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─宿屋・食堂─
[来客を告げる音に視線は出入り口へ。
イレーネとゼルギウスの姿が見えると、これまでと同じように頷くような仕草で挨拶をする]
……この全てが自衛団に集められたと言うのか?
統一性が見えん。
[呟きながら眉根を寄せた]
…そうなのかい
えと、昨日足首を草で切ってしまった位なのだよ
其処は薬を塗っておいたのだけど…如何かな
[何処かかしらは擦り傷は有るかも知れないが、冷やしても尚ジンとする手首に娘は意識が向かっていた。恐る恐るライヒアルトに訊ねるのは診断の様子を伺いたいが為。治療との事で前もって手を貸せと青年に云われれば娘は頷き、其れに従うだろう。実際に自分で見えないところを治療する訳でも行かず。]
うん
何から何まで済まないよ、ライヒ君
僕も、もう少しあちらさんを覗うべきだったかもしれないね
[そう言って、娘は自身の愚行を恥じた。]
そうして自衛団に呼ばれた人々は集まった
会話の成立しない赤毛男が最後に押し込まれただろうか
入口と裏口、両方を自衛団の者が閉じる
団長がゆっくりと前に出て
集った者の顔を確認するように見ていった
[ポツリポツリと道中、聴こえていた聲。
妻が唇を噛むを気がついたか否か。
ただ、握る手は安心を与える為に離さぬまま。
辿り着いたその場にいた面々を確かめて]
集められたのが、人死にの件だったら
疑いの基準ってなんだったんだろうね。
姿は見られていない筈だもの。
[嫌な予感が現実となるのならば、
2人がものの見事に容疑者に入っていることに
自衛団――ギュンターに空恐ろしいものを感じ]
集められた理由が、その件ではないといいなぁ……―――
[希望をポツリと囁いた。]
お前さんのせいじゃねぇよ。
見張りを怠ったこっちにも問題がある。
だから気にするな。
[気に病むのが見えたから同胞に向けた聲は
常より優しい響きを帯びていた]
[新たに来た二人に手を振って。
投げかけられた言葉に答えようとするのと、自衛団の訪れはどちらが先だったか]
じいさま、か。
……よーやく、ご説明ってわけ?
[ぽつり、と呟いて。
緊張感を増した空気に身を震わせる蒼鷹を、そう、と一撫でした]
―宿屋 食堂―
ああ、昨晩はお世話になりました。
あなた方も?
[開いた扉の先にはイレーネとゼルギウスの姿。
問い返すことで肯定の代わりとなるか]
ふふ、それは残念ね。
機会があればお願いしようかしら。
[エスコート云々には冗談めかして言った後で、表情を笑みから戻して]
そうね。
今のところはみんな若いこと、くらいかしら。
[アーベルに対して上げた共通点に己が入っているかは定かではない]
集まったようじゃの。
橋の話はせずとも既に皆知っていよう。
もう一つ、大切な話があって集まってもらった。
今朝、崩れた崖の近くで遺体が一つ見つかった。
この夏に村へとやってきた旅人のものじゃ。
嵐に巻き込まれて死んだのではない。
普通ではない殺され方をしておったよ。
[心臓とその付近が「食い荒らされて」いたことを告げる。
そうした習性を持つ獣は村の周囲ではまず見られないというのに]
皆は、人狼という存在を知ってるかの。
御伽噺によく語られるもの…じゃが架空の存在ではない。
人を食らう、人の中に潜む獣じゃ。
[そう言いながら左手の袖を捲る。
肌から浮いて目立つ銀色の刺青がそこにあった]
奴らは強い。
じゃがわしらとてただ殺されるばかりでもない。
旅をしてる者らは話に聞いたことくらいあるのではないか。
結社という組織のことを。
結社は人狼を倒すための組織。
わしはその一員。
この銀の刺青はその印じゃ。
[一度目を閉じ再び開く]
人狼が人を襲うのは血に餓えている時。
こうした死体が出たからには、もう話合いだけでは済ませられん。
村が滅びる前に、急ぎ人狼を探し出して屠らねばならん。
方法は。
[言葉を切る。真剣な顔で一人一人を見て]
…伝承と変らぬ。
ここに集まってもらったのは、疑いのある者じゃよ。
この中から一人ずつ、人狼と疑わしいものを処刑してゆく。
しっかりと話し合え。
決まらないというならわしが独断で決めてでも、やるぞ。
[入口を固めている自衛団員達も頷く。
ここにいるのが全員でないということは、村にももう伝えられているだろう]
足首の傷、か。
昨日、と言ったか。
其れならそっちも見せてみろ。
[差し出されたゲルダの手>>270を取り
生薬を塗った布地を手首に巻きつける。
丁寧に包帯で固定すれば特製湿布の完成となる]
暫くすれば痛みが引くはずだ。
それまで重いものを持つのは控えておけよ。
[昨日の傷と今日の傷、双方をクロエの持ってきた其れで
拭って清潔にしてから新たに軟膏を塗り手当てを終えた]
……謝る事はない。
と、漸く団長殿のお出ましか。
[現れた自衛団長>>#2に向き直り話に耳を傾ける]
―宿屋 食堂―
ええ、わたしは何ともないわ。
……大丈夫なら、いいけれど。
[ライヒアルトから治療を受けるゲルダを見ながら、尚も心配そうにしていたが。
大丈夫だと返されても納得行った様子はなかったが、安心させるようにすこし笑んでみせた]
あら、あなたはたしか――
[そこに新たな声が加わる。
記憶違いでなければ一年ぶりか、煙草を持つ女性の名前を思い出そうとして。
団員の訪れに一度、閉口した]
時間は多くない。
じゃが、わしとて無為に殺したいわけではない。
…今日と明日。じっくりと考えるが良い。
明日の晩には一人目を定めよう。
あの辺りの時間に姿が見えなかった人?
