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ああ、とても、君の事を思っているひとがいた。
そのひとのためにも、少し休んだらまた、行くべき道を進むんだ。
[新たに生まれるための道へ、とは言わず。
唐突な騒音には、何してんだか、と声には出さずに呟いた]
[振り返った少女が何か口を開く。
けれどその声は、必死に空気を求める人間にかき消された]
…もしかして、ハインリヒさん?
大丈夫なのかな。
[けれど扉前からそこまでは微妙に距離があったようで。
少女の方へと向き直り]
ベアトリーチェも、一人なの?
[自分と一緒にするんじゃありません]
良いよ。
僕は君より幼いから、なんて呼んだって構わない。
ユリアンのことは、ユリアンでいい?
[くすと笑って]
…それは、嬉しいよ。
ユリアンといると、僕も楽しいから。
君は、……
[何か言いかけ、口を噤む。そうして前を見た。だいぶ近い。
ごまかすように、偽物でもほしいものなのかな、なんて口にして。]
中、行こうか。僕も、挨拶をしたいんだ。
ね。
随分沢山。
ここってそんなに広かったかしら?
[私はクインジーに相槌を打ったが、なにやら床を転げまわる音が気になって、しゃがみこんだ。
テーブルの下から覗き見ると、転がっているのはどうやら”ぼけ”のようだ。]
とっても賑やかね。
ちッ、
" jcf, Gg#cs#, l#M'coc! "
[玩具のように振り落とされる、生物だったモノ]
[己が右腕を鋼の獣へと変えながら]
[地を蹴り翠樹の力に捕われた娘へと駆け出す]
馬鹿な事を……!
[空間を所狭しと踊り狂っていた樹木は向きを変え]
[鋼の右手は集約した枝を切り裂いて、]
[人の左手は彼女へと伸ばされた]
[集った力は、お世辞にも均衡がとれているとは言えない。その上、時空の歪みは戻る様子もなく、むしろ悪化しているように思えた]
真面目に時空王殿を探して、これ以上時の歪みを生じぬようにした方がいいかもしれんな。
[呟いて立ち上がった]
時空竜殿は、出来ればあまり館から離れぬ方がいいだろう。貴殿の力は恐らくいくらかなりと安定の要となる。
[そう言いおいて、大股に館の外へと向かう]
…ああ、いや。
反抗期には見えない、と。
[チョコを投下したらもんどりうって転げ落ちた男を興味深そうに眺めながら、竜の視線に小さく肩をすくめるだろう。
反抗期と言えばどこかのリューディアだとか自分のトコの継嗣という認識だからだ]
そのうち、が短いことを期待しておくしかなかろうよ。
[雷撃王の視線につられるように窓のほうへ視線をやる。
あまり楽しんでいるようには見えない表情]
…まったく。
これがさっきウェンディの叫びのせいだとしたら、責任持てんぞ。
[ネリーならやりかねない。
それがなんとなく意識にインストールされているようで]
……言わないでくださいぃ。
[とても情けない顔でオトフリートを見た。
図星でもあり、冗談だと理解する余裕も無いらしい]
あー、そういうこと、になるんだ。
…じゃあ、余計なことは言わない方が、いい?
[説明には何となくの理解を示し。
最後の一言は、声を潜めて尋ねた]
……ひとり。
[――一人なの?
そう訊ねられて、気分がぐっと、落ち込んでしまいました。
しょんぼり、そんな音が聞こえそうなかおになってしまいます。]
……どうやら、その方がよさそうですね。
[外へ向かう雷撃王の言葉に頷いて。
肩を竦める陽光王の説明には、はあ、と言いつつ、軽く頭を掻く]
見た目だけは落ち着いている、とは。
竜郷の王たちの間では、定説なのですが。
雷撃王 クインジーが村を出て行きました。
[もんどりうつ間にチョコレートは徐々に溶けていき。気道の確保は少しずつ出来ているだろうか。しかし喉に直接チョコレートが流れている状態であるため、何とも言えない感覚は残ったまま]
げほっ、がはっ!
た゛れ゛た゛よ゛な゛ん゛か゛い゛れ゛た゛や゛つ゛!
[床にうつ伏せの状態で、がらがらの掠れた声で叫んだ]
勿論、呼び捨てで構わないよ。
僕もリックといると楽しい。まるで昔からの友達みたい。
――ん?どうした?「偽物」ってなにさ。
[口を噤んだリックに、ユリアンは尋ねたが、
「挨拶したい」と言われて]
そうだね。僕もここに泊めてくれるようにお願いしないと。
本当に泊めてくれるかな?野宿はマジ勘弁。
[そう言って屋敷の中に、リックと二人入る]
ん、ああ、すまない。
[落ち込む様子に、ぽふぽふ、と宥めるように頭を撫で。
声をひそめての問いには、そうだね、と一つ頷いた]
何かの弾みで迷いが生ずれば、理から零れ落ちる危険もある。
……静かに、送り出すのが一番いいだろうな。
[彼女自身を貫こうとした枝はアーベルの鋼の手によって切り裂かれ、彼女の体はアーベルの人の手によって抱かかえられていた]
……どうして。そんな無茶、するかな
…………馬鹿
[泣き笑いを浮かべそう呟くのは、樹竜王の意思でも、混在した意識でもなく、美里本人としての意識]
[落ち込む少女の様子に、ほんの一瞬、眷属へと向いた視線は険しかったかも知れない。
しかし、その色彩はすぐに失せて]
大丈夫だよ、ベアトリーチェ。
君は一人じゃないから。
行くべき先に、君を待っているひとがいるから……大丈夫。
[投げかける声は静かに、穏やかに]
[時空竜の言葉にコクリと頷き。
悲しそうな顔になってしまった少女に手をバタバタとさせ]
あ、ごめんね!
