]
あ、クロエさん、大丈夫?
[赤毛の男――たしかダーヴィットと云っただろうか。
なんとなく何度か会話を向けて、
そもそもゼルギウスも会話のピントがずれることもあり
まったく会話にならなかった想い出がある人の大声に
跳ねたのはゼルギウスだけではなかったよう。
自分の身は、妻の傍にあるので、助け起こすはライヒアルトに任せ]
う。でも……―――
[各方面からの容姿が疑いの種ではないか?という言葉の否定に、
イレーネと繋いでいない方の手が、紅を気にしたように上がり下がりする。
けれど、結局、それ以上は告げれず。
しゅんと頭を垂れた。]
ゲルダ。
びっくりさせちゃってごめんね、大丈夫だよ。
ちょっと、寝不足だからかな。
キーファーちゃんも、心配してくれてありがと。
[幼馴染からも心配されると、申し訳なさに眉を下げて。
肩を落とす彼女の頭を緩く撫でると安心してくれるように微笑んだ。
蒼鷹も自分を心配しているようで戻れといっても傍に居てくれるのを見れば、申し訳なくもあり有り難くもありで。
戻らない様を見てももう一度戻れと言う気にはなれなかった。]
─宿屋・食堂─
[人狼が居ると言う恐怖。
容疑を掛けられて処刑されるかもしれないと言う恐怖。
不安を表に出さないのは、心にある自尊心がそれを許さないため]
[けれど背伸びをしているだけの子供がそれを完全に抑えられるはずも無く。
右手は無意識に左胸の内ポケットに仕舞われている十字架を、上着の上から握り締めて*いた*]
――…ヴァイス。
俺はお前さんの髪も眸も、綺麗だと思うぜ。
[呼びなれぬ名を紡いで見せるのは
其の容姿に合うと思っての事。
彼の言葉から覚悟が伝わってくるから
ゆると目を伏せ考えるような間があいた]
二人でグラォシルヴを守るか?
神の加護を理由に占い師でも霊能者でも名乗ってやるぜ。
[ポツと紡ぐも彼に求められているのは別の事か]
ま、……邪魔な奴は狩れば良い。
先ずは結社を名乗る団長殿だな。
歳くってるってるからご馳走とは言えねぇだろうが
心臓の辺りの血肉なら子の為にもなるだろ。
ブリジット…
[久方ぶりに逢う幼馴染の姿。こんな場所で無ければ土産話に華を咲かせようと娘は想っていた。唯、その正論過ぎる正論に続く言葉を失ってしまう。下手な行動は慎まれるべきである。しかも、知り合いも居ない中に奇行に走るのは、気が触れているとしか思えないのだけど。]
ン―――…もう一度、団長さんとお話出来ないかな
多くは手に掛けたくないって…言ってたから
[結果が覆るとは想わない。けれどこうして誰を処刑台にかけるかなんて出来るはずも無かった。]
―宿屋 食堂―
[響いた音に再び目を開けて。
既にクロエはライヒアルトによって助け起こされているところだったから、そちらからはすぐに視線を外す]
若い子ばかり集めて、いやな話だわ。
[呟き、息を吐いて。
腕組みを解いた]
これ、いただいてもいいかしら。
[テーブルに置かれたサンドイッチを示して、ベッティに問う]
[間に合わなくて悪かったというライヒアルトには、ううん、と首を振った。]
私がびっくりしちゃったのがいけないんだし。
んと、大丈夫。
[強いて言えばちょっと足が痛い気もするが、歩けないほどではないので大丈夫と答え。
赤毛の男を見据える様を見れば、本当に大丈夫だから、と心配そうに見上げただろう。
ゲルダが傍に来てくれれば、申し訳ないという気持ちと安心したものが混ざった表情になる。
ゼルギウスからも大丈夫かと問われると、恥ずかしそうに頷いた。]
[クロエは周囲が先に動いていたので、大丈夫かなと見るだけに終わる]
審問のあった村だってなら、もっと何か話に残ってるもんだろ。
誰かそんな話知ってたりする?
