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んーーーっ……。
[左腕を思いっきり上へと向け、右手は左の肘の辺りを掴むような姿勢で身体を伸ばしつつ、翼を大きく広げる。
月の光を受け、翼は銀の煌めきを夜空へと]
ふうっ……やっぱ、こっちは違う寒さがあるな……。
[呑気な口調で呟いた所に感じた、人の気配に]
……っと。
よぉ、散歩か?
[振り返る事無く、ただ、声だけを投げた]
……なるほど。
[腰を下ろし、片手をベッドに突いて、足を組む。
素足が晒け出されるのを、気にした風も無い。
相手が異なる姿へと移り変わるのにも、さして驚いた様子もなく、口許に手を添えて頭を傾けた。
先程までのブリジットであれば、相当に慌てそうなものだが。]
それならば、付けた理由も納得出来る――か。
[ぽつりと落とした独り言は、極小さく。]
「私」に躊躇いは無いさ。
「あれ」は、実験の産物だ。
[ひらりと手を振り、寝起きで乱れた髪を掻き上げた。]
――わ。びっくりしました。
[てっきり気付いていないかと思っていた。
と言っても、口に出す言葉は、何処か暢気なものだけれど]
散歩、…まぁ、散歩ですかね。
ちょっと予期せぬところで気分を害したので、気分転換に。
――其方も、散歩ですか?
[ゆる、と首を傾いで。]
ま、そんなとこかね。
[伸ばした腕を下ろしつつ、問いに答える]
考えてたらちょいと煮詰まったんで、気晴らしに。
[さらりと言いつつ、ふと、微かな違和感]
へぇ。
これ見て驚かないってのも、珍しいねぇ。
[くく、と笑いつつ、ふぁさ、と軽く翼を揺らめかせ]
ああ。
[端末に加わる、新たな飾り。
使い方、という問いへの返答は短く。
顔は横に向けたまま、視線だけをエーリッヒへと投げた。]
いや、なに。
この「遊戯」は……
[紐を小指に絡める。]
あの方が愉しむ目的以外に、
「不要品」を処分して、
新たな「駒」を得るためのもの――
[チリリ、と鈴が鳴った。]
だと聞いたからな。
「代わり」ならば、よかったな。
口実だとすれば、全く別の話になるが。
―中央部:屋敷―
ただいまーっ。
[玄関の扉をばたーんと開き、建物へ入る。
広間へと歩いて行き、入るとソファにごろりとうつぶせにごろりと横になった。
膝を曲げ、ぱったぱったと揺らす。]
これで、殆どの地形は見ましたよねぇ?
あは。
─廃墟群→西部・緑地帯→南部・砂漠帯→東部・湿地帯→北部・岩場─
[一回り。ぐるりと遊戯場内を見て回ったが、わたしのスタイルに合うのは、廃墟群、岩場、緑地帯と言ったところか。
無論、それ以外の場所でも負ける気は更々ないわけだが、やりたいように動ける場所の方がいいのは当たり前のこと。
さて、下見も終わったことだし、今しばらく甘ちゃんの皮を被っておくとしますか。]
実験の産物、ね。
別物と考えて良さそうね。
躊躇いが無いなら良いわ。
いくらサポートで送り込まれたと言ってもそれ以上のお守りは勘弁だもの〜。
[面倒〜、と大袈裟に肩を竦める]
アタシの役割はこの『遊戯』を盛り上げること。
基本的にそのために動くわ。
アナタ達がどう言う理由でここへ送り込まれたのかは知らないけどね。
ここに送り込まれる理由は様々だもの。
はー、でもすっきりしたわ。
ずーっと演技しっぱなしだったし、面識のある仲間は何だか頼り無さげだったし。
もう一人の可愛い子は役に立つのかしらぁ。
……、…へぇ?
[細めていた翠を僅かに見開いて、ぴくりと、僅かに眉を上げる。
組んでいたままの腕を緩めて、口許へ添えて
何かを、考え込むかのように―― 一度、ゆるりと翠を瞬いた]
…それが本当なら、それはそれで構いませんよ。
――「不用品」に、新たな価値を付随すれば良いんでしょう?
