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[父と呼べと言った人間が居た。
修道院の院長はみんな家族なのだと言った。
信じようと思っていたけれど
容疑者になったその時に其れは裏切られる事となった。
人間と家族になどなれない。
ならば可能性のある者は同族しかあるまい。
イレーネの子が産まれれば――
アーベルが同じになれば――
そう考えてライヒアルトはずっと無茶をしてきた]
雑貨屋 ゲルダは、修道士 ライヒアルト を投票先に選びました。
─厩舎─
[ゲルダと共に辿り着いた先には先客、詰所へと向かったはずのイレーネの姿と]
ライヒアルト──!
[紡いだのは信じたいと思っていた者の名。
対峙するアーベル共々、赤が散っているのが見えた]
[止めろと叫ぶゲルダ。
その一方でミハエルは二人を注意深く見た]
(ゼルギウスはライヒアルトを人だと言った。
でもこの様子は……───)
[銀を持つアーベルと、何も持たぬライヒアルト。
アーベルの受けた傷を見れば、一目瞭然だったか]
中
同時落ちかな?
なら両方アルセットオーン。
これでアル死んでないと悲しいからやっぱりこうなんだよなぁ…
え、アルだけ落ちたら?
その時考えまs
―厩舎―
[そこに近づけばゲルダの切羽詰まったような声がこちらにも聞こえてきて、
急いで、その場にたどり着けば]
な…アーベルっ!
[何より一番に目についたのはアーベルの怪我で、
考えるより先にアーベルのもとに駆け出していたかもしれない]
なにしてるんだよ、こんなところで、二人だけでよっ!
[そう言いながら、その場にたどり着くのと誰かに制止されるのはどちらが早かったか]
宿屋の娘 ベッティが「時間を進める」を選択しました。
損って言葉が出るあたりが、ユリアン君らしいなぁって思ったよ。
[少しだけ上がった唇の端は、しかしリヒトが傷を受ければ、きゅっと噛みしめる形を取る。
――……彼の望みは、なんとなく判る気がした。
だから、やはり少し負い目があって。
無茶をするリヒトを責める言葉を口に出すことが出来ない。]
――…喰えば、治る、かな。
[その言葉はイレーネへと向けて。
他の人の気配を感じては居たが――
金色は蒼へとむけたまま]
はっ……、失態は一度きりに決まってンだろ。
[何を紡ごうと何をしようと靡かぬアーベルに
リヒトは漆黒の獣へと姿を変え飛び掛かる。
――狙うは咽喉笛。
常に一撃でしとめる狩りの名手は傷を負いながら
その脚に、牙に、爪に、渾身の力を籠めた]
だからって…幼馴染同士が傷つけあうなんて――
そんなの、無いよ…!
[ベッティも遅れて駆けつけてくるだろうか。
制止の声も、もう届くか如何か解らない。]
僕は――――…誰が誰でも
たとえ大事な人たちが人狼でも
――――…構わなかったのに!
[駆け寄ろうとするけれど、距離を遠く感じていて。
誰が狼でも構わなかった。仮令誰かが誰かを殺めても。
それでも―――…全部両手から零れるよりは、ずっと良い。]
[たゆたう影は形を成さぬまま、いつ頃からかそこにいた。
交差する影と、散る赤と。
それらを哀しむかのように、ふるりと震え]
ゲルダ! ベッティ!
行っちゃダメだ!!
[今まさにぶつかり合おうとする蒼と黒に駆け寄ろうとする二人を止めようと声を張り上げる。
ゲルダに関しては手を離さぬようにして、向かうのを押さえたことだろう。
叶うなら、空いている手をベッティへと伸ばして腕を掴もうと]
修道士 ライヒアルトは、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
[リヒトに気をかけながら
灰銀の全ては敵であるアーベルに向けられている。
もしも、万一、リヒトが倒れてアーベルが倒れないようなら、
自身が引き裂いてしまうだろうから―――。]
[アーベルの言葉に足は止まり、涙をこぼしながら]
アーベルがいなくなったら…いやだからに…決まってるだろうが…っ!
[返す言葉は泣き声で叫ぶように]
ライヒアルトっ!アーベルの幼馴染なんだろっ!
アーベルまで、連れていかないでくれよっ!
[懇願するような声はそこに届いたかどうか、駆け出す姿が見えた気がした]
[ミハエルに名を呼ばれている事も理解していた。
見られていたとしても止められない。
本当は彼には知られたくなかったけれど
そんな事を思っても――もう遅いのだから]
[姿を変えた漆黒を、止める事など出来はせずに。
ただ祈るように『狩り』を見ていた。
最中に割ってはいるようなゲルダ
気をそがれるアーベル
それらが全て光を生かしてくれれば
そんな望みは儚いのかもしれないが――]
[たゆたう何かを感じながら、伏せた瞼を上げた紅の主は、
死者故に何もできず、ただ息を呑んで事の成り行きを見守る。]
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