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ま、そんなにややこしい道じゃないから。
[それすら覚えられなかったらさすがにヤバクね? という疑問は沈めておいて]
……絶対、無理しない方がいいから。うん。
[言い方から何となく察した事に、声が真剣になったかも。
それから、相棒の様子と、相手の視線に建物の方に軽く視線を向け。
あ、確定可愛くねぇガキ、とか思いつつ、なだめるように相棒を撫で]
僕が彼女を雇った。散歩の途中だ。
[何の不思議が。何か問題が。腕を組んで、そう言いたげに]
……表に出ないのか?
建物の影は冷える上に、どこからどう見ても不審者だ。
[きっぱり。]
そうか、なら助かる。
[それすら覚えられないから真性なのだが。
宿までの一本道で迷ったのは伊達じゃない。威張れないが]
あ、…ああ。
[声の真剣さに気圧されつつ頷いて。
人混みと角度になかなか見えなかった建物の陰。
其処に集う人々がようやく視界に入る]
……何をしているのだろう。
[思わず、ぽつり]
嗚呼。
[漸く納得がいった様で]
[それから不審者の言葉に内心ショックを受けるが、何を今更]
[向こうにも完全に気付かれた様で、額に手を当て軽く溜息]
…出ましょうか。
[このヒトよく一人でここまで来れたなあ……とか、思わずしみじみと考えつつ。
何をしているのだろう、という呟きには肩をすくめて]
街角で立ち話……じゃね?
あんな日陰でしなくてもいーだろーと思うけど。
[少なからず馬に助けられてたなんてそんなまさか]
あそこでは寒かろうにな。
日に当たるところに出れば良いのに。
[自分たちを避けていたなんて微塵も思わない。
そもそも彼女が酔い潰れたなど、彼はともかく自分は知らない]
[振り向いたミハエルに、にこと笑んで。
主と黒髪女性との遣り取りを大人しく見守っている。
「ミハエルの事、よろしくね」
酒場を惜しまれながら後にし、向かった屋敷で。
こんな大きな子供がいるようには見えない美しい女性は、彼女を見て少し驚いたよに瞬いて――そう笑顔で告げた事を思い出す。
舞姫であったというあの方は…何か知ってらっしゃるのかしら?
そんな風に思いつつ、主の後ろ姿を温かく見つめて。]
[日の当たる場所に出たところで、昨日見た姿を発見して]
[立ち止まる]
[途端、何時もの不機嫌そうな顔]
……また、会ったか。
[ぼそりと、鼠飼いの男を見ての呟き。すっかり、天敵]
ほんとになー……って、あ、出てきたっぽい。
[こちらも避けられていたとは全く気づいていない訳で。
何してたんだか、と呑気に考えていたりする]
……ええと。
こんにちは。
[頭を小さくさげて、子供は物陰から現れた。
綿菓子と苺飴。
なんともいえない組み合わせを、両手に持ったまま。]
……あんだよそれ。
[ぼそり、と呟かれた言葉に思わずこちらもぽそ、と。
それから、肩の相棒がじぃぃ、とジト目になっているのに気づいて、ぽふぽふ、と頭を撫でてやる]
[本当に、と頷いて。
出て来た皆の姿に小さく笑みを零しながら緩く頭を下げる]
[と、何やら二人(+一匹)が険悪な雰囲気。
やれやれとでもいいそうな表情で苦笑した]
はいはい、そーでっか。
[さらり、返す。
この手を相手にすると疲れるのは、経験済みらしい。
それでも、不機嫌そうな相棒を撫でる表情は格別優しいもの]
[物陰から現れた姿に、あぁ、昨日の…と小さく頷いて。
こちらもぺこりと礼を返す。]
こんにちは…。
どうか…されましたか?
[甘い香りを纏う少女に、小首を返して問いかけて。
ふと、既に物陰から出て立ち止まっている主と…それに対している青年に、ぱちくりと瞬く。
そして、納得したのか。少女の手を優しく引いて表へと促した。]
[騎士には恐らく昨夜何をしたとしても見られていないのだが、彼女にそんなことに気付く余裕はない]
[やや伏し目がちに出たところで、背後からの声に振り返り]
…嗚呼、こんにちは。
[少女の姿に微笑んだ]
[さらりと返されると、なんとなく、ムッと来るものがあるが。
ここで何か反応しては、負け――のような気がする。我慢、我慢]
[男と鼠の様子を視界に入れないよう顔を背け、腕を組んでいる]
[不審者だったから見てました。
なんて本人たちの一人に言えるわけもなく。
子供は、困ったようにしたままで。
そしたら、手を引いてくれる、その様子に、
なんだかうれしくて。]
僕はどうもしていません。
ええと。
[しかし表に出ると、青年と少年が、言い合っている。
なんだろう、なんだろう。
でも、ユリアンさんにはこれをあげなきゃと思って、
苺飴を持つ手、引かれた手、ユリアンの顔、ユーディットの顔
四つを見比べて、どうしようと悩むよう。]
[何か意地になってるような様子に。
あ、やっぱガキだな、とかさらりと考えつつ。
ユーディットに引かれて出てきたベアトリーチェに気づいて、よ、と声をかける]
今日は大荷物だなー。
[にぱ、と笑って声をかけ。相棒も挨拶するように、きゅ、と鳴く。
態度の温度差があからさまなのはまあ、必然か]
[生憎今日は馬を連れてはいないのだけれど。
少女の視線が此方を見上げるのに気付き、人より高い背を合わせるように片膝をついて笑みを浮かべた]
はじめまして、だね。
君はこの村の子かな?
