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―広場・露店―
そうだな、期待していよう。
[ベッティの手前そうとだけ答え笑って]
[まだ試作品と言われた飴を一つ口に入れた]
[それは思った以上に味もよく]
[次は数を頼もうと帳簿にメモをした]
そうだ、さっきの話。
演奏会が終わってからまたな。
練習その他で今は忙しいはずだから。
[言うタイミングを計っていたか]
[客足の途絶えた間にそんなことを挟んで]
[帳簿の確認を続けていた]
―広場噴水付近―
[ベンチに腰掛けた彼は軽く息を吐いた。
額の傷は軽く手当てしてあるものの、未だ健在。
治癒魔法を使えば早いのだろうが、残念ながらあまり得意ではないのだった]
…行くか。
[楽師との約束を果たすべくそこから立ち上がったのは、どれ程経った頃だったか。
大通りへと足を向けた]
分かった分かった。
誰も取りゃしねぇよ。
[テリトリーを主張する様子には軽くあしらって]
[後ろを向いたその後をついて行くように歩き始める]
[裏路地の連中が手を出すことは無いのだろうが]
[念のための用心をしてのことだった]
─裏通り→大通り─
/*
さて、そうなると占い先はどうするかな。
ネタとしちゃぎゅん爺占いで消失感知でも良いんだが。
がちっと行くなら阿部を味方につけてみたい(笑)
あー、そっか。
じゃあ演奏会の後でですね。絶対ですよー。
[客になりそうな人を注意深く探しながら]
アタシも演奏教えてもらおっかなー。小さな楽器とか演れたら、お客さんの注意が引けるかも。
そういえば、エルさんって昔、春の乙女に選ばれたことあるんですよねー。大人の女性って感じで素敵。今出てもいいセン行くと思うんだけどなー。
―大通―
[後ろから男が着いてくるのには気づいてか気づかずか
振り向く事は無く、軽い足取りで大通りへと
再び、ぴょいっと出てきた。
飛んだ拍子に浮いた帽子を手で抑え、着地する。]
腹減ったなー。
[呟いたのは、花の香りに混じる露店の食べ物の匂いが
漂ってきたからだろうか。]
─大通り─
[何事もなく大通りへと出て]
[薄暗い場所から華やかな明るい場所に出たことに隻眸を細める]
稼いでるんなら自分で買って食え。
じゃあな。
[付き合うのもここで終わりと言わんばかりに言い放ち]
[別の場所へ向かおうと歩を進め始める]
[ぷかりと、花の香りを消すように紫煙が周囲へと散って行った]
―――自警団詰め所―――
[自分の感情はどうあれ、仕事は仕事である。レナーテが言われたとおりに自警団の詰め所へと足を運び入れた]
ちぃーっす。
アタイはレナーテっていうんだけど、うちの親父から話通ってるかい?
[そんな敬語のカケラも無い言葉で詰め所に入ると、中にいる自警団がレナーテの顔を見て、ついで、ジーッと胸を見つめた]
……どこ見てんだよ。
『―――え!?あ、ああ、いや、その』
[自警団の男がしどろもどろになりながら弁解した]
『人相の悪……個性的な親父さんからは、「身長とおっぱいのでかい女が俺の娘だ」としか聞いてなかったから……』
……。
[思わず、額に指を当て深いため息を吐いた]
─練習所─
[着いた所で、団長の所へ行く、という姉と別れ、自分は練習室へ。
サボらなかったんだな、とからかう声にうるせぇよ、と不機嫌な声で返して自分の楽器と譜面を準備する。
パート別の音合わせを数回繰り返してからは個別練習になるのだが]
「そういえば、アーベルって元は鍵盤の方にいたんだってね」
[その合間の休憩に、件の新人団員がこんな話題を振ってきた。
蒼の瞳が、ほんの少し、険を帯びる。
ちなみに、周囲は見てみぬ振り]
別にたかろうとなんて思ってねぇよーだ!
