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ナターリエ!
[何が起きたのかまでは見えなかった。
けれど、ナターリエとベアトリーチェの間で動きが有ったのは確かで。
そのうえ、ナターリエがふらついて、銀の粒子が散っていく様が翠玉に映ったから。
狭い部屋の中、駆け抜ける勢いでナターリエをベアトリーチェから引き剥がす。
宙に、紅の筋が二つ、舞った]
……な。
[拡散と、再構築。
目の前で起きた事態を、把握できずに一つ、瞬く]
……アーベル、か?
[こちらを呼ぶ声は、自身も知る者で。
つい先ほどまでとの違いに、名を呼ぶ声は問うような響きを帯びた]
嫌な感じがする。
また…繰り返してる……!
[命を示す紅が、零れていく。
あの時は、薬師であったゼルギウスが治療をしたけれど]
……ナターリエ…っ。
[自分の心臓の音ばかりが、酷くうるさい]
[ヨハナさんの部屋につくとまず聞こえたのがゲルダのナターリエを呼ぶ声で、
そのただならぬ様子から意識が自然とそちらに向く]
どうした?
[中に入ると見えたのはナターリエとベアトリーチェを引き離すゲルダの姿だった]
また、何があったっていうんだよ…。
ナターリエ、…ナターリエっ!
薬師さ――
[幾らゼルギウスを呼ぼうと、意味はない。
その直感が、手を動かすことに繋がった。
身に纏うエプロンを剥いで、ナターリエの傷口に押し当てる]
なんで、傷口…ふたつも!?
[床に伏せさせ押さえるも、両手それぞれで塞いだ場所が紅へと染まっていく]
ナタリー!
[構えていても介入する余地など無かった。
動こうとした時には既にナターリエの声が上がっていた]
ゼル…は無理か。
ゲルダ、手当て頼む!
[ベアトリーチェを半ば突き飛ばすようにして。その先には老婆の眠る寝台があっただろうか。
ゼルギウスを見るが、何か呟いているだけで動かず。
ナターリエを引き離したゲルダに、背中を向けたまま声をかけた]
今、何をしたんだ。
[鞘に入ったままの短剣を右手に握って、ゲルダとナターリエを庇うような位置に立つ。
ウェンデルの声が淡々と響いて。その意味は分からず眉を寄せた。
ベアトリーチェの説明――ナターリエは自分の鎌に、というのを聞いて、眉は更に寄った]
[ずぶり、と。すり抜けると思っていた刃が手応えを返すので、わたしは慌てて爪を戻した。]
[…やられた。ハッタリだ。]
……さっきのは、一体……。
[ぽつり、呟き。
それから、場所を問う様子に、眉を寄せる]
……端的に言うならば。
生ける者の世界と、死者の世界。
その境界とも言うべき、狭間の空間、だな。
[どう説明するかの思案は短い。
言葉を飾れど、彼に、自分に、起きた事実は変わらないのだから]
人狼だけを傷つける武器じゃなかったのか?
[けれどナターリエはすぐに話せそうな様子でもなく。
少女の手元に残る紅。何か違和感を感じた]
マテウス。
[背後からの声。
けれど目の前の少女から目を離すことは今できない]
ナターリエが、ベアトリーチェのことを確かめようとした。
[それだけは事実。思惑も結果もどうあれ]
[真っ赤に染まった手を見ながら]
…嘘。
[わたしは本気で呆然としている。]
刺さらないって、だからわたし、だから…。
療養中の少女 ベアトリーチェは、墓守 ナターリエ を能力(襲う)の対象に選びました。
あのひとは自分の鎌に刺さったの!
人狼しか刺さらないなら、あの人は人狼なの!
…最初から、わたしを殺すつもりだったんだ…。
[心を巡る黒の渦が全身を巡り終えた頃]
[ぴくりと、ようやく手が少し動いた]
[ぎこちない、ゆっくりとした動きで床を見つめていた顔が持ち上がる]
[その動きに沿い、足にも力が込められ]
[ゆらりとその場に立ち上がった]
……………。
[何も言わず]
[しばらく真紅に映る光景を見つめる]
指物師 エーリッヒは、療養中の少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
/*
更新前には根性で箱戻ります。
今はこっちにしておいて。
あ、昨日今日とマテウス投票だったのは炙り出しでしょうか(何
兄さ、…ナターリエ、が
[いっそ泣き出しそうに潤んだ翠玉が兄の姿を見上げる]
血が…止まらないの。
…やだ。このままじゃ、ナターリエまで。
[明確な答えなど、返せるはずも無く。
それでも、傷口を押さえる手の力は緩まない]
たしかめようと…?
