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そのまま即開けたら、意味がなかろうが。
[一応、という物言いには切り換えし。
ついで、投げられた問いに、暗い翠が微かに細められる]
……何を。
何を知っている、と返せば、都合がいい?
[問いには答えず。
返すのは、奇妙な問い]
ゲルダ。
[端的に名前だけを告げる。
否定が無いことを、肯定と受け入れて。
少し考えた後、口を開いた]
貴女と同じ、お伽話の人狼の容疑者になっていて。
仕事は料理を作ること。
[喋りつつ、食器を洗い。ヨハナが少女を招くのを耳に入れる]
………やさしい?
[ヨハナの言葉に、まるで初めて聞いた言葉だという様子で眉を寄せる。やがて老婆が皿を置くのを見ると、小さく頷いた]
………ありがとう。
[薬を飲みに行く様子を見やって]
[薬箱の蓋を閉め立ち上がる]
[少しだけくらりと視界が揺れたが、薬のお陰か傍から気付かれるほどふらつくことは無く]
[持ち直した頃にイヴァンが戻って来て椅子に座るのを見た]
効果が出るまでには少し時間がかかるから。
しばらくは楽にしてると良いよ。
どうしても頭痛が治まらないようならまた声かけて。
[そうイヴァンに告げると空いているソファーへと座った]
[ふぅ、と大きく息を吐いて背凭れに体重をかけた]
………ゲルダ。
[聞かされた名を、確かめるように繰り返す。その声はまだ僅かに掠れていて小さい]
人狼は、おとぎばなしじゃ、ない。
……体調不良者続出ですね。
[診察が終わったのを見やり、息を吐く。
ふらつきは気づかずとも、先程の様子を見れば、ゼルギウスとて具合が良くないのは分かる。
もっとも、自分も他者の事は言えないが。
癖のある髪を、くしゃりとかきあげた]
食事は、食べられそうですか?
『教会の口伝』
[単語一つで答える。
ギュンターとの会話の中、引っかかった一節]
俺達が知っているような、御伽噺ではなく。
知識として伝えられてきた伝承があるんだろう。
或いは。
[僅かに視線を逸らせる]
…伝承ですらないのかもな。
体調不良と言うか。
俺の場合は精神的な部分だけど。
飯どうするかなぁ…。
今なら食える、かも。
[少し曖昧にウェンデルへと返した]
[薬が効いて顔色も徐々に戻って来ている]
[元々白いためにその変化は微々たるものかもしれないが]
[濡れた手を拭い、エーファを広間のヨハナのもとへ促す。
具合の悪い人々とは少し距離のあるテーブルの位置]
お伽話でないなら、何?
私はお伽話でない人狼なんて知らない。
[翠玉は表情も乏しくエーファを見つめる]
貴女は、本物の人狼にでも遭ったことがあるの?
/*
泡沫シリーズは、体調不良者が出やすいよなぁ……。
……あ、はい。
俺が元祖ですね、すいません。
つか、みんな、無闇やたらと痛がる必要はないんだぞーっ!
…………白雪の時もこれ、叫んだ気がするな(汗。
………っつ!
[熱いスープを冷まさずに口に入れ、小さく声をあげて顔をしかめる。ガラス玉のような茶色の瞳に、うっすらと涙が滲んだ]
[告げられた、端的な言葉。
軽く、目が伏せられる。
話すか否かの逡巡は短かった。
全てが動き出しているのは、自身の異常から察しがついている。
ならば、と]
……確かに。
教会には、口伝という形で、伝えられているものがある。
人を喰らうものと、それに、立ち向かうものの事が。
……『伝承』、などではなく。
過去にもあった、『事実』として、な。
[調子が悪いはずの薬師さんは、それでもてきぱきと男の人(イヴァンという名前が聞こえた)を介抱してしまった。]
[わたしはウェンデルさんにいわれるまま、何もできずにおろおろしているだけだった。]
はぁー…
[それでもなんとか一段落ついたようだ。わたしも、何もしてないけど、一安心。]
病は気から、と言います。
慣れない環境も影響しているんでしょう。
ひとまず、用意しますね。二人分。
[ゼルギウスに声を返す。自分と彼の分、ということ。
目を瞑るイヴァンを視界の端に写し、寝相はどうだったかなどと、聊か暢気なことを考えながら厨房へと向かった]
/*
飴 食い で すんま せん ○| ̄|_
やっぱりペースが3000のままなんだろうか…。
向こうと往復してるとどうにも感覚が。
[ぱたぱた、と厨房に駆け出す。]
[わたしにも、せめてこれくらい。]
[スープを、飲みやすいようカップに一杯注いで、薬師さんに差し出した。]
あの、どうぞ、ゼルギウスさん…。
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