[僅かに首を傾げるようにして問いかける]
[少女の保護者と認識している青年へと、少女をそっと押しやって。
少女が迷う様子には気付かずに、主の姿を見守る。
ふと。
元凶らしきネズミに気付き、焦げ茶色の瞳で見つめ。]
[女の人の微笑みは、やっぱり優しいなと思った。
子供は昨日の、彼女の様子を、微妙には知っているけれど。
それからユリアンにぺこり、小さく頭を下げて。]
大荷物、じゃないです。
ええと、昨日のお礼です。
[苺の飴を、子供は彼に差し出そうとする。
それから、馬の赤い人が、視線を合わせてくれる。
こくり、と小さくうなずいた。]
僕は、ここに住んでます。
ベアトリーチェ=ダルファーって、いいます。
よろしくお願いします。
[後から出てきたユーディットに気付き、つい、遅いと口を開きかけたが、使用人に八つ当たりするとは、主人として――男として、あるまじき事だと、またまた我慢。鼠飼いの男は無視決定。
彼女の連れてきた女の子を見て、という事もあっただろうか]
……………
[我慢すると、無口になる訳で]
[少女が頷くのに此方も頷いて]
私はダーヴィッド=ブラウンフェルズ。
祭りの間、暫くご厄介になるよ。
[その言葉には、もしかしたら迷ったときの厄介ごとも含まれているのかもしれない。
子供にまで助けられる可能性があるのか、騎士なのに]
お礼って……気にしなくていいのに、そんなん。
俺が好きでやってんだからさ?
[ベアトリーチェの言葉に僅か、苦笑して。ぽふぽふ、と頭を撫でてやる]
でも、ありがとなー?
[それから、にこ、と笑って飴を受け取り。
……肩の相棒はと言えば、向けられる視線に気づいてそちらを見返す。
じぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ、と。
妙に真剣]
祭りに、来たのですね。
馬さん、今日は、いないですか?
[名前を、しっかり、頭にいれる。
子供は、しかし、それより気になっていた。
何が……そう、馬のことが。
それから、ユリアンに頭を撫でられて、
うれしそうに目を細めた。]
いいえ、ええと、本当にありがとうございました。
でも、お金……
いくらですか?
[首を傾げて、尋ねる。食事のお金が分からなくて。]
[視線を先に逸らした方が負け。
そんな暗黙の掟を知ってか知らずか真っ向から見詰め合っていたが。
声の聞こえなくなった主の様子の方がそんな勝負より遥かに大切な訳で。]
…ご主人様?
遅くなって…すみません。
[後ろでちょこんと。小首を傾げて。
独りじゃありませんよと言うように、にこ、と笑んだ。]
馬は今、宿の馬屋で休んでいるよ。
[己の纏う装具とは対象的な青毛の馬を思い出す。
今頃どうしているだろう、などと考えながら]
て、お金?
[一瞬言われた意味がわからなくてきょとん、と瞬き。
それから、ああ、と気づいてぽんと手を……打とうとしたけど、手に飴があったのでやめといて]
別にいいって。昨夜のは、奢られとけ。
[そも、一緒に、と言った時点でごく当たり前に奢る気だったらしい。
一方の相棒は、視線が外されたので、きゅ、と短く鳴いた。
状況的に勝った気はしていないらしい。ちょっと不満気]
[その頃、例の彼女はというと]
『〜♪』
[長い黒髪の女性となって、観光客に紛れて散策していた。
動かない馬の幻影を宿の馬屋に残して]
[ユーディットに声を掛けられ、瞬きをするも]
……別に、何も言っていない。
[微笑む様子に、こういうときばかり、その意を悟ったのか。
むすっ、と擬音の聞こえてきそうな程の、顰めっ面]
[不満気な鼠の声が耳に届いて、ほんの少し、気は晴れたか]
[ダーヴィッドの言葉に、こくり、とうなずく。
子供は色々考えて]
きっと、疲れているのですね。
[それから、ユリアンの不思議そうな声と、
続いた言葉に、目をぱちくり。]
でも……
お金、貰ってます。
ユリアンさんに、悪いです……
[困ったように、子供は見上げた。]
[周りでは和やかな会話だったり水面下(?)の戦いだったりが行われているが、昨日の事もあって何となく入りづらい]
[不満げに肩の上で鳴く鼠に何気なく目が行き]
祭りまだこれからなんだし、金は取っとけよ、な?
[笑いながら言って、頭をぽふぽふと]
んー、別に俺は悪いとは思ってないんだけど……。
[実際、そうなんだから、こうとしか言えず。
それでも困ったような表情に、無碍にもできず]
あー、じゃあさ。
今度、川原に石拾いに行く時に、それ手伝ってくれよ?
先払いの手伝い賃って事でさ?
[にぱ、と全開の笑顔で提案する。
相棒は相棒で、また視線を感じてそちらを見やり、きゅ? と首傾げ]
[少女に問われた言葉にきょとんとして]
いや、私は大丈夫だよ。
充分に休めたし、あれくらいなら大して疲労もしない。
馬は存外デリケートだからね。
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