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……それはどうも。
[疑いの少ない方、という言葉に返したのは淡々とした言葉]
……覚悟なんてのは、容易く決められないからこそ、覚悟なんですよ。
[続いた言葉は、どこか自嘲の響きを帯びたが、果たして届いたかどうか。
診療所へ戻る、という背を見送りつつ、軽く、腕を組む]
……さて、これはどういう事になるのやら。
[零れ落ちるのは、小さな呟き]
[自警団員は、昨日の事を尋問してきたが。
相手が子供だからか、それともイレーネが自分の事を「人間」と言ったからか。さほど酷い扱いは受けずに開放される]
女将さん…ノーラ姉ちゃん…
[宿でいつも世話になっていた女将さん。フランツと幸せそうだったノーラ。2人の姿が脳裏に浮かぶ。そして…]
ミリィ姉ちゃん…
[正直、ミリィの事はあまり好きではなかった。それはあまりに子供じみた嫉妬心だったのだけれど。
けれど、子供にだって、お互いが好きあっていることくらいわかったのだから]
…オト先生、泣いてるかな…
[ぽつりつぶやけば、家に居る気がなくなって。そのまま家を出た]
[ロストの気配を感じれば、どこか睨みつけるような気配を飛ばす。
それはまるで「笑うな」と言っているように感じられるか]
/*
今回、初めて飴を投げた気がします。
そして、未だに飴をもらっていない事にちょっとびっくり。
まあ、このくらいの方が、心身に優しいよ、うん!
…これは失礼を。
[睨むようなエウリノの気配に笑いそのものは収めるも、まだどこか可笑しそうな気配を漂わせている]
−共同墓地−
[墓石の前に佇む。
其処に、姉は居ないと知っている。
土の下に眠るのは、顔も覚えていない父と母。
エーリッヒの前で口にしたように、墓参りにすら碌に来ていない。
しかしそれは、記憶が朧気だったが故ではない]
貴方達も、――…醜かったっけね。
[手向ける花はなく、投げる言葉は、
凡そ、両親に向けるものとは思えない]
[ノックというにはあまりにも乱暴に叩かれるドアの音。二日酔いでまだ痛む頭にその音が響き渡る。苛立たしくて思わず手元にあった枕をドアに向かって投げつけて]
うるせっ!たまには『清々しい目覚め』ってのを俺にも味合わせろっての!
[それにも怯まず『ドアを開けろ!』と殺気だった声が届く。渋々とドアを開けた先に居たのは案の定自警団の連中だった]
ああ?なんだよ?…ここに泊ったのは、さすがにあんな状況の家に戻りたくなかっただけで…はぁ?
…ノーラが殺された…?
ま、取りあえず。
今の話は、伝えておくべきか……。
[誰に、とは言わず、ゆっくりと歩き出す。
ここに留まっていても仕方ないし、というのもあるのだが]
撒かなければ育つものも育たない。
まずは上々と言ったところかな。
…ここからが本番、だろう?
[囁きにそう返し、哂う気配を送る。
可笑しそうな気配を漂わせる様子には、尚も睨む気配が漂う]
[家の扉をそうっと開けてみる。そこに自衛団員の姿はなかった。恐らくは、軽い軟禁状態にしていたのは一時の戒めだったのだろう。
もしくは、他にやるべき仕事ができたのか。
ほっと息をついて、外に出た。]
アーベル……。
大丈夫かな。今頃、どうしてるんだろう。
[急ぎ足で、道を歩いてゆく。
殴られた頬は、幸い痛むことはなかった。
と、丘から診療所に向かって、誰かが歩いていく姿が目に入る。]
先生?
え、そんなに長く。
[そういえば昨日はミリィと…もう一人の人の事に感けていた気がする。別段ユリアンの事を忘れていたわけではないが、気がつけば夜中で会うような時間ではなかった故に。]
ごめんね、昨日は…
あ…うん。そう、ミリィの所に暫く居たから。
[昨日の事、を思い出すと表情は翳る。]
…ノーラさんたちも亡くなったんだよね…。
あ、あのねユリアン、私。
[ふと思い出したように顔をあげて。]
私が昨日『視た』のは、ノーラさんだったんだけど…。
駄目、だね。亡くなった人を見ても…。
[これでは意味が無い。その事実に申し訳なさそうに顔を伏せた。]
ああ、ユーディット。
おはようございます。
[小さく頭を下げて挨拶をする]
…どうしました、それは。
[腫れの残る顔を見て眉を寄せた。
様子をちゃんと見ようと近寄る]
おはようございます。
ええと……。
[昨日のアーベルの言葉を思い出す。
気になる、という評価。
気付かれぬぐらい、ほんのほんの少しだけ、身構える。]
……ちょっと、若かったんです。私が。
[笑ってみせた。]
わ…ありがとう。
楽しみだな、何色なんだろう。
[承諾にふわと、嬉しそうな気配をまとい。
大切な人に嬉しそうに抱きついた。
とりあえずその『少し』の間に、存分に撫でて弄る気でいたりするのは自身の心の中だけに留めて。]
[ロストの楽しそうな気配には、少しだけ首を傾げたが。
内の感情が悪でない事には微かに笑んだ。]
…女将もかよ…。あぁ?気づくも何も…酒かっくらって寝ちまった時はよっぽどひでえ騒ぎにでもならねーと目が覚めねーんだよ…お前らだってそういう経験くらいあるだろが。
それともあれか?俺が犯人とでも言いたいのか?ああ、そうかもな。で?証拠はどこだ?
ねーんだろ?ならそこ退けよ。
[ドアの前に詰め寄る自警団を押しのけて宿の部屋から出る]
俺が泊った部屋調べたきゃ好きなだけ調べてろよ。
どーせ何もでやしねーんだから。
[立ち去ろうとするハインリヒの肩を自警団の一人が掴んで止めようとするが、その手をパシリと打ち払い]
…んな事より。他の奴らは無事なんだろーな。
[その言葉を聞いた自警団の顔が少しだけ歪む。そして続けて放たれた言葉は]
…ミリィもかよ。まさかテメーらが無茶したせいで自殺ってんじゃねーんだろうな。
[目に篭るのは微かな殺気]
それもそうですね。
ええ、気合を入れておきませんと。
[真面目に返しながらも、纏う気配は変わらず。
睨まれれば睨まれるほど可笑しくなってきてしまうらしい]
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