[立ち去る長身の背にいーっと歯を剥いて。
近くの露店を覗き、揚げた魚の串をひとつ
硬貨を渡して、貰う。
カリ、と齧ると中の白身は柔らかく暖かかった。]
さぁーてっと…
今日から仕事、かな…ぁ?
[マフラーの中。
ぼそぼそと小さく呟いて、翠の眼は周りを見渡す。]
―広場・露店―
きっと俺が忘れてても。
エルザが忘れないよ。
[軽く笑って帳簿から顔を上げる]
楽器なぁ。
そっちにはあまり興味持たなかったから。
[歌うことが楽しかったから]
[たまに触れることはあってもそれ以上にはならず]
[ふとエルザやアーベルはどうして道を変えたのだろうと思った]
[視線が遠くを見る]
はは、一度選ばれると次はなかなか無いからね。
過去に皆無ではないと聞いてるけど。
エルザもあの頃はもっと。
……あ。
[だから笑われもするのだが]
[懐かしい記憶を辿る途中で口を押さえた]
[ベッティを見て暫し沈黙]
―大通り―
しかし、何処にいるやら。
[大通りに出たところで、足を止めた。
普段同じ宿舎にいるとはいえ、彼女が普段何処で何をしているのかはあまり知らない。
辺りを伺いながら暫し考える]
…一度教会に戻るか。
[そう決めてから、再び歩き出した]
……そんで?
アタイの身元は証明できたかい?
『うむ。
そんな身長とおっぱいのでかい女性は、この街にはいない!理解した!
おっぱいは正義だ!ステータスだ!』
[何故か、妙に力説する団員を半眼で見つめながら、レナーテが言葉を続けた]
で、情報のほうほしいんだけど。
『おう!なんでも聞いてくれ!おっぱい姉ちゃん!』
……その呼び方やめねえと、殴るぞ。
……それが、どーかしたか?
「あ、いや……どうかって言うんじゃないんだけど。
なんで、わざわざ移ったのかな、って思って」
……そんなん。
別に、どーでもいいだろ。俺の勝手です。
[向こうとしては、ごく何気ない話題だったのだろうけれど。
こちらとしては、わりとそこらは地雷的な話題。
そのせいか、声は思いっきり、低かった]
「あ、うん、そうだろうけれど……」
そー思うんなら、いらん詮索す、る、な!
(今日は駄目だ寝よう、と思ったけど
多分ローザが事件を知らないのは今日までだろうし、
もったいないから頑張ろう…。)
─大通り─
[子供の言葉を背中に受けながら]
[振り返りもせずその場を立ち去る]
[自衛団長に確認を取ってからしばらく経ったな、と]
[向こうの経過も気になったために足は自然と自衛団の詰所方面へと]
[微かに苛立ちを帯びた声で、ぴしゃりと言い放つ。
静寂の後、流れるのは気まずい空気。
それに、ぐしゃ、と苛立たしげに前髪をかき上げながら、額に手をあて]
……ちょっと、風、当たってくる。
[誰に言うでなく、そして、返事を求める様子もなく。
足早に、練習室を出て行く]
「……あーあ、だから言わんこっちゃない」
「あいつにとっては、その話禁句なんだから」
「理由はわかんないけど、親御さんとも色々あったみたいだし、なぁ……」
[後にした練習室で、こんなやり取りがされていたのは知らず。
そのまま、練習所を出る。外で待っていたらしい隼が不思議そうにしながら肩へと降りてくるのを軽く撫ぜ、特に宛もないまま歩き出す]
―――露店周り―――
[しばらく情報を聞いてみたが、大雑把な概要はともかく、具体的なことはほとんど分からないとのことだった。
ただ、自警団長がならば、もう少し知っていると思うので次官を置いてもう一度来てほしいと言われたので、ぶらぶらと街中を歩き、フランクフルト7本目をかぶりついている]
ふーむ。
これから、どうすればいいんだろう。
えーと。
目撃者を探して?犯人を見つける?かな?
