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─宿屋 食堂→─
……大丈夫。
[向ける笑みは、小さい。
転ばないようにと言われれば、
よく夫と連れ立っては転びかけ、
毎回のように手を借りていた事を思い出した。
その手は、もうないから。]
転ばないように気をつけるわ。
いつもよりずっと。
[そうミハエルに告げて、宿を出た。]
そんな覚悟するなんて……
莫迦野郎だ。
[ヴァイスルヴも何処かで覚悟していただろうか。
それが過れば聲が微かに震えた]
――…嗚呼、気をつけてな。
俺は、宿の厩舎にいるから。
[彼女が行く先を告げたから
自分も居る場所を告げる。
言わずとも彼女の嗅覚なら見つけられるのだろうけど]
[ベッティから貰った水とタオルで脚を冷やしつつ。
暫くそのまま休めば、それなりに動きもマシになるか。
唯、余り長い時間は走れそうにはないけれど。]
…そっか、御免ね
―――…でも二人とも何話ししてたんだろう
[昨夜から何処か様子が可笑しいのは解っていた。
募る焦りに、そわりと落ちつかなくなり。]
…二人とも、何か知らないかい?
[そう告げて。外に出るらしきイレーヌへと視線をよこし。
小さく行ってらっしゃいと告げて。]
……本当に、大丈夫なら、良いけど…
[聴こえる赤の聲に、きゅっと柳眉を潜める。
リヒトにグラォシルヴを一番に考えて欲しいとは、
負い目があるからこそ、音に出来ず。
そして、聲にしたとてそれは―――届かないから。]
ん?私を呼ぶのは誰?
[と、まるで赤の聲のように、空間を飛び越えて聴こえるは、例えるなら青の聲か。
空間違えば見えこと叶わぬのに、白銀は紅の眼をキョロキョロと彷徨わせた。]
[人でなくなる、同じにする、という言葉。
思わず、苦笑が滲んだ。
自分の中には、既に人狼の因子がある。
再度、傷を受けたならどうなるかは──わからない、けれど]
……さぁて、どうだかねぇ?
俺が筋金入りに頑固なのは、お前が一番良く知ってると思ってたけどー?
[深緑が金色に変わるのを見ても、蒼は動じた様子を見せない。
代わりに、というわけではなかろうが、ただならぬものを感じた周囲の動物たちがざわめきたった]
……ほんっと、災難な上にいい迷惑だよ。
じいさまが、それを知ってて俺を隔離組に入れたかどうかまでは、わからんけどね。
[軽く、肩を竦める。瑠璃を握っていた右手がポケットに戻り、ダイスを放した]
[揺らいでいた間の記憶はとても曖昧だ。
けれど今聞いたと思った声は、此岸のものよりずっと明確に響いてきて。また生前と同じような姿を影は取り戻した]
……ユリアン、だよ。
体良く踊らされたね。
[きょろきょろしているのは見えなくても雰囲気として伝わってきたものだろうか。呆れ混じりに青い世界で名乗った。
後半は自嘲含み。ああなるまで確かめなかったことを悔やんでいた]
[イレーネの言葉に、ゲルダとイレーネ二人を見比べながら]
一人じゃあぶねぇだろ?
あれなら一緒に行くぞ?
[ミハエルから共にとの言葉がなければそう自分が申し出た。
状況を考えるならば、あまり二人きりという状況はよろしくないのだろうが、イレーネから断わられると]
本当に…気をつけろよ?
[気遣う言葉を立ち去る背にかけた]
お前さんが頑固なのは知ってるさ。
お前さんが煙に巻くのが得意なのも
大事な事言わずはぐらかして……
いつも俺らを置いてくんだよな。
[泣きはしない。
けれどライヒアルトの表情が歪む]
アーベル
[幼馴染の名を紡ぐそのくちびるからは鋭い牙が覗く]
俺さ、家族が欲しかったんだよな。
[ぽつと零した言葉。
誰にも言わずにいたはずの本心。
距離を詰め誘うように誘われるように
アーベルへと手を伸ばした]
修道士 ライヒアルトは、賭博師 アーベル を能力(襲う)の対象に選びました。
そう、ね。
本当に。
[震えたコエに、途切れがちに答えて目を伏せる。]
そんな覚悟をするくらいなら、
一緒に生きる覚悟をしてくれればよかったのに
[覚悟して、それでも駄目だったから選んだ道なのかもしれないけれど。
黙って置いていかれるのはただ悲しいだけだったから。]
ええ、わかったわ。
[匂いから、おおよその見当はついていたが
そう答えて宿を離れた。]
[妻が動くようならば、手は引くこと叶わずとも
その傍らをふよふよと漂いながら聴こえてくる青の聲に答える。]
あ、ユリアン君なの。
えーっと、2日ぶりかな?