[つまり、勝ち残れば。
冷やかな視線を相手へと向けたまま、ぽつりと、言葉を返して。]
−今から巻き戻される時間の話−
[むすとした表情少しだけ残したまま、青少年は日碧とブリスを見送る。
それから、李雪を部屋へと送ろうとしたのだが]
…。
[ぴったり離れやしない]
…李雪、ちょっと、離れない?
[さりげなく、さりげなく、押し返そうとしたけれど離れやしないものだから。
…ぽり、と頬をかいて青少年は少し視線を天に泳がせ、それから]
…飯、食うか。
[幸い、自分の部屋はそれほど遠くなかった。
適当に食事を取らせ、眠るようであれば寝台を貸し、自分が寝るまで寝ないといわれたらしょうがないから嘘眠り。
それから、今に至る。
青少年の体は、今なお彼の部屋に*ある*]
不用品じゃない。不要品だった。しまった。
でも、処分って面白そうな話だなぁと思いつつ、
狂信者の「手伝い」ってのはどうするんだろうと思ってしまった。
……あれも、処分なのかしら?(K部屋見てる)(…)(納得s
単純に捉えれば、そうなる。
[詳細の説明はどうせ不要、というよりは面倒臭がるだろうと。]
そのようにしてくれ。
「私」の理由は「実験」だよ。
それ以外に、言う必要もない。
[無感情だった表情に、初めて、笑みのようなものが浮かぶ。
それは、ただ、唇の端を微かに吊り上げただけのものだが。]
ああ、なかなかの演技だった。
私には到底真似出来ないな。
もう一人、ね――意欲はあるようだ。
[ベッドの端に置いていた端末を持ち上げる。チリリ、と鈴が鳴った。]
/*
ちょwwwwwww
自滅キャラwwwwww悟られてるwwwwwwwwwwwww
毎回自滅キャラでさーせん。
*/
─北部─
…………あれ?
[気がつくと、いつの間にか私は大きな岩があちらこちらに転がる荒涼とした場所に立っていた。
どうやら、考えに没頭してこんなところまで来てしまったようだ。
少しでも自分の有利になるように、入念にここを見て回らないといけなかったはずなのに。
そう思ってしょんぼりしていると、頭上を飛んでいく何かが目に入った。]
……何でしょう、あれ?
[そう呟くと、それが飛んでいった方向へ歩き出した。]
――そうなる。
[冷えた眼差しを受け、顔を動かす。
いろの無い笑みをつくった。]
エーリッヒ=ハイゼンベルク。
精々、勝ち残ると好い。
おや、じゃあ奇遇ですね。
…で、その煮詰まった考えとやらは、解けそうですか?
[薄く笑みを浮かべながら、ゆるりと首を傾ぐ。
揺らいだ翼から揺らいだ風に、さらりと金が揺れて。]
やー?多少ビックリはしましたよ?
――でも別に、今時何があっても珍しくないかなぁ、って。
[今まで色んな人、見てきましたし。
笑う相手に、翠を一度瞬いて。]
それだけはっきりすれば十分よ。
使えるか使えないか、それだけが分かればね。
実験ねぇ…。
うちの組織も規模が大きいからどこで何してるかなんて分からないものねぇ。
知らなくて当たり前だわぁ。
[頬に手を当てたまま、ふー、と溜息をつく。
しかし演技を褒められるとにっこりと笑みを浮かべて]
そぉでしょー?