私も一緒に居た人とはぐれちゃったから、仲間なのかなって!
[だからその発想は相手に失礼すぎますと]
そっか。
うん、ベアトリーチェも早く会えると、いいね。
[続けた言葉はどこか穏やかに。そして少しだけ寂しげに]
うん、まあ気にしないで。
[小さく笑って]
僕も。拾っただけだからね、招待状は。
[それでも中の間取りもわからず、]
……人が多そうだから、あっちかな?
[広間の方を見る。]
そしたらネリーと喧嘩でもするわ。
案外、ハーヴェイを引き渡したらあっさりなんとも無くなるかも知れないし。ギルはあんまりネリーと遊んであげないから、たまにはギルが遊んであげると喜ぶかも知れないよ?
[”ぼけ”はなんとか復活したようなので、私は立ち上がってギルバートに答えた。]
あ、まってクインジー。
ネリーを探すのなら私もついていくよ。
じゃあね、皆。
竜郷、なぁ。
しばらく行っていないから、つい。
[悪いな、と小さく肩をすくめて形式として竜に謝りはしたが、それほど謝っているようにも見えず]
…面倒な。
[クインジーの言葉には同意するしかなくて、やれ、と重い脚を動かそうとすれば、どうやら復活したらしい男の質問に、数拍の沈黙の後ひょい、と挙手したか]
翠樹王 ウェンディが村を出て行きました。
そうだね。きっとあっちだよ。行ってみよう。
[リックの手をとり、広間と思しき所に行けば、
そこには見知った顔が幾つかあって、目をまん丸にした]
え、ハーヴェイさんとカミーラさん!
何でここに……お茶会の準備に行くって
ま、まさか。ここがそのお茶会会場!?
[やっとそのことに気が付く。遅い]
って、ブリジットさんにオトフリートさんまで。
え、何でいるの?
――って。ベアトリーチェ?!
[もう存在しない筈の少女の姿が目に入り、もう思考停止]
風来坊 ハインリヒが村を出て行きました。
14人目、風来坊 ハインリヒ がやってきました。
風来坊 ハインリヒは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
[どこかへと向かう現王達に挨拶する余裕は全く無く。ぜーはーと呼吸を整えながら見えたのは、こちらを見ながら挙手をするトラウマの父]
…………。
[言葉には出さずとも、ああ親子だ、と言う表情になっていたかもしれない]
[広間の中に見つけた姿は、ユリアンがまず驚きの声を出した。
一瞬、視界が暗くなったのは、すぐに瞬きをして治す。]
驚いた。
[先までいた気配が、残っている。翠樹の精霊王がいたのかと、冷静に思った。]
ここは力の強い人の集まり?
それとも偶然なのかな。
[止まってしまったユリアンの前で、手を振ってみる。]
……、知るものか、
勝手に動いた、それだけだ。
[抱えた身体は力とは裏腹にあまりに頼りなく]
[困惑の色を僅か滲ませながら呟くように言う]
それに、君がそうなったのは、僕の咎でもある。
[雷撃王と翠樹王の夫婦は深く頭を下げて見送った。
この辺は流石に躾けられた賜物だろう。今は何処か別の場所で何かを手伝わされているらしい影精の青年、ひいては多分母親辺りからの]
ユリアン?
うん、お久しぶり。…あれ?
[きょとん、とした。自分の時間概念からすれば、ユリアンがここに居るのは変な気がした。が、思い出すのは最前の時空竜の言葉、そしてそこにいる少女]
うん、そんなこともあるよね。
[そんな簡単に納得していいのかどうかは知らないけれど]
……うん。
会えるから、へいき。
[ふたりの言葉は優しくて、また涙が零れてしまいそうでしたけれど、なんとか堪えます。こくん、大きく一度だけ、頷きました。]
……、……………?
ユリアン? どうしたの?
[大げさな声で呼ばれたものですから、眼がまん円くなりました。]
[こちらを複雑そうな表情で見る男に首を傾げたものの、翠樹の言葉に真剣に嫌そうに眉間に眉がよる]
…面倒だ。
[はっきりと拒否する。
時空王と遊ぶくらいなら、まだ火炎王の気まぐれに付き合う法がましだと思っているらしい。
とりあえず外へ向かおうとしたのだが、不意に表情を変えて]
…時空王よりも面倒なのが来たな…。
[小さく舌をうったかと思えば、こちらを見る男にちょうどいいとばかりひらりと手を振って、陽光の王の姿はまるで空気に滲むように*融ける*]
すまんな、あとは任せた。
陽光王 ギルバートが村を出て行きました。
いえ、お気になさらずに。
[陽光王の短い謝罪に軽く、返し。
自分の名を呼ぶ声の方を見る]
…………。
[そこに立つ者、その姿にふと思い起こすのは、自らと近しき『書』を巡る一連の騒動で知り合った翠樹の魔]
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