[状況はよくわからない、
けれどもナターリエが怪我をしたのはたしかな事実、
そちらによりながら]
ゼルギウスっ!
[ゲルダも呼んだものの名前を呼びかけるも、
帰ってくる言葉もなにもなく]
意味がわからねぇよ…もぉ…。
[飲み込めない状況の中、つぶやきながらゲルダをてつだおうとする]
[立ち上がったゼルギウスさんを見る。]
[さっきの今で自分でも情けないと思う。でもわたしの目は、縋るような色をしているんだろうと思う。]
[彼は…わたしをどんな目で…]
調理師 ゲルダは、療養中の少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
……理解、したか。
そして、俺もまた、人狼の手によりこちら側の存在になった、という事だ。
[俯く様子に、それだけを言って]
先ほど、現れた時のお前の様子。
今とは、まるで違っていた。
……見た目は同じでも、別人と見えたな。
/中/
襲撃合わせ、よろしくね。
わたしは処刑されるから、「おまかせ」してたら失敗だよ。
言うまでも無いことだと思うけど。
[泣き出しそうな自分の従兄弟の姿を見て、
そこでとにかく体だけは動いた。
ナターリエの傷口を押さえて]
タオルだ、とりあえず止血だっ!
とめるんだ…、とまれよっ!
[応急手当程度なら医療の心得はあるものの、
大怪我をみることなどできるわけもなく。
ただ、傷口をおさえることしか自分もできなかった]
ゲルダ、大丈夫だ、ヨハナさんは大丈夫だったじゃないか。
そうだよな、ナタリー。
[投げかける言葉はあるいは自分に言い聞かせるためのものだったかもしれない]
[倒れるナターリエには目もくれず]
[真紅はその先のベアトリーチェを捉えた]
……ベアタ。
[それは常の優しい穏やかな声色]
[真紅は細められ]
[傍から見れば笑みにも見えるだろうか]
[ゆるりと、ベアトリーチェに向けて左手を差し伸べた]
/*
ぬおー、吊り示唆間に合うかしら。
吊れなきゃ吊れないでもどうにかなるとは思うけど。
吊れなかったら外したことにして、明日俺が吊られれば良いww
中/動けるのはいいことだと思う。
誰かしら大なり小なりの場を率いる人は必要だしな。
いろいろ助かった。
っと、エピでいこうことだったな。
最後までドラマチックになるように、俺なりにがんばってみる。
そうか、君も。
…なら、人狼は他に居たのか。
[うなだれるは数刻]
僕、が?
…まさか。
[眼を見開き]
見たのか。
――あいつを。
/中/
わたし的にはちょっと不完全燃焼だけど、あとはおまかせ。
わたしの燃え残ってる分も村を燃えさせてね。期待して見てる。
ナターリエさんの鎌が、自身に突き刺さった。
自分で傷つけるわけはないから、貴女がそうさせたのでしょう。
力ない少女であれ、咄嗟であれば、やるかもしれないと仰るのかもしれませんが。
……『護り手』であれば。
そのような力があるとは、耳にしたことはありませんでした。
人狼のみに効く、特殊な武器があるなど。
つまりは。
[傷口が二つ。
叫ぶ声が、耳に入る]
片方は、彼女自身の武器。
では、もう片方は?
[手当てを、と言うエーリッヒには頷いたものの。
傷口を押さえる以外に、頭が回るのには時間を要して。
マテウスが傷口を押さえ、手を離すに至って、ようやく薬箱の存在を思い出す]
だい、じょう、ぶ…。
[鸚鵡返しに繰り返して。
震える指先で、薬箱の包帯を取り出す]
タオル…、これで、縛ればいい…?
[ベアトリーチェが重ねた手を握り]
[自分の方へと引き寄せる]
[ベアトリーチェから自分の顔が見えなくなるようにして、少女を抱き締めた]
[直後、その表情に笑みが深まる]
[狂気を乗せた、歪んだ微笑み──]
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