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― 道端 ―
ミハエル=リヒトか。
兄があれで、疲れているのか?
[僅かに冗談を交えつつも、普段よりも覇気の欠ける様子に首が傾ぐ]
─広場─
ん……。
[新たにかけられた声に、向けたのは疲れたよな視線]
進展あったら、どよんと影背負ってないと思うけどなぁ。
[歩きながら、鋭敏になった聴覚は、人々の声を雑多に拾う。先の短い年寄りが怪しいという者、無謀な若者の仕業と疑う者、果ては絵師自身に疑いの目を向ける者まで、あらゆる憶測が乱れ飛んでいるのが分かる]
・・・・・さすがに誰かを特定、という話にはなっていないか・・・・・
[僅かに安堵した様子で、小さくひとりごちる]
/*
エルザの要領の得なさと
オトフリート−リディの会話から
リディ先に占ったほうがいいのかとは思うんだが、
正直。
呪狼入りはどっちかわからん ぞ。
[大丈夫と言う言葉に一つ頷き]
へー。そんなもんなんだ。
[己は一介の海人。絵師のような扱いを受けるようなこともないため、その吐露には素直に知らなかったというように]
あー…でも、俺も言われなかったらちゃんと喋れなかったかもなぁ。ミハエルの兄さんはミハエルの兄さんで急に変わるってことでもねえし
[単にそれまで知らなかったってだけで]
とりあえず今度から寝食ちゃんととりましょう。そしたらちょっとは不注意も消える…と思う。
[兄弟揃ってそうだもんな。なんて思って]
お。よっ。ユリアン。いや、俺も告示の内容ぐらいしか。なんか探す方法とかねえのかなぁ…って。
そういやなんか探してるっていってたけど、俺も出来たりしねえのかな?
[ユリアンに応えつつ問いはエーリッヒに]
[近寄るに連れ、周囲から向けられる視線には気付かない振りをした。
もう1人、傍にいる人に気付き、そちらにも頭を下げ]
…。
かも、知れませんね。
[返答には少し間があった。
困ったように笑み]
ここまで騒ぎが広まって、絵筆の危険性が騒がれて。
それでも出てこないような犯人だぞ?
誰もが持つような想いとは異なるだろう。
……誰かの命を奪うかもしれない可能性があるというのに。
ま。
そんなこともわからんガキが犯人だったら、尻叩く。
いや、それ以前に、なんでそんなのに盗まれたのかと蹴り入れるか。
[途中、少し深刻な言葉が混じってしまったから。
おどけるように、言い足した。
蹴りを入れる対象は、言うまでもない]
ああ、そうだ。
『太陽』の色。
何で、取れるかな。
なにがあれば良いかな。
たりないもの、あつめておかないとなぁ。
[人ごみの中で、口の中で呟いても、
まわりには聞こえない。]
――でも、絶対に、筆は持ってないとね。
絵師様にも、返さないで。
[人ごみを避けて、向かうは水晶花の方]
[エーリッヒの疲れたような視線と言葉に、苦笑いを浮かべつつ]
あー、ですよねー。
ってか、あの告知。
犯人を焦らす結果にならないといいんですけど。
……と言っても、他に打つ手なしなのは確かっぽいですしねー。
[絵師を囲む人の輪には加わらず、じっと幼なじみの様子だけを見る。それから、道の端にいる薬師と、エルザ、そしてミハエルの姿に気付いて歩み寄った]
珍しい組み合わせだな。
そんなもん、だよ。
[さらりと返して]
『絵師』になって、性格変えろ、って言われても正直困るって。
[そうして困った挙句、へらへらと軽薄に振る舞い続けてきたのがここ数年なのだが。
寝食を指摘する言葉には素直に頷いた。
以前のようには行かないのは、既にわかっていたから]
探す……か。
それこそ、懐に入れて隠しちまえば、見えなくなるようなもんだからなぁ。
普通の方法で、探せるか……。
[向けられた問いには、思案の素振り]
―― げ。ミリィせんせーだし ――
[ぱっと見えた赤毛に、あちこち動いているのがばれては危険だと、人ごみの中に隠れた、つもり。]
[告知の紙の前にいる以上、分かっていることではあったが。
話題が絵筆のことと知れば、やや視線を下げる。
ふと兄から聞いたことを思い出して、ミリィのほうに視線を向け]
…あ、あの?