[さらりと返ってきた内容>>337に頷く]
……つまりは、別に探せる者がいそうだってことなんかなと。
だけどそこがまたネックなんだよな。
[隠れるものという認識まではこちらにはないが。
表に出れば危ないだろうと想像することは難しくない]
ああ、俺もゼルさんのせいじゃないのに賛成。
結社って中身は秘密主義らしいから団長さんもあんなだけど、ちらほら噂には聞けるもんで。
容姿で判断するなんて聞いたことないから。
[しゅんとしてみえるゼルギウスに更にそう言った]
ヴァイス……。
[夫が何をしようとしているのかは分らなかったが、
守るという響きには、安堵と不安とが綯い交ぜとなった
複雑な表情を見せた。]
無理はしないでね。
貴方を失ったら、私……。
[それはとても辛いだろうか。
ああいっそ、そうなる前に喰らってしまえばよかったのにと、
本能の奥が紡ぐ言葉は、胸の奥にしまっておいた。]
ゼルギウス。
そんな事考えてるとイレーネが哀しむぜ。
お前さんがイレーネを想うのと同じように
イレーネもお前さんのこと想ってるはずだ。
あのな、若しイレーネが自分のせいだって
落ち込んでたらお前さんは如何思うよ。
[逆の立場で考えてみろ、とゼルギウスに言い募る。
これなら彼にも伝わりやすいだろうと思っての事。
チラとイレーネへ視線を向けるのは同意を求めてで]
そうだろ、イレーネ。
[首を傾げ問う仕草を見せた]
[ゲルダの疑問を聞けば、うん…と曖昧に頷いて。]
多分…おなかがすいたから、なんだろうね。
ギュン爺ちゃんの話だと、その…もう、食べられた人が、いるって言ってた、し。
[その事実を口にするのは恐ろしくて青褪めながらも、彼女の問いかけに自分なりの答えを返し。
続いた言葉には、そうだね、とまた頷きを返した。]
話においでって言ってたし、ギュン爺ちゃんのところ、行く?
私も、ギュン爺ちゃんに聞きたいことあるし。
あり、がとう……―――。
[リヒトに向けた礼の言葉は、何にかかっていたか。
容姿を褒められたことか。
名を呼んでくれたことか。
妻を共に護ってくれると云ってくれたことか。
おそらくは、そのリヒト(光)という存在への礼。
だからこそ、どう動くかは、それぞれが想うままに、と。
状況次第でもあるだろうと告げて]
うん。ギュン様は居なくなってもらわないと、だね。
[白の名に相応しく、無邪気に微笑んだ。]
…そっか、昨日は嵐が凄かったから寝れなかったんだね
本当に、大丈夫なのかい…?
[娘はおろおろとした様子でライヒアルトの方を向き、どうしようかと云った面持ちになる。]
クロエは辛抱強いし頑張りやさんだから…
何処か無理して無いのか、って僕心配だよ?
[磨耗している様子の幼馴染を想い、そと双眸を覗き込む。きゅ、と彼女の服の裾を掴んだ。]
あれは誰でも驚くだろ。
[クロエが大丈夫といえば小さく頷くが
痛い気がなんて言葉が聞こえれば椅子を持ってきて]
――…捻ったか?
取りあえず座れ。
んで、痛い方の足を出せ。
ゲルダと同じ湿布をしておく。
[膝を折り手際よく湿布の準備をして
クロエの返事を待つ。
勝手に触れないのは相手が女性であるからだろう]
あー……なんか、考えまとまんねぇし。
ちょいと、外で一服してくるわ。
ここで吸う訳にゃ、いかんしね。
[軽い口調で言いながら、ふらり、裏口の方へと歩いていく。
蒼鷹は、クロエの側に置いたまま。
特に、呼び寄せる事はしなかった]
あ、いや、その。
雨が酷い時はいつものことだから慣れっこだし。
大丈夫大丈夫、私頑丈なんだよ?
[寝不足と口を滑らせてしまったことをしまった、と思いながらおろおろとライヒアルトと自分を見るゲルダを安心させようと明るく笑ったものの。
自分の服の裾を掴んで瞳を覗き込む彼女の表情に、う、と言葉を詰まらせてから、小さく息を吐いて]
私も、ゲルダのこと心配だよ?
私は本当に大丈夫、おじいちゃん仕込みだもん。
ちょっとやそっとじゃ壊れないよ。
[そういうとゲルダの頭を優しくなでて微笑んだ。]
─宿屋・食堂─
[そうして、辺りを見回していたが、ふと不安そうなゲルダの顔が目に止まり、クスリと笑うと]
…………ま、俺としては。
じじぃの言うことに黙々と従うなんざ、真っ平ゴメンなんだがな。
[そう言って、ぎしりと腰掛けていた椅子から立ち上がると、]
ゲルダにクロエ。じじぃのとこ行くってんなら俺も付いて行っていいか?
話し合いなら頭は多い方がいいだろ?
[そう言ってにかっと笑う。]
[ぐってりと机につっぷしたまま、みんなの話を聞いて]
なんにせよ、このままじゃ手がかりもないし何も解決しそうにないってことだな。
[自分で作ったサンドイッチのひとつに手をつけて、具はハムだったとか]
らいひょうぶか?くろっひ?
