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あれは僕が、君に良いといったのだもの。
花も君に協力的だし。
[くすくすわらって]
僕がまったく気付かないなんて、ないはずなのにね
特にあの桜なら…
―朝/Kirschbaum2F―
[昨夜、聖なる少女と話した後、部屋に戻り眠っていた。
力の供給を絶った体は、すこしすこし、普段より重い。
起き上がってしばらくの間は、ぼう、としていた]
うん。……クレメンスさんは危険。
僕は力など感知できないけど、クレメンスさんには近づいてはいけなかった、そんな気はするよ。
もし、クレメンスさんが盗んだとして、
何が目的なんだろう?
[人当たりは良さそうで、それでいて本心が全く掴めない彼の人を思い浮かべる]
―現在/Kirschbaum2F―
下に、おりていようかな。
[つぶやきながら苗床は上を見る。無茶をしたかれの様子を思い出す。]
影の王に食事用意しておいてもらおうか
一応栄養にはなるだろね
とりあえずアマンダさんは、もう少し人間の心理とか機微とか学ぶべきだと思う。
[何かを思い出しか彼は顔を赤らめて、真顔で言う]
わからない。
かれとは付き合いはあったけれど。
そういったことは知らないんだ。
……それを知らないと、かれは崩せぬだろね
[目を閉じて……]
[唐突な真剣なコエはどこか……なにかてれかくしのよう]
あぁ。
[ぽふり]
なにかあったんだ。
だからはなは、楽しそうなんだね
仕方ないよ、かの女は精霊なのだから
[それからからかうように]
何があったの?
―→Kirschbaum1F―
こんにちは。
食事もらえる?
[首をかしげて王に願う。
きっとでて来れば、器用に食事をとって、
そのまま*寝てしまうだろう*
その前に3Fに食事をとたのめるかどうか……]
なななな何もなかったよ!
ただアマンダさんを送り届けたら、力尽きて寝ちゃっただけだから!
そ、そうだ。
アマンダさんが千花で千花がアマンダさんだったんだよ。魂と器が逆だったんだ。
今はアマンダさんがアマンダさんなんだよ!
[明らかに何もなかったとは思えない同様の仕方]
そうだ。昨日ハインリヒさんについて調べたんだけど。
[...は図書館でハインリヒが残した奇妙な依頼とその本をオトフリートが取りにきたことを伝えた]
なんかのヒントなんだろうか?
僕、本とか全く読まないからどんな話か知らない。
ティルは読んだことある?
[必死。かなり必死。話を逸らすのに]
―Kirschbaum・3階東/朝―
[ふと目を覚まし、傍らを見る。
白梟は歌うのを止め、その顔をじっと見つめた]
ヴィンター……?
お前……ずっと?
[歌っていたのか、と苦笑して。
そっと、その真白を撫でる]
思えば、お前もおかしなヤツだよな……。
俺と盟約を交せば、輪転の輪から弾きだされる。
……滅びすら、得られんと言うのに……。
[なのに何故、と。
問いはしない。
問うた所で、答えは返らないから]
……ありがとな。
[だから、代わりにこう呟くだけ]
……さて……。
これから、一体どうしたものか……。
[壁に寄りかかるようにして、呟く。
*その意識が途切れたなら白梟は再び歌をつむぐだろう*]
誰か…いない?
[困りはてて、声をあげる。返事は返らない。
再び、挟まったトラバサミをぐいぐい引っ張ってみる。やはり、取れない。
足首を切り落とそうか、とも考えたが、その後歩くのに傾いでしまうかな、と思ってやめた。]
誰か。
[もう一度、呼びかけてみる。
先の小部屋から、物音がしたような気がした。
期待と不安をないまぜにしたような思いで手に持ったヒカリゴケをそちらへ向ける。
小部屋から、息使いが聞こえてきた。]
[覚醒、真っ先に目に入るのは岩肌の天井。]
[ゆっくりと身を起こせば、軽い眩暈。]
んぁ……あぁ、呑まれちゃった、かな?
それにしても……此処、何処よ?
[ジブンの存在を確かめるように、答えの返らぬ問いを*つい口にした。*]
[しっかり見ようと、眉間に皺を寄せてじっと小部屋の入り口あたりを凝視していると、中からぬっと首が出た。]
……っ!
