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─河エリア・下流─
おお、出だど!
『……構文もまともに出来ん奴が何故発動させることが出来るのであるか……』
[ティティエンはショックを受けている。
実際ルーンは合っていたようだが、魔法の発動としては次元魔法としてのものだったかもしれない。リーの次元魔法は筆で文字を書いて発動させるものであるために。雷の「意味」を持つルーンだったからこそ、一応の発動を見たのだろう]
…あんれ、反動で滝昇り切っでねが。
[雷は矢とは言い難い形で現れたが、滝を昇ろうとした鯉には当たったようで。弱点属性でもあったのかかなりのダメージを与えていた。けれど、その威力の反動からか、鯉は滝を昇り切ってしまっている]
『……変化しているように見えるのは気のせい、であるよな』
気のせいだとええっぺなぁ。
ま、さっさど片付げっぺ。
[伸ばされたのは、インビシブル・ストーカーの絞首紐。
とっさのバックジャンプで避けよう……としたものの、氷の嵐の置き土産で足元が滑り]
……ちっ!
[舌打ち一つ。
何とかバランスを保ちつつ、振り下ろされたそれは、とっさに掲げた左腕で受け止めた]
カードは使えん、か……フウガ、あわせろ!
[鋭い声に、漆黒がおう、と吼える]
……異界に満ちし、アヤカシの力、我が友を介し、我に力を。
異空の焔、ここに具象せん……異空焔撃!
[呪に応じるよに、漆黒の龍の周囲を黒い光が取り巻き。
直後、飛び立った闇色の火炎球が、インビシブル・ストーカーへと向かった]
私もできれば使いたくないー。
『あぁ、アレ使うとしばらくアフロn…』
それ以上言うなああああ!!!
…って、うわー、すごそー…
『間違っても中はいろうとするなよ?』
[珍しく少女が鴉の言葉に取り乱したりしつつも、ローザの所作を見ると眉を顰めた。
精霊はよく見えないものの、そこに集まる魔力は大体感じられる。
徐々に風が集まり渦になり、竜巻へと変わるのを見れば単純にすっげー、としか声は出なかった。]
『…って、感心してる場合か!』
あ、そかそか、このままじゃ天然スクリューコースターだね。
異界開門、介盟友其力与我!
[呪を紡いで筆を滑らせる。宙に描かれたのは「蔓」の文字。書き終わったその文字を左手でバンッと叩くと、文字から太い蔓が伸びて行く。蔓は滝の上に昇ってしまった鯉へと絡み付き、その位置から下流へと引き摺り下ろし、地面へと叩きつけた]
鯉ん叩ぎいっちょあんがりぃ〜。
『タタキはただ叩くだけでは無いのである』
[地面に激突させられて、何やらちょっくら変形していた鯉はふっと消えて金色の欠片へと変化した]
―どこかの上空―
[背に傷がつくと、鳥はなおも暴れだしバランスがさらに悪くなるだろうか]
わわっと、も〜う、おとなしくしなさいよ♪
[自分にも少なからず原因はあるのだが棚に上げて、さらにざっくざくと笑顔のままで背中を抉るように鎌を動かしていく]
このくらいでいいかしらん?
[鳥の傷口に手を当てると、小さく呟く言葉を口元を動かさずに、いつもと違い少しばかり長い精霊へのお願いの後]
忍崎流奥義・凍血地獄…
[ぽそっと怜悧な声色で呟く、冷気の精霊にお願いをし行使される力]
[異空の火焔は、インビシブル・ストーカーに絡みつき、その身を一瞬で焼き尽くす。
後に残るのは、金色の欠片]
……やれ、やれ。
一部の導師連が見たら、狂喜乱舞しそうな環境だよなぁ、ここって。
『……まったくだな』
[ぼやくように言いながら、先に傷つけた手首に包帯で雑な手当てを施し。
落ちていた欠片を一通り回収した]
『また訳のわからんことを…
さすがにアレは詠唱無しで打ち返しは無理だぞ。』
うん、わかってるー。
[そういうと、伸ばした腕に鴉を乗せたままリボンにマナを集中させて。]
マナよ集え 吾の望みに従いて
焔と炎よ 竜を産み出せ!
[叫びと共にリボンを上へと投げればそれに向かって共に飛んだ鴉も一鳴き。
その鳴き声にも力が宿っていたと見るものが見れば解るだろうか。
力を受け宙を舞ったリボンに纏った炎は、竜の形を成し。
そのままこちらへと向かってくる竜巻へと─!]
[鳥の体は血液を伝い、体の内側から凍り付いていく]
ばいば〜い♪
[飛翔は胸の中で、笑顔でそう告げる姿に複雑な様子だったとか]
さて、問題はこれからどうするかよね〜♪
[完全に内側から凍りついた鳥は、表面上は形そのままに固まったような姿に、よく見れば羽毛の奥の方に霜が降りてるのが見えたかもしれない。
そして動かなくなった鳥は当然落下していく、欠片に戻るのが先か地面に落ちるのが先かといったところ]
[何処かに向かうカルメンはちらと横目で見送り。
膨れ上がる影の気配に、ほんの僅かに眉を寄せる。
空に伸びる鎖を覆わんとする影に向けて、右手を伸ばした]
Je supprime Dieu invariable, la personne de., et suit la paix.
[先とは違う言語での詠唱により、薄い霧が影の上から降る。
現在の学科に属する魔法の実力は思わしくない上、霧は完全に影の進行を防ぐものではなく、速度をやや遅らせる程度のもの。
更に無数にあった鎖の支配が解け、だんだんと数を減らして行く。
それでも最終的に残った一本が合間を擦り抜け、宙に浮くカードに触れた]
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