[もぐもぐと租借しながら首をかしげてそっちのほうを見た]
ゼルギウスさん…弱気になっちゃ、ダメだよ
イレーヌさんや、生まれてくる赤ちゃんの為にも…ね
皆の言う通り、見た目でって事は無いと想うよ、あのおじいちゃんだし
…それにこんなときこそ奥さんを支えなきゃ
[そう伝え二人を見やる。幸せそうな二人を引き裂くような事は、そんな痛ましい事はあって欲しくない。]
[なお沈むように見えた夫へかける言葉を選んでいた最中、
幼馴染の助け舟には、表情明るくし、こくと頷いた。]
そうよ、ゼル。
それに私は貴方の白銀の髪も、紅玉みたいな目も、
綺麗だと思うし好きなんだから。
それを悪いと思わないで。
[ライヒアルトに感謝の念を向けながら、
夫へはそう優しく語りかけた。]
え、あ、い、良いよそんな大げさな。
本当にそんな痛くはないか、ら…
…う…じゃあ、おねがい、します。
[ライヒアルトから座れ、と椅子を示されると手を煩わせるのもと慌てて遠慮するも、ゲルダの視線もあり断りきれず。
申し訳なさそうにしながらも示された椅子に座ってライヒアルトの前に右足を出した。
アーベルが出ていくのには気付けなかったが蒼鷹はそのまま傍にいてくれただろうか。]
う……―――
[更に重なる言葉に、尻尾があるならそれは情けなく下に垂れさがってる態。
特に妻を例えに出されると、弱いにもほどがあった。
クロエやユリアン、ライヒアルト、イレーネに順々に視線を向け、小さくありがとうと告げ、微笑む。
クロエの様子に、微笑は心配そうな表情に変わるのだけれど。]
私は、お父さんになるからって、思い詰め過ぎだったのかな。
[アーベルの呟きを拾って、コテンと首を傾げる。
煙草を内で吸わないのは、自分の言葉があってか。
気遣いに、ありがとうと呟いたところで、
やっと落ちつきを取り戻したよう。]
あ、サンドウィッチあるんだね!
べッティさんの手作りかな?
イレーネも、……ミハエル君も食べない?
[されど視線はもう父のものとなっているのか、
子どもと形容してもよいような少年の様子を見止めて、
努めて明るく*言葉を向けた*]
――……。
[改まって礼を言われると何となく照れくさい。
ヴァイスへの返事は少し遅れて]
嗚呼、分かった。
[状況次第ということに反論はなく
すんなり了承の言葉を紡ぎ]
邪魔な者は全て狩り尽くす。
[人が聞けば冷酷とも言える思考を言葉にする]
…………と、まあまずはクロエの治療が先か。
というか、ゲルダも怪我をしているし。
…………なに? 自衛団が? …………ほぉう。
[ゲルダの手首の痣の経緯を聞き、声が明らかに低くなる。]
俺の親友に傷つけるとは、愚かしいにも程があるな。
[そう呟き、くつくつと黒い笑いを漏らしていたとか。]
うん、ブリジットも一緒に来てくれるなら私は嬉しいな。
あ、でもブリジット。ギュン爺ちゃんあんまりいじめちゃ駄目だよ?
[ライヒアルトの手当てを受けながらブリジットの申し出を聞けば頷くも、真面目な調子でそんな冗談を言って。
ベッティからも大丈夫かと聞かれると恥ずかしそうに苦笑して頷いた。]
うん、大丈夫。
ちょっとね、驚いちゃっただけ。
よし、イイコだな。
ま、直ぐに済むから。
[濡れた布地でクロエの右足首を拭ってから
生薬を塗布したものを示された箇所に貼り付ける。
包帯を巻くのも手馴れたものであっという間に終わり]
念の為だよ。
後になって足が腫れたとかイヤだろ?
ほら、おしまいだ。
─宿屋・裏口─
[裏口から出て、壁に寄りかかる。
ポケットから出した煙草に火を点けて]
……ったぁく……勘弁してくれよ、っとに。
[煙と共に吐き出すのは、グチめいた言葉]
……探すために『見極める』のも、そのために『選ぶ』のも。
簡単に出来る事じゃねぇんだっつーに。
そこらわかってねぇだろ、『結社』の連中は……。
あ。
ゲルダに怪我させた人は手加減なしで良いからね。
[黒い笑みを洩らすブリジットに、しれっとそんな事を言う限り少女も一部の自衛団員に対しては怒りを抱いていたようだ。]
[アーベルの姿を見送る目は、若干複雑な心境で、
それも一瞬のこと、机につっぷしたまま手をふりふり]
いってらっしゃい。
[サンドイッチを手にする人たちには]
あ、遠慮なく食べてくれ、そのために作ったんだしな。
代金はいらねぇよ、お互いこんな状況だしな。
……とは、いえ。
本当にそうなんだとしたら。
[呟きながら、空を見上げる]
いや……『結社』が動いた時点で、疑いようはねぇ、か。
……ったく……厄介な。
二度と、関わりたくなかったんだけど、な……。
[零れ落ちる呟きは、紫煙と共に風に溶けて、消えてゆく**]
ブリたん、やるなら…手伝うぜ……?
[ブリジットの様子に顔上げてにっと笑いながら]
ゲルルンの麗しき乙女肌を傷つけるようなやつは、重罪だからな。
[クロエからの返答にはそのまま笑いかけて]
もちろんクロっちに傷つけるようなやつも、重罪だな。
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