[非常に単純な道のりで考えた]
後は……多発しやすい場所に行ってみる?とか?
あははー。エルさん、その辺しっかりしてるもんねー。
[昔、練習をサボるアーベルに取るエルザの態度を思い出して、笑みを零す]
……そっちにはあまり、って?
[微妙な言い回しが引っ掛かって、つい問いかけ]
ええ、エルさんも再選は難しいって言ってましたね。でも意識はしてるのかなー。
んん、あの頃は?
[言葉を止めた師匠に、にんまり笑顔]
さーってと。
爺っちゃんやるなら、まずどうする?
場所次第では、オレ準備しないとだよな。
[カリ、と魚を齧り、端末へと向けて。
自宅ならば鍵を開けておく等必要だし
自警団詰め所ならスケジュールをもってくる必要があるかな、等と考えながら]
多発しやすい場所ってーと……。
[もぐもぐと口を動かしながら、レナーテが空を見上げ]
こういう人通りの多い場所じゃなく、裏通りとかそこらへん?か?
ん?
人通りが少ないなら目撃者もいないんじゃね?
あれ?迷宮入りか?
[早速既に行き詰ったようだ]
……ったく。
余計な事、聞くんじゃねぇよ。
[ぶつぶつと、文句を言いつつ、歩いていく]
俺がどんな理由で、何やってたって、他人には関係ねぇだろうが……ほっとけってんだ。
[苛立ちを込めて吐き捨てつつ。
気晴らしに何か食べるか、と。
広場の、露店のある辺りへと足を向けた]
─ →広場・露店近辺─
―露店―
[揚げた魚を齧りながら、周りを見る。
蒼い髪が風に揺れるのが目に入り]
お。
やーやー。
[アーベルへと、揚げた魚を振る。]
―広場・露店―
俺は歌っていれば満足だったからね。
[半ば意識が別の場所にもいっていたから]
[問いにも深く考えず答えて]
女性なら全く気にしないってこともないんじゃないか。
対象年齢になれ、ば。
[そこでもう一度沈黙]
[そういえば少女も対象に含まれているのではないだろうか]
[思い出すのが今更過ぎる]
……まあ、あれだ。
それぞれ年相応というのがあるという話で。
ベッティはベッティらしくあればそれが一番素敵だよ。
[にんまり笑顔に一度目を逸らしたが]
[誤魔化すように笑い返した]
ん〜?
そういえば、どんなタイプが優先していなくなってんのかもわかんねえな。
老若男女問わず?かな?
あれ。それ広すぎて限定できないんじゃね?
……どうすればいいんだ……。
[頭を抱えてしゃがみこんだ]
[周囲のざわめきの中でも明瞭に届く声、だが表立って反応することは勿論ない。
微かに口が動き、音を伝える]
ぼくとしては直接踏み込むよりも、何処かに誘い出したほうがやりやすいが。
…それとも、きみがやるかい?
[最後の声は橋渡しの少女ではなく、もう1人に向けて]
と。噂をすれば影か?
それに向こうは。
[人波の中に見知った姿を幾つか見つける]
[特にレナーテの姿は良く目立つものだった]
[客寄せの話を思い出して小さく笑う]
─広場・露店─
……ん。
[呼びかける声に、一つ瞬き。
見回せば、目に入るのは揚げた魚]
お、よう。
食べ歩きかー?
[ひらり、と手を振り返してカヤの方へと足を向ける]
ええい、くそ。
うだうだ考えてもしょうがねえ。
まず行動だ!
結果は後からついてくる!