[何だか睨まれていた]
―自宅―
[悄然としていったん戻れば、
ほどなくして、近所に住む仕事仲間が訪れた]
え。はたけが?
おしごと、できなくなっちゃったの?
でも、でも、
糸紡ぎも機織りも止まっちゃうと、みんな困るのだ?
[聞いても、いまひとつ理解できなかった]
[なぜ、そのような事が起きるのか]
[ふ、と視線を感じたような気がして、視線を彷徨わせるものの、それらしき姿は特定できず。
首を傾げつつ、ユリアンの方へと視線を向け]
……それも、考えていなくはない。
とはいえ、お偉方を黙らせる、という事も合わせると、他に手がなくてな。
……っとに、なんでじじ様なんぞ狙ったのか……。
おかげで、余計ややこしくなっちまったよ。
なんだか、私はだな。
今のお前の様子に、すご〜〜〜く既視感を覚えるんだが。
何故だろうな。
[素振りが全く同じ、というわけではなかったが。
それは恐らく、もう15年も前の事を思い出して]
[動けないまま、聞こえた声に目線だけを横にずらして]
…こ、こんにちは。
[頭は下げられなかった。
直後に正面から声が掛かったから]
は、い。
[今度こそ動けなくなる。
所謂蛇に睨まれた蛙な状態]
[アーベルの問いとエーリッヒの返答にうんうんと頷きつつ、]
あー、ですよねー。住民全員剥く訳にもいかないし。そも、携帯してるとも限らんしなぁ。
……何か、こう。裏技っていうか、「お前が犯人だ」っとかビシッと言える探し方とかってないんすかねー?
[おどけて言ってみるが、まさかすぐ目の前にそんな手段持ってるのがいるとは思いもしない。]
あー、エルザ、少しこっちに寄っていろ。
[思いっきり不穏な気配に、思わずエルザをおいでおいでと呼んでみたり]
何か、危なそうだから。
[ミハエルを睨むミリィを見て
人ごみの向こう、また見知った顔を見つける。]
ごきげんよう、ごきげんよぅ。
[手を振れば、
セルシアンブルーの髪が揺れる。]
しんぱいさせるのは、よくないのよ。
しんぱいしてもらうのは、うれしいのよ。
[ミハエルには、しい、と言うよに
人差し指を口の前で立てて、言ってみる。]
人に言えない、大事を抱え込んでいるような。
いや、それとは少し違うか……?
[犯人じゃなかろーな。
当人も気付いていないから、そんな目を向けた。
何処まで本気は定かではない。
細めた瞳は、微かな動きまでも余さず見ようとするように]
[エーリッヒの言葉に、んーと少し思案し、]
……案外。こうなることが犯人の目的だった、とか。
ほら。自分が見つからず、逃げおおせれば、結果として力の集まるスピードは2倍。
……んで、最後に全部持っていく気なのかもしれないっすね。
普通じゃない方法も、使ってないわけじゃあないさ。
ただ、便利な方法の常として、小回りが効かんし、それに……。
……ヘタに公にして、そちらが狙われちゃ、敵わんからな。
一応、情報は規制してるって訳さ。
[ユリアンの言葉に、軽く肩を竦める。
下手に触れ回ると色々怖いなんて事は、深層心理にはあるかも知れないが]
そっか。じゃあ俺は気楽に接しよ
[今まで一応失礼にならないようにとは思ってたらしく]
絵筆は柄が違ってもちっちぇえしな。
全部の家を剥くやら家捜しから何から…できそうだけど…現実的じゃねえし…現場抑えれたら至極単純なんだがなぁ。
[エーリッヒとユリアンの言葉を聞きながら嘆息]
青年 アーベルは、少女 ベアトリーチェ を投票先に選びました。
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