……ううん、それはおかしいわよね。
そんな事を言ったら、こんな人数じゃ済まない筈だもの。
[雨の振る中、各々が家に引っ込んでいた中で、
それだけの基準でこの人数を絞り込むには無理がある。
夫のコエに、そんな事を呟きながら。
その願いに同じものを思った。
ああ面倒な事にならなければ良いのにと。
だがその期待は、ギュンターの言葉に見事に裏切られる事となるのだが。]
―宿屋―
[結構な大人数にぼぅっとなって。
けれど、昨晩を共にした3名には妻に合わせて各々に声をかけた。]
昨日はあんまりお構いできずにごめんね。
けど、どういう組み合わせなんだろう……―――
[怪我をしたらしいゲルダなども気にしつつ、
ぼやいたところで出入口が塞がれ、ギュンターの姿が見えた。
その老人の腕の刺青と、言葉を、
呆と口をポカンと開けて見聞きすることになる。]
……じいさま。
[自衛団長から伝えられた、話。
最初に零れたのは、ため息だった]
なぁんか訳ありだとは思ってたけど、それ、あんまりにも笑えなくね?
……ま、じいさまがこんな事で人担ぎはしねぇのはわかるし。
結社の話も……旅先で聞いた事はある、けど、さ。
[実際には、「聞いた」どころの騒ぎではないけれど、それには触れず]
いきなり言われて、はいそーですか、っていえる事じゃねぇよ、それ。
個人的に聞きたいことのある者は詰所まで来るがいい。
話せることは話そう。
伝承についても、結社の手段についてもな。
[そこまでを言い切ると疲れたように肩を落とす]
…橋のこともそのままにはしておけんでの。
今はこれで戻らせてもらう。
[一つ二つは短い会話がまだあったか。
抗議は取り合わずに去ってゆく**]
―宿屋―
[一口サイズのサンドイッチ、具はハム、タマゴ、きゅうり、レタス、チーズ、ねぎの6種。
大皿に量を盛って、個別に取るようの小皿と一緒にみなの集まる食堂へと]
しっかし、なんだってこのメンバー集められたんだ?
[そうつぶやきながらテーブルの上に大皿や小皿を置いて、
集まった面々に首をかしげた]
うん……。
[同族の優しいコエに、ややしゅんとしたものは和らいだが。
それもギュンターからの説明を受けるまでの事。
予想されていた、死体の件だけでなく
人狼という言葉。
秘密の一端の露呈と、
その解決策として差し出された方法。
それに血がざわめきたつのを覚え、
篭を持った手で己の身を抱いた。]
……本気、笑えねえ。
なんだって、また。
……よりによって、「ここ」で……。
[意識の奥に巡るのは、こんな言葉。
そこにあるのは、微かな苛立ち]
─宿屋・厨房─
あ、ベッティおはよう。
朝早くごめんね、あのね…
[ゲルダの手を冷やすタオルを取りにくると、恐らく皆の朝食を作っているだろうベッティからどうしたの、と問われ手短に説明をした。
こちらの説明を聞いたベッティが不信げに眉を寄せるも手渡されたタオルを受け取るとありがとう、と礼を言い。
そっちは頼む、といわれると解ったと頷いた後に、ふと]
ベッティ。ベル兄帰ってきて良かったね。
[そう言って微笑みベッティの頭を柔らかく撫でてから、先に戻るね、と声をかけてゲルダ達のもとに戻った。]
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