[思わず息を呑む。
その首は、人ではなかったから。
大きな蛇の頭が、チロリ、と舌を出しながら首を出した。
…やはり、気がつかれているのだろうか。]
[もしあの蛇が自分を食べるつもりなのならば、対峙しなければならない。
だが自分は消耗している上に、足が何かに挟まれて動けない。
その体に触れて生命の焔を奪うには、気も乱れすぎている。きっと、無理だろう。]
……。
[蛇は、ゆっくりと首を動かしてずるりと体を小部屋から出してきた。
どうしようか。
出来るだけ、やるしかない。
彼女は枯渇し乱れきっている自分の気を、必死で纏め始めた。]
[蛇がその大きな体からは想像出来ない機敏な動きで、首を伸ばしてきた。
身を少しかがめて、ギリギリ避ける。。
全身を現した蛇の大きさは、とぐろを巻けば小さな小屋くらいはあるだろうか。
蛇はもともと彼女がいた辺りのすぐ後ろの岩に、めり込んだ。
その衝撃で、彼女の足に食い込んで離れないトラバサミから出た鎖が、根元で切れた。
じゃら、と重たい鎖を左手に持ち、小部屋へと逃げ込む。
ゆっくりとした動作で岩から顔を抜き、蛇は小部屋へと彼女を追う。]
…!
[小部屋は、どうやら蛇の巣だったようだ。
その中には藁のような草がたくさん詰まれており、その中央にたくさんの卵があった。
彼女は必死で藁の中へともぐって隠れる。]
[蛇は視力が弱く、藁の中に隠れた彼女を見つけることが出来ないようで、ゆっくりと首を回し、鎌首をもたげてチロチロと舌を出したり入れたりしながら周りを威嚇する。
暫くそうしていたが、蛇はもう一度小部屋から出て彼女を探しにいったようだ。
その隙にそっと彼女は藁から出た。
そして卵のほうを向くと、それは両手でかかえなければもてないほど大きくて。
コレは、ココでの食料になるんじゃないだろうか。
中にある命の焔を摘み取ってしまえば、食べることがきっとできる。
そっと、ひとつに手を添えて、中の生命の焔を吸い上げる。
それは彼女の力となって体にしみこみ、枯渇したからだを癒す。
トラバサミの噛み付いたままの足は、癒しきれないが。]
[もはや命の無い卵を両手で抱え、この小部屋から逃げようと動いた時、ずるりと地面をはいずる音がした。]
…かえってきた。
[呟き。
親蛇が帰って来た頃、彼女は再び卵の近くの藁へと身を隠していた。
蛇は、そのまま近づいてくる。
卵の生命をいただいたのが、バレるだろうか。]
……!!
[祈るように、目をきゅっとつぶったとき。]
ぎゃぅ!!
[思わず、声が出た。
ずしり、と上からの圧迫感。]
[蛇に声を聞かれなかったのが幸いだろうか。
上にとぐろを巻かれて座られてしまい、全く動けなくなってしまった。]
…むぅ。
[思わず声が漏れる。]
[自力では全く抜け出せ無さそう。
かといって、叫んだりして蛇に居場所を気がつかれれば、食われてしまうに違いない。
間に挟まる藁が、蛇の体重を逃がしてなんとかつぶされずにいるのが不幸中の幸いではあるが、藁がある為に直接触れられず、蛇の生命力を奪う事も出来ないというジレンマ。]
…困った。
[きっと、はたから見るととぐろを巻いた蛇のすぐ下にいる彼女の図は、とても滑稽に見えるだろう。
だが彼女は本気で*途方にくれていた*]
―町に近い森・昨夜―
[ゆっくりと二人で歩いてゆく。
ナターリエの歩調に至っては時折止まりがちで]
本当に大丈夫?
[彼女が覗き込もうとすれば、小さな苦笑と共に手を振って否定はしてくれるのだが。
心配を掛けまいとしてか、それとも「もう一人」の意図なのか。
ナターリエはもう一つの気配をしっかりと隠していた]
でも少しおやすみしよう?
[けれどやはり平気そうには見えなくて。
そう提案すると二人はとある木の根元に腰掛けた]
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