アタシ女優なの。
あれくらい出来ないと女優としての面目が立たないわぁ。
[真紅の瞳を細め、真っ赤に彩られた唇の両端を吊り上げる]
意欲があるなら何よりだわ。
けど自滅とは穏やかじゃないわね。
アタシが支えてあげなきゃいけないカシラ☆
[うふふ、と少し怪しげな笑み。
白磁の肌、その頬がうっすら朱に染まっているのは見間違いではないだろう]
/*
色々とキモいですおとにーさん(えがお
元からやろうとしてたネタとは言え、実際にやってみるとグラが違和感バリバリだぜ…(ごくり
*/
[それの飛んでいった方へよっとこどっこいしょと岩をよじ登ったりながらやってくると、そこに居たのはアーベルさんと、……ええと誰?]
えっと。どうもこんばんわ。
何をされていらっしゃるんでしょうか?
[ほんの僅かに警戒心を滲ませつつ、2人に近づいていく。]
――貴女に、言われなくとも。
[翠を逸らす。紡ぐ言葉は吐き捨てるように。
ゆるりと身体を壁から起こすと、ぽつりと]
…他に、用件は?
ま、それくらいしかする事ねーしな。
[今の内は、と付け加えつつ、言って]
さて、どうなるか。
考えること自体、意味ねぇのかも知れんけど。
[問いにはくく、と笑いながらこう返す]
なるほど、確かに今時珍しくもないか、こんなんは。
[色んな人、という言葉に、軽く、肩を竦め]
……っと……あれ、あんた。
何してんの?
[呼びかけと、近づく気配にそちらを振り返り。
蒼の瞳を一つ、瞬かせる]
知らなくとも、ね。
同じ組織に属するだけで、味方という概念も薄いからな。
[笑みは数瞬の後に消え失せる。
いろが無く、無機質だった。]
私とて、"Schatten"の名は耳にしてはいたが、
「こう」だとは知らなかった。
[女優発言に関しては、さして感慨も無いらしく、特に付け足しもしない。
……恐らく、「もう一人」ならば、違った反応を示すのだろうが。]
この世界はいつだって穏やかではないさ。
その手も、きっと、振り払うのだろうな。
…、おや。どうもこんばんは?
んーと…お散歩、という所でしょう、…かね?
[偶然ばったり会ったので、井戸端中です。と
女性の声に気付いて、ゆると首を傾いで]
――貴女こそ、
こんな足場の悪い場所までどうなされましたか。
[危ないですよ?
と、岩場をよじ登ったりしている相手に、近付いて。
危なそうならば、手を差し伸べようかと]
[彼女の言う話が事実だとすれば、
不要品であるのは、彼女とて例外ではないのだが。
まるで、それは瑣末な事だとでも言うように。]
未来はない――ね。
勝ち残れば、未来はあるとでも言うのか。
[ふと視線を外して、零された台詞は、淡々とした独り言。
細められた双眸は、遠くを見ていた。]
せめて、娯楽施設でもあれば――やる事も増えそうなんですけど。
暇を潰すにも、気分転換するにも。
珍しがるのは兎も角、毎回驚いてたら、ね。
僕の心臓が持ちませんよ。
[ぽっくり逝っちゃいます。とけらりと笑みを零して。
続く言葉には、ゆるりと翠を一度瞬いた]
……、其の口ぶりですと。
貴方の周囲の方は、驚かれる人が多かったんですか。
……ああ。
後は、「ブリジット」に関して、くらいか。
あれは不安定だから、気を付けるといい。
[まるで、他人事のような口振りで。]
[エーリッヒの返答と問いに]
あっ、そうなんですか?
えっと……私もそんなところ……ですかね。
[下見を兼ねようとして、すっかり忘れていたことは敢えて言わず。
手を差し伸べられれば、一瞬躊躇するもののその手を取って、引き上げてもらうだろう。]
―東部・湿地帯―
[広間を出て飛び立った後、彼女は東を目指した。
巨大烏賊に気付いた時に見た風景はこんな感じだったか。
羽ばたきを抑え、徐々に高度を下げると苔の生えた岩に降り立つ]
――臭、い。
[ユーディットによって屠られた烏賊の屍骸が異臭を放っている。
だが、その身は既に半分以上なくなっており、
屍骸を貪る者の存在を知らせる]
ナイフ、探さなきゃ――。
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