[開き直ったように立ち上がった。
―――が]
……何処に行けばいいんだ……。
[すぐにまた頭をかかえた]
─大通り→広場─
[詰所へ向かおうとして、通り抜けるべく広場へと差し掛かる]
[見たところ、賑わいはいつもと変わらず事件が起きているとは思いにくい明るさだ]
[けれど噂を知っている者達は内心不安で満ちているのだろう]
湖上の白鳥、みてぇなもんか。
華やかな表舞台の裏には危険が潜む。
そう言う場所の方が俺としては仕事も多くてやりやすい……と。
[見回した隻眸の先に見回りをしているらしい自衛団長を見つけた]
[相手もこちらに気付いたようで、真っ直ぐこちらへと向かって来る]
精が出るな。
あれから何か分かったか?
[世間話のような口調で話しかける]
[己の方ではろくな情報が得られなかったことも告げた]
[その後、団長の声が潜められる]
……何?
それは事実、なんだな?
[隻眸を細め、再度確認]
[返るのは肯定の頷き]
[告げられたのは実行犯の人数と、どうもこの街の有力者が絡んで居るらしいと言うものだった]
……少人数でやってやがったのか。
それなら目撃証言が少ないのも納得が行く。
社会的立場を持つ奴が絡んでるのもでかいか…。
にしても、良くそこまで集めたもんだ。
執念、かねぇ?
[返す声はこちらも自然潜められる]
[周囲の喧噪にお互いの声は紛れ]
[聞き取れる者は限られた人物だけだったろうか]
[話を聞いて口元には笑みが浮かんだ]
ん、旨いぜ。
[何故か揚魚を見て逃げるようにする人たちが居るのは
どうやら大きな女剣士がてんぷらとやらを大量に食べたのを、目撃したらしいが、少女はそんな事知らない。
アーベルの方へと歩みながら魚を齧り]
うん。
――なんか、不機嫌?
[ながら、顔を覗きこんだ]
へ、歌ですか……どんな歌ですかー?
[意外な返答に目を瞬いた]
あははー、そうですね。そういえばレナさんも春の乙女の選考対象になるのかしら。案外、ダークホースかもー。
……何だか褒められてる気がしないのはどうしてでしょう。アタシって年相応なのかしら。
[自分の身なりを見下ろした後]
あ、そうだ。せっかくだから使ってみよっかなー。
[香水売りのお姉さんからもらった小瓶を取り出し、そっと開ける。立ち昇る良い香りに、目を細めて息を吸い込む]
[注意深く中身を一滴、スカートの裾に垂らす。ふんわり♪]
─広場─
[こちらの笑みに団長は僅かに渋い顔をする]
[笑っている暇は無いとでも言いたいようだった]
にしても、少人数で回してるとなれば、拘束には魔法を使ってる可能性も否めんな。
不意を突かれりゃ腕っ節の強い奴でも危うい。
……アンタも気を付けろよ。
いつ誰が狙われるのか分からねぇんだからな。
そんじゃあ俺の方でももう少し探ってみるぜ。
ちぃと当てがあるんでね。
[忠告の後にそう続け]
[自衛団長とはその場で別れた]
[途中隼を連れた青年と擦れ違うが、何やら不機嫌そうな様子を見て取り、声を掛けることはしなかった。
風に流れて来る花片を時折目で追いつつ、教会まで辿り着いた]
戻りました。
ゲルダは…まだですね。
[神父に尋ねて人形師の不在を知る。
もし入れ違いに帰って来たなら、彼が探していたことを伝えるように頼み、再び大通りに出た]
[常の集中力なら、ある意味目立つレナーテに気づくのは容易かったかも知れないが。
ほんの少し、苛立ちを抱えていたせいか、そちらに意識は行かなかったらしい]
この時期にしか食べらんないものも多いからなー。
[揚げ魚から逃げる人々の心理など、こちらも知らず。
知ったら知ったで、多分食欲減退間違いなしなのだが、それはさておき]
……え?
不機嫌、って……な、なんで?
[投げられた問いは図星で。
声は僅か、上擦った]
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