[おそらく、声音の様子から白銀がどんな様子か知れるは容易いだろう。自嘲を含む相手の声音に、キョトンとした声音で返す。]
踊らせてた?
[生前と同じか、それ以上に無邪気に近い声音には、
罪の意識は滲んでいなかった。]
─詰め所→村の入り口付近─
[詰め所では、予想していた通り中へ通される事はなかった。
必要以上に食い下がらなかった為、手荒な真似はなかったが、
彼らが見る目は酷く冷たい。
身重だろうが、腹の子が人狼の可能性もあるのだからそれも当然かもしれない、とはぼんやりと思っていた。
そしてそれは事実なのだから。
けれど、本当の目的はここではないから、それでいい。
………会いたい気持ちは多分にあるが、それは堪えて。
詰め所を離れ、その先にある村の入り口、切り立った崖まで歩いた。
崖はだいぶ通れるよう作業が進んでいたが、吊橋はまだ半端なところで作業が止まっていた。
また一歩、そこへと近づく。
見極めようと目を凝らして。]
っ………。
[近づきすぎたか、作業をしていた者に見咎められれて追い払われた。]
私も、何の話かは教えてもらってないな。
あいついつも、なんも言ってくれないからよ…
そんで一人でふらっと、どっかにいなくなりやがるからな。
[ゲルダの疑問にはそう半ばあきらめたような様子で、きっと自分の入り込む余地は1ミリもないんだろうなと、そんなことを思っていたりした]
その足でゲルルン一人で、行くとか言わないよな?
[探しにとのゲルダの言葉にはそう釘をさすように]
[置いて行く、という言葉。
ほんの僅か、蒼が翳った。
幼い頃に、一族の異能を教えられて。
その時から、周囲との距離を一定にしていたのは、事実]
……お前、このタイミングで、そーゆー事、言うのかよ……っ!
[歪む表情と覗く牙に、蒼鷹が警戒の声を上げるが。
告げられた言葉に、一瞬、動きが鈍る。
右手は懐に潜ませたままの銀へと伸びる、けれど。
それよりは、距離を詰められる方が僅かに、早い]
―宿までの道―
……飛べるかどうか。
……どうだろう。
[大人しく宿へと戻る最中に、ぽつと呟いた。
人の足では先ず無理だが、
獣の足でなら―――それでもわからない程度の距離が空いている。
確実を考えるなら、もう少し待つべきだが、急ぐのなら
……だが失敗した時の対価は命だ。
それも二人分の。
眉根が寄った。]
…早くは走れないかもしれないけど
でも、転んでも構わない―――…後悔するよりは、ずっといい
[ミハエルとベッティにそう告げて。
ミハエルから身体を支えられ、其れに甘んじる形となるか。]
…有難う、僕は本当に幸せ者だね
なんだかいつの間にか僕ばかり心配されてる
[手を取り、ぎゅうと握り占め。
温かさに涙ぐみそうになるが、ゆるゆる頸を振って。]
…皆で探しに行こうか
三人で探せばきっと早いよ
[ベッティにくぎを刺されるとそう応え。]
……あれだけ意味ありげに人のことを見ておいて。
そりゃないだろう……。
[変化してゆく場に緊張しながら。
同時に青く響いてきた声の無邪気さにじゃ少しだけ脱力させられた]
生き残るために利用したんじゃないのか。
俺のことも。ミハエルのことも。
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え、ええと。
ばとる脳は自重する場面、だよね!?
……いかん、ついついそっちで反応したくなる。
飢えてるなー、本気で飢えてるなーorz
明日の夜明けで暴れて結構昇華したつもりなんだけど。
やっぱ、対人バトルやってねぇからなぁ、最近。
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