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わ……わからず屋!
[ユリアンが聞けば、それはそっちだと言いそうな。
そんな言葉を叫ぶ。]
[叫ぶ声に呼応して、球体の内3つが
「チュンッ!」と音をたて、扉に光線。
……ズタズタになる扉。
少女は苛立ちまぎれに、両足の包帯を解こうとし……
出来なくて、寝台の上で小さく丸まる。
同じじゃ、ないよ。
[ゆるりと、首を振った。]
なったことにないものになるのは、こわい。
わたしは、臆病だから。
かえりたいの。
[じゃらりと再び、音色がつくられる。
揺らめく色は、]
――火産霊(ホムスビ)。
[赤。]
/*
ちゃっちゃかエーリッヒのところに特攻しておくべきだったかな。
あれこれやってたらタイミング逃したわけですが(滅
寝る前に砂漠で遭難中とかやろうかと考えたがあまりにもすぎるだろうか(爆
*/
――同じ、ではないかもね。
でも、同じだよ。
帰りたい、の。
雪、元来た場所――へ?
なら、雪のままじゃ帰れない。
溶けて、蒸発して、もっかい空へ行かなくちゃ。
[何も恐い事じゃないよきっと、と言おうとして。
揺らめく赤に目を留めれば小さく口を開閉し、
部屋の入り口へと後退った。
嫌々と首を振る代わりに、翼が揺れる]
小説家 ブリジットは、少年 ティル を能力(襲う)の対象に選びました。
そんなの……知らない。
意味とか……だって、それ以外の在り方……
許されてなんていない。
[そこまで呟けば、ぽとぽとと涙は落ち。]
研究生 エーリッヒは、少年 ティル を能力(襲う)の対象に選びました。
[飛び込む刃を大きく動いて避けはしなかった。
否、避けたなら、自身も制御を失する。
刃を舞わす、銀煌乱舞。
糸を用いる力の中でも、それは最も強い集中を必要とする技だから。
何より、糸の長さは本来よりも短い。
動けば、標的を捉えきれぬから、と]
……くっ!
[最低限の動きで急所は外したものの、完全には避けきれず、突きが脇腹を掠める。
痛みよりも、衝撃に息が詰まるが、集中は解かず]
……Schneiden Sie es!
[再度の鋭い声、それに応じて、糸は電子を物ともせずに飛び込んできたティルへと向かう。
銀の糸は、舞うように、その刃を振るい。
遅れて舞う紅が、大気を飾り立てた]
[赤石の揺らめきは力を生む。
紡がれる言葉は虚実をつくり、
奏でられる音は真実と成す。]
雪が全てを覆い隠すのなら、
熱は全てを焼き尽くす。
<虚空に生まれる、焔。
冷えた空気が、一気に温められてゆく。
恐怖の心があれば、それは尚、強くさかるかのように映る>
ゆきたくない。
もう。
[拒絶の言葉は短く。
窓を背に、月を背に。
表情は見えない。]
<焔は蛇の如くに蠢いて、獲物を捕えんと>
[激情が制御を僅かに甘くする。
出力は必要以上に上がり、力のバランスを崩す。
突き込んだ一撃も、ただ直線の動きとなって]
ック。
[糸は意志を帯びて電子をすり抜け殺到する。
舞い踊る刃は身に絡みついて]
ぅあっ!
[切り裂かれた全身から紅が派手に噴き上がった。
未だ幼いままの身体。引き上げる力が無ければそれは脆いものでしかなく。仮面は砕け、苦痛に引き摺られるように声が漏れる。
バヂッという甲高い音と共に全身を雷光が駆け巡り。
…